WEB月刊競輪世界選レポート(4日目)
 
 
第5報【4月7日】
 
【女子オムニアム】
 第4種目:個人追い抜き
 4種目目に挑んだ加瀬加奈子(新潟)は、自身の持つ3分44秒053の日本記録を2秒程度更新する3分42秒145をマークし、この種目12位につけた。松本監督からの指示を受けて後半に足をためてレースに挑み「いつもはアドレナリンが出てしまうけど、冷静にできたと思う。最後は予定より1、2秒遅くなったけど、(日本新は)最高ですよ」と明るい笑顔を浮かべた。総合順位も19位から一つ順位を上げた。


加瀬加奈子選手
【男子個人追い抜き】
〔予選〕
 今日7日の一番目に行われた男子個人追い抜きの予選には11組21人が参加した。注目の昨年の覇者、ボブリッジは最終組に登場した。
 1組目に出場したトーマス(イギリス・金メダルを取った団体追抜のメンバー)が4分17秒265を出したが、その後なかなか記録を更新する選手がでない。5組目になってゴフ(ニュージーランド)が4分17秒001を出し、10組のデニス(オーストラリア)が4分16秒051を出した。そして、最終組、ボブリッジとヘップバーンのオーストラリアの2人。序盤はボブリッジが優勢だったが、ヘップバーンが巻き返し、ヘップバーンが4分13秒224、ボブリッジが4分14分783。
 これで、1-2決定戦はヘップバーン対ボブリッジのオーストラリア対決、3-4位決定戦はデニス対ゴフのオセアニア対決になった。

【女子オムニアム】
 第5種目:スクラッチ
 中盤に他の選手と逃げを打った加瀬が5位に入り、順位を上げた。「逃げが通用して収穫になった。自分は強くないからマークされていないし、(順位が)上の選手はお互いに牽制していた」と冷静に分析し、着実にポイントを獲得。世界最高峰の舞台で自らの作戦が通用すると実感したようだ。

加瀬加奈子選手

 最終種目:タイムトライアル
 初日のフライングラップでは23位と出遅れたが、同じ短距離系の種目で13位に入り、初日終了時の19位から総合14位まで順位を上げて競技を終了した。
 五輪出場枠には届かなかったが「世界を相手に攻めて戦えた。成長したと思う。気持ちを切り替えながら臨むことができたし、上出来じゃないかな」と満足した表情だった。
 3月に日本競輪学校を卒業し、7月からは48年ぶりに復活する女子競輪の選手としてデビューする。「(他国の選手の)ずる賢いレース展開などが勉強になったので、競輪でも頑張りたい」と活躍を誓った。

加瀬加奈子選手

表彰式


【男子スプリント】
 決勝はボジェ(フランス)とケニー(イギリス)が激突し、2年連続して同じ顔合わせとなった。ボジェは昨年の世界選手権で優勝したものの、今年1月にドーピング規定違反のため金メダルを剥奪され、ケニーが繰り上げ優勝となったばかり。因縁の対決はスプリントの加速に自信を持つボジェが1本目で余裕を持って差し切った。
 2本目、後がないケニーが残り3周のスタート直後から飛び出す奇襲作戦に打って出て、先行してゴール。ガッツポーズを掲げたが、最終コーナーを出るカーブで走路違反を犯したとして、降格となり、ボジェの優勝が決まった。
 ボジェは「勝ったことは嬉しいが、2本目で先着したわけではないので手放しで喜ぶわけにはいかない。いつも言っているが、今シーズンの最大の目標はロンドン五輪なので、五輪の勝利を目指したい」と3度目の世界選制覇にも控えめだった。少し後味が悪い決勝になったが、表彰式の後はケニーとともに握手を交わし、お互いの健闘をたたえ合っていた。

決勝戦

表彰式


【男子個人追い抜き】
オセアニア対決となった個人追抜きファイナルは、まず3‐4位決定戦からスタート。前半はデニス(オーストラリア)がリードして進み観客席が盛り上がると、後半からゴフ(ニュージーランド)が巻き返し、さらに逆転と場内は更にオーバーヒート。大歓声のなか、ゴールを先に駆け抜けたのは、ゴフ。4分16秒945でフィニッシュとなった。4位のデニスは4分18秒594。
そして1-2位決勝は、ヘップバーンとボブリッジのオーストラリアの新旧対決。観客席は始めから大歓声だった。出だしはボブリッジがヘップバーンを上回りレースは進行、しかしヘップバーンが3500メートルを過ぎたあたりから巻き返し、どんどんタイム差を縮めていくと、更にヒートアップ。そして逆転の4分15秒839で優勝を決めた。2位のボブリッジは4分16秒313。

ヘップバーン選手

表彰式


【女子ケイリン】
地元のメアーズに優勝の期待が大きく懸かった女子ケイリンは、その期待にたがわず、メアーズが順調に勝ち上がり、決勝に進出。他では、昨日スプリントで優勝したペンドルトン(イギリス)、昨年覇者のクルペシカイテ(リトアニア)が2回戦で負けてしまい、決勝戦は、フォーゲル(ドイツ)、グォ(中国)、サンチェス(フランス)、メアーズ(オーストラリア)、グニデンコ(ロシア)、ディー(中国)が進出。新旧入り乱れての決勝戦となった。
その決勝はフォーゲル(ドイツ)、グォ(中国)、サンチェス(フランス)、メアーズ(オーストラリア)、グニデンコ(ロシア)、ディー(中国)の並びからはじまった。残り2周からレースは動き、後方からディーが上がってくるが、それを叩いて残り1周からフォーゲルが先行。それをメアーズが捲り切って優勝を決めた。メアーズについていったグニデンコが2位。フォーゲルは3位。

決勝戦

表彰式


【男子ポイントレース】
 ロードレースでも活躍が目立っている地元期待のマイヤー(オーストラリア)が出場し、レースの注目を集めた。
レースは、皆がマイヤーを徹底的にマークするレース展開になった。何人かアタックをかけるも決まらず、マイヤーも逃がしてもらえず、膠着した展開。ポイントを取っていたエロリアーガ・スビラウム(スペイン)、スウィフト(イギリス)、デ・ケテレ(ベルギー)の中で優勝が決まるかと思われたが、残り13周からゲイト(ニュージーランド)とマイヤーがアタック、15回目のポイントを取り、そのまま全開で逃げると、スウィフト等が追うが、追い切れず、残り3周でこの2人のラップが決まり、観客席は大興奮の渦に。奇跡の大逆転劇でマイヤーが33ポイントで優勝。2位は32ポイントで惜しくも1ポイント届かなかったスウィフト。3位は30ポイントのデ・ケテレとなった。

マイヤー選手

表彰式
 
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