第49回全日本プロ選手権自転車競技大会 レースの見方




■スプリント
 この競技は通常2~4名の競技者によって行われます。競技者はスタートしてから最後の200m線に到達するまでは逆方向に走ること、極端な進路妨害以外にはどんな走り方も許されます。最後の200m線を通過したあとは斜行したりすることは許されません。この最後の200mを計時しますが、これは参考として記録するだけで時間には関係なく、先にゴールした者が勝ちとなります。
この競技では、相手競技者より前に出ることが、後方から自己の動作を常に監視され、自己の力を利用されやすいという作戦上の不利があるため、最後の200m線近くまではお互いに牽制しあい、変化のある作戦が展開されます。
したがって、ただ単に優れたスピードが必要であるだけでなく、この競技には頭脳的な作戦と高度な走行技術を必要とします。

■4km個人追抜競走
 2人の走者がそれぞれ反対の位置(ホームストレッチ、バックストレッチ)よりスタートし、お互いに追い抜こうとするのがこの競走です。相手を追い抜くか、相手より先にゴールした者が勝ちになります。力の配分が非常に難しく最初に相手を引き離すか、最後の追い込みで勝利をつかむか、各競技者は自分の特異性に応じて作戦を立てます。

■1kmタイムトライアル
 この競技は1人で1kmをいかに速く走りきるかを競うもので、自転車競技の中では、もっとも基本的な競技といえます。見方としてこの競走は、だいたい最初の半周の時間が一番問題になりますので、その半周の時間をはかって競技者はこのくらいの記録だろうと予測してみるのも興味あるところです。

■4km団体追抜競走
 この競走は、1チーム4名をもって編成され、ホームストレッチとバックストレッチからそれぞれ発走し、その4名のチームワークでトップを交代しながら相手チームを追い抜こうとする競走です。
勝敗はチ-ムの3人目の選手が、各々のチームの決勝線へ早くゴールインするか、相手チーム(最小3競技者がともに走行している)に1m以内まで追いつかれたとき決まります。4名の選手は、自転車競技最大の敵、風圧を避けるため、傾斜を用いて先頭を交替しながらスピードの追求を行います。
時速50~60kmで走行する4名の選手のスピード感、急斜面を用いての先頭選手のスリリングな交替劇、足並みそろったペダリング、ゴール直前のホーム・バックでのフィニッシュは見る者を興奮させます。

■ポイントレース
 このレースは、競技場の一定周回ごとに定めた中間スプリントと最終スプリント及び周回獲得による得点により決定する競技で、30kmで争われます。このポイントは通過順位の1位に5点、2位に3点、3位に2点、4位に1点が与えられます。ただし、競技者が最大の集団の後尾に追いついたときは10点を与え、その後、追いついた周回を失った場合与えられた10点が失うことになります。そして、「ただ今の通過順位、3番、12番、7番、15番」というアナウンスは、その番号の選手が5点、3点、2点、1点の得点を獲得したことを意味しています。
なお、1周あるいは、それ以上遅れた競技者は、コミッセールパネルより除外されることになります。
選手は互いに相手の得点と自分の得点、残り周回を頭の中で計算しながらレースを進め、場合によっては虚をついて一人で逃げたり、鋭く差し込んでポイントを積み重ねる者など自分の脚力、脚質に応じた駆け引きを見せます。

■ケイリン
 日本で生まれ発展してきた「競輪」が、1980年の世界選手権フランス大会において正式種目として採用され、それ以来国際大会等で「ケイリン」として人気を集めている種目です。また、2000年に行われたシドニーオリンピックにおいて初めて採用された種目でもあります。
レースは、横一列に並んだ選手が自力発走でスタートし、ペースメーカーは専門の先頭誘導員が小型オートバイを使用して行います。自転車を使用している一般の競輪と違うのはここだけです。
距離は400m走路の場合は、5周2000mで行われ、誘導バイクはスタート時速30km/h、急加速することなく徐々に50km/h間で加速し、ラスト600~700m前までに徐々にペースアップして退避します。この間に選手は自分の有利な位置を確保し、誘導バイク退避後スプリントレースが展開され、時にはゴールラインを選手が一団となって駆け抜けることもあり、自転車競走の醍醐味を十分満喫できるものと思います。

■チームスプリント
 今年からオリンピックスプリントの名称がチームスプリントに変更になりました。この競技は、1チーム3名をもって編成されたチームが、ホームストレッチとバックストレッチからそれぞれ自力発走でスタートし、トラックを3周して行われます。1周ごとに先頭を走っている選手が外側に退避していき、3人目の選手が早くゴールしたチームが勝ちとなります。
この種目は、1995年の世界選手権コロンビア大会より正式種目として採用されており、最後の3人目の選手がトップスピードに乗り、トラックを周回するスピード感が人気のある種目となっております。


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