WEB月刊競輪世界選レポート(前検)
 
 
第1報 【3月23日】
 
 今年度のトラック競技の掉尾を飾る世界選手権が3月23日、開幕する。オランダ・アペルドールンのオムニスポーツを舞台に、27日まで5日間にわたり、世界最高峰の戦いが繰り広げられる。

 開幕に先立って22日に行われた開会式では、東日本大震災の被災者・犠牲者に対して黙とうが捧げられた。現地でも震災への関心は高い。ロードレース界の英雄、エディ・メルクス氏が日本のピットを直々に激励に訪れたほか、日の丸を掲げての場内一周ではひと際大きな歓声が送られた。日本チームにとっても、特別な思いを胸に臨む大会になりそうだ。



東日本大震災の被災者・犠牲者に対して黙とうが捧げられた

開会式

 男子はチームスプリントが雨谷、渡邉、新田。スプリントには今季好調の北津留ら4人が出場。ケイリンには浅井ら3人が、1キロタイムトライアルには新田がエントリーした。盛は昨年銅メダルを獲得したスクラッチと、オムニアムに臨む。

 女子ではCLUB SPIRITSから中川と加瀬が初の世界の舞台へ。2人で戦うチームスプリントに加え、中川は500メートルタイムトライアルにも出場する。上野はポイントレースとオムニアムで世界に挑む。

 前日練習では新田が体を休めたが、それ以外の全員が走路の感触を確かめた。雨谷と渡邉はそろってスタート練習を行うなど、翌日のチームスプリントを想定して汗を流した。雨谷は「第一走のことしか考えていないと言ってもいいぐらい。力を発揮したい」と意気込む。盛は入念に周回を重ねて最終調整。初日に出場するスクラッチについては「後のオムニアムにつながるように、いい刺激にしたい」と語った。

 女子は3人の先頭を切って中川が500メートルタイムトライアルに登場。「こんな大きな大会に出られると思っていなかった」と初々しさものぞかせつつ「せっかくの舞台なので。楽しみたい」と本番の戦いを待ちわびていた。



日本チーム

 
~アペルドールンから~
皆さん、こんにちは。

まず初めに、東北地方太平洋沖地震で震災に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。そして一日も早く、日常の生活に戻れます事をお祈りしております。

さて、Web月刊競輪チームは、3月21日に日本を発ち、2011年UCIトラックサイクリング世界選手権の取材に向かいました。開催地はオランダのアペルドールン。アムステルダムから車で南東に約50kmの所ある街です。街はこじんまりとした非常に雰囲気の良い街です。
 


アムステルダムから車で南東に約50kmの所ある街

 
開催場であるオムニスポーツベロドロームは、市街地から少し離れたところに位置しています。車で向かうと突然、目に飛び込んでくるオランダカラーのオレンジ色に彩られたベロドロームは威風堂々としていました。
 


オムニスポーツベロドローム

 
本日、15時からの日本チームの練習の取材にベロドロームに訪れると、新田祐大選手を除く、選手たちが練習を開始。「オープニングセレモニーを行うみたい」と、チームの方から聞いて、簡単なものでしょうと高を括っていましたが、ふたを開けてみると、今までのオープニングセレモニーは、一体なんだったのだろうと思うぐらい、本格的なものでした。
 


日本チームの練習

 
19時30分、震災でお亡くなりになった方々への黙とうから始まりました。
日本チームには震災で実家を失い、親戚、友人とも連絡が付かない渡邉一成選手が出場しています。彼の胸中を思うとどのように声を掛ければいいのか分かりません。しかし、「未来に向かう」とインタビューに応えてくれた渡邉選手を是非応援してください。
さらに、本当に日本の事を、みんなが考えてくれているんだなと思ったのが、各国のチーム紹介で先導役の子供たちの乗る自転車の前に、日の丸が付いており、ハンドルも黒のバーテープで巻いて、弔意を表していました。ちょっと日本語訳は違うと思うけど、その気持ちは、本当に心に沁みてきて、思わず涙が出そうになってきました。
「頑張ろう日本!みんなが付いてるよ!みんなが応援しているよ!」
その気持ちが本当に嬉しかったです。
 



弔意
黙とうに続き、行われたのが、各国チームの紹介、開会宣言、世界選手権ではなじみの少ないデルニレース、そして、歌手の方が登場し、場内のお客様を盛り上げていました。本番のトラック競技は行われませんでしたが、夜21時30分まで続いたセレモニーは、感動的なものでした。
 


開会宣言

日本チーム
デルニレース
正直に言えば、本日は日本チームの練習が終われば、軽く食事が出来るかなと思っていたのですが(明日からは夕食は簡単に食べられる物で終わるので)、オープニングセレモニー(オープニングショーとだと思いますが)が本格的で、世界選手権が一日プラスされるとは思ってもみなかったですね。

明日からの5日間、日本チームは勝利に向かって、我々もベストを尽くして、レポートしていきます。日本の皆さん本当に応援よろしくお願いします!
 


日本チーム

 
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