ワールドカップ第1戦シドニー大会レポート
 
配信日:11月20日
 
 
■11月17日(初日) 天候 晴れ 気温19℃ 観客1900人

 
 今日は初日。各選手とも早い時間から会場入りし、練習に余念がない。午前のレース、ケイリン予選に日本からは成田和也が出走した。

 成田は1枠からベイリーの後ろの2番手をゲット。周回はベイリー、成田、クランプトン
、ビノクロフ、リン、メリアの順で落ち着く。
ペーサー退避の前からビノクロフが前へ。クランプトンも続き、ごちゃつく。
ラスト2周では前を走るライアンベイリーとの間があいて、他の選手が間に入り5番手に。
しかし、ベイリーが踏みなおすところをしっかりと捕まえ最終周回ベイリーとともに再び前へ。そのまま流れ込み2着。ストレートで2回戦進出を決めた。

ケイリン予選
<ケイリン予選>


 予選後の成田のコメント  
 「とりあえずうれしいです。ペースが遅かったら一回前に出て切ろうと思ってたんですが、速かったんで・・・ベイリーの番手だと思ってたらいつのまにか人が入って3番手になっていてそれには少しアセりましたけど、あとは大丈夫でした。2回戦もがんばります」





 2回戦に進んだ成田だが、抽選だとはいえあまりに酷な組に入った。他のメンバーはボス、ウォルフ、トゥルナン、キァッパ、エドガーと強豪だらけ。成田は内枠からペーサーの後ろをとる。その後ろにエドガー、ボス、キァッパ、トゥルナン、ウォルフで周回。ラスト3周からしきりに後ろを気にして仕掛けのタイミングをはかる。残り2周でトゥルナンがスパート。他の選手が続き、それにあわせて成田も踏むが徐々に外側にかぶせられていく。まくり切られまいともがきながら内で粘りを見せる成田。成田が内で粘ったため4コーナーを回ると集団は外に広がって行く。最後は外のスピードが勝り、ボスが1着、ウォルフが2着。成田は6着となったが、さして差が開いたわけではなく、蒼々たるメンバー相手にあとひと踏ん張りでもしかしたら?と思わせる競走だった。

 2回戦6着だったことにより順位決定戦にまわることとなる。(1~3着が決勝へ、4~6着は順位決定戦へ)

 成田は外側5枠ながら、よい踏み出しで2番手をキープ。ジェリンスキーの後ろをまわる。ペーサーが退避しても様子見でそれほどペースがあがらない。残り2周でエドガーが前へ出てエドガー、ジェリンスキー、成田の順となる。最終周回、エドガーを抜こうとジェリンスキーが並びかけたのを見て、そのままエドガーの後ろへ。ゴールスプリントになるも位置関係は変わらず成田は3着。総合9位で入賞。UCIポイントの獲得に貢献した。

 本来ならば日本選手にはもう少し上の着を期待したいところだが着位よりもレース内容が、
「次へつながる」と思わせるものであり今後が楽しみといったところか。

ケイリン順位決定戦
<ケイリン順位決定戦>

 競走後の成田のコメント
 (「初戦にしてあのメンバー相手に上出来だと思うが?」の問いに)
 「(苦笑いしながら)ホントですか?そうならいいんですけど・・・。2回戦はトゥルナンの番手にいきたかったんですけど、彼が一度流したじゃないですか?そこでスピードが落ちたところに踏みなおされて、ちょっと遅れちゃいました。それで間に人が入っちゃったんですよね。もう3番手になったら粘るしかないと思って・・・ああいう競走になりました。
 順位決定はジェリンスキーの後ろにいたんですが、エドガーが来てその前に入りましたよね。それで、ジェリンスキーがエドガーを外から交わそうとしていたので、僕はジェリンスキーとエドガーの間を突き抜けたかったんですが、ジェリンスキーがしめてきたのであかなくって・・・。まだ力が残ってたんですけど・・・。250mでのケイリンは初めてだったのでまだ分からなかった部分もあったんですが慣れてくればもう少し行ける気がします」

 一方、個人追い抜きに出場したのは内田慶。果敢な走りで早い周回から相手を追い抜くもタイム的には本人も満足できない4′38″529で13位に終わった。


 内田のコメント
 「苦しかったです。2000(m)過ぎたあたりから特に。上げていかなくちゃいけないのに下がってっちゃいました。でもフォームとかはいい感じで、久しぶりに“行けるかな”って思えましたから、あとは練習です。いやー、これが来年じゃなくってよかったです。(来年は北京オリンピックの出場権利に関わる)これから、大会にでるたびに1.5秒ずつ縮めるようにして行きます。気持ちは入ってます。気持ちが切れたら、国際大会なんか来ないんで。これからです。がんばります」

内田慶
<内田慶>



 また1kmタイムトライアルには及川裕奨が出場。滑り出しは悪くないように思われたが、後半スピードを維持することができず1′05″437の時計で10位となった。

 及川のコメント
 「最後タレた感じになっちゃいました。2周目で既にアレレ?って思ってました。1周目、8割の力で18秒そこそこでまわれればと思ってやってるんですけど。(今回及川は19″154)はじめからあげていくタイプなので、はじめにかせいどかないと・・・。ドイツ人とかってタレないからうらやましいです。次、アジア大会もあるのでがんばります」



1KmTT及川
<1KmTT及川>
及川裕奨
<及川裕奨>


 スクラッチに出場した飯島規之は予選、終始前方集団をキープ。残り3周目あたりから集団のペースはかなり上がるも上位にとどまり、5位で危なげなく予選通過。迎えた決勝、残り周回が40周を切るころから、逃げを試みる選手が出てきて、逃げ→集団に吸収が何度か繰り返される。飯島は常に大集団に。残り8周ほどで大集団のスピードがあがり逃げていた集団を飲み込むと同時にベラルーシのキリエンカとスイスのアツェーニが飛び出す残り5周、飯島は逃げの2人から半周遅れた大集団の中。残り2周逃げの2人を追い切れないまでも少しでもよい着をとろうと集団のなかでスプリントがはじまる。最後の踏ん張りで包囲網を抜け出し飯島は9着。
スクラッチ予選
<スクラッチ予選>



 飯島のコメント
 「長い距離を走るのをあまり練習してなかったんで・・・あの逃げ(最後に2人が飛び出した逃げ)が決まると思わなかったんですよ。捕まると思ったので吸収したときのために足をためとこうと思ったんですけどね。それで、脚が残ってたから、最後のスプリントができたってのもあるんですけど。スクラッチってたまたま逃げが決まったり、偶然も多いんでイス取りゲームみたいで面白いんですけどね。ま、今回はちょっと判断ミスかな?」
スクラッチレース後の飯島
<スクラッチレース後の飯島>
   



>>back
 
COPYRIGHT(C) JAPAN KEIRIN ASSOCIATION, All Rights Reserved.