WEB月刊競輪世界選レポート(初日)
 
 
第2報【4月4日】
 
 いよいよ始まったオリンピック前のトラック競技を総決算することとなる2012トラック競技世界選手権大会。オーストラリア、メルボルンでのこの一戦、4ヵ月後と迫ったロンドン・オリンピックに向けて熱く盛り上がっていくことが期待されます。そんな2012世界選手権は近年稀に見る、日本チームの活躍に心が躍った1日になりました。やはり日本の活躍が見られると本当に嬉しいですね。本当は日の丸が揚がるのが観たかったのですが、これは2日目以降に持ち越したいと思います。
 頑張れ日本チーム!
 それにしても男女のチームスプリントでREL(降格)が続出したのには驚きました。女子ではリトアニアが降格、男子では、最強のドイツ、そしてイギリスが降格となり周囲がざわめいていました。15mラインより早く前走者が抜ける違反を取られたようです。
 今回の世界選手権はかなり厳格に違反を取っているようです。
 明日以降、どのようなジャッジをしてくるのかこれも気になるところですね。

開会式
 
■男子団体追抜
 【男子団体追抜決勝】
 ロンドン五輪に向けて強化を進めるイギリスが3分53秒295の世界新記録で今大会第1号の金メダルを手にした。
 予選から一番時計を出すと、決勝では2連覇中だった地元のオーストラリアと中盤まで目まぐるしいデッドヒートを演じ、満員で埋まったハイセンスアリーナの観客を熱狂させた。しかし、中盤の2500メートルを過ぎたあたりからオーストラリアをじりじりと引き離し、最後は北京五輪で記録した自国の世界記録を4年ぶりに塗り替え、歓喜の輪に包まれた。
 同種目でチームを引っ張る27歳のエドワード・クランシーは「激しく戦うことができた。でも、最も大事なことは8月にわれわれのホームで勝つことだ」と五輪2連覇に向けて気合を入れ直した。
 3連覇を狙ったオーストラリアで中心メンバーとなるジャック・ボブリッジは、敗戦を示すスコアボードを見て失望を隠せない様子。「ここから巻き返さないと行けない。エネルギーをもらったよ」と五輪での雪辱を誓っていた。


男子団体追い抜き優勝チーム(イギリス)

男子団体追い抜き表彰式
■女子チームスプリント
【女子チームスプリント予選】
女子チームスプリントはアンナ・メアーズ率いるオーストラリア、ヴィクトリア・ペンドルトン率いるイギリスに注目が集まった。しかし、予選でドイツチームが、32秒630で世界記録を更新し、一挙にドイツに注目が集まった。
 気になる日本は、3組目に登場し、ニュージーランドと同じ組になった。
結果は、奮闘し35秒301で日本記録を更新したがトップには及ばなかった。
前田佳代乃
「調子はいいんですけど、でも、後で聞いた1周のタイムがめちゃめちゃいいわけじゃなかったので、今回は石井さんに助けられての日本記録だと思います。また、スプリントは日本新を出して勝ちあがれるように頑張ります」
2走の石井寛子
「ずっと出たくて、出たくてしょうがなかった世界選に出られて、そこで日本新を出そうと目標にしていたので、ほんのちょっとですけど更新できたことは嬉しいです! スプリントは、ギリギリで出られるのがわかったんですけど、目標はまず予選で11秒台前半…は難しいと思うけど、自己ベストを目指して11秒8を出したいですね」

【女子チームスプリント決勝】
 決勝戦は、ドイツとオーストラリアの対決になった。1走目はオーストラリアがアンナ・メアーズ。ドイツはミリアム・ヴェルテ。1走はオーストラリアが勝っていたが、それを2走目のクリスティーナ・フォーゲルが逆転し、予選で出した世界記録をさらに更新した32秒549を出して優勝を決めた(オーストラリアのタイムは32秒597). 
表彰式後フォーゲルは
「なんでこんな事になったのか分からないわ!(世界選記録が出て)それだけ自分でもびっくりしています。でも、昨日、今日と調子は良かったのは確かです。ドイツレコードとは思ったけど世界新記録とは思わなかったですね。ロンドンオリンピックまでは遠いけどメダルを目指します!」



女子チームスプリント日本チーム

女子チームスプリント表彰式
■男子チーム・スプリント
【男子チームスプリント予選・3位決定戦】
 日本はアメリカと同じ第4組で登場。雨谷一樹(22=栃木)、渡邉一成(28=福島)、中川誠一郎(32=熊本)のオーダーで挑み、44秒039の日本新記録を打ち出した。
従来の日本記録はアテネ五輪で銀メダルを獲得したときの44秒081(長塚・伏見・井上)。8年ぶりの記録更新に雨谷は「3人が噛み合った結果。もっと上を狙えると思う」と充実感があふれた表情で話した。
 予選タイムは6番手で全組が終了。上位4チームに残れなかった日本メンバーはクールダウンをした後、一度は帰り支度を始めたが、最終組のイギリス、ドイツが違反(先頭交替を早く行なった)を犯したため、降着となり、日本の3位決定戦進出が決まった。
 スタッフが手際良く準備を行い、迎えたメダルレース。「タイムも何も考えていなかった。開き直って思いきりいった」と中川が振り返った一戦はニュージーランドに僅かに遅れを取り、この種目初のメダル獲得はならなかった。それでもタイムは43秒896と44秒の壁を破り、この日2度目の日本記録を更新。8年連続で世界選手権のチームスプリントに出場している中心選手の渡辺は「2本走ることができて、しかも44秒を切ることができた。メダルまでもう少しだと思う」とロンドン五輪に向けて収穫を口にした。

 【男子チームスプリント決勝】
 優勝候補の筆頭だったドイツが予選でまさかの降着となって姿を消した決勝は、地元のオーストラリアが劇的な逆転勝利を飾った。残り半周となった625メートル地点までフランスが先着していたが、最後は0秒001差で差し切り逆転勝利。昨年の世界選手権ではケイリンで優勝したシェーン・パーキンスは4月1日にサイクリング中に自動車と接触して手首を痛めていたが、故障を感じさせない力強い走りで、ファンの期待に応えた。「どう感じてるかって?分かんない、でもすごく、すごく嬉しいよ。狙っていたのはチームのベスト・タイムだったけれど、世界選手権の大観衆、世界の強豪との対戦で勝てたのは、まだこれからもオリンピックが最大目標とはいっても大仕事をやれたなという感じだね。この後はスプリントに金曜から土曜、その後日曜にケイリンだからハードな日々になるね。」とまくしたてるように喜びを口にした。


チームスプリント日本チーム

男子チームスプリント3位4位決定戦(日本)

男子チームスプリント表彰式
■男子スクラッチ
 始めからペースが上がらずだらだらとした展開となったが、何度かアタックを仕掛ける選手がいるも決まらず、レースは混戦状態になった。スローペースから残り7周でオーストリアのアンドレアス・ミュラーが飛び出して先行。しかしこれに反応したエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)が、猛然と追いかけたが、残り2周からベン・スウィフト(イギリス)が一気にスピードを上げ、残り1周でミュラーを捕らえた。残り半周でノーラン・ホフマン(南アフリカ)がものすごい勢いで追い上げてくるも、スウィフトが押し切って優勝を決めた。
「優勝出来て本当にうれしいです。100%の力を出せたしね。団体追抜きに出られなかったけど、また次につながるように頑張ります」とスイフトは応えてくれた。


男子スクラッチ

男子スクラッチ表彰式
■松本監督コメント
 「今日、世界選手権で走るたびに日本新が出たというのは、選手たちが仕上がっているということですね。男子のチームスプリントで43秒台が出たことは本当に素晴らしいと思います。この舞台で出せたということは、選手たちの肉体的、精神的なところがあがったという証拠だと思います。とりあえずこのまま良い調子で2日目からも頑張ってもらって、1つでも多くのオリンピック枠を獲得してもらいたいです。そこからが実際の勝負なので、その土俵に上がれるように頑張っていきたいと思います」

 
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