第58回全日本プロ選手権自転車競技大会レポート

配信日:2011年5月17日
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 第58回全日本プロ選手権自転車競技大会が、5月16日、防府競輪場で開催されました。
今年は全プロ大会では初めて行われるエリミネーションや、今年5月に競輪学校に入学したばかりの女子生徒によるケイリン「ガールズレース」が行われ、大会に華を添えました。
 また、日本自転車競技連盟の総監督に就任した松本整氏の記者会見が行われ、「競輪選手として、世界で勝ち日本のレースでも勝てる選手を育てる」と述べていました。

 松本整氏ナショナルチーム監督就任記者会見が行われた。同席されたのは、日本自転車競技連盟会長・富原忠夫氏及び同連盟選手強化委員長・中野浩一氏。
 中野浩一氏は、松本整氏にナショナルチームを任せ、オリンピックを目指すシステムから、選手の意識改革まで全てを変え、ロンドンオリンピックに臨むとまず述べ、松本氏の記者会見に。
 松本氏は「日本自転車競技連盟の強化におけるガバナンスをクリアにし、自分が監督として全てのトップに立ち、また、選手の意識を変え、競輪選手として世界で勝ち国内でも勝つ選手を育てます。任期はロンドンオリンピックの年度末までです」と述べていました。
 世界で勝ち、日本国内でも勝つ競輪選手を是非育てていただきたいですね。

記者会見
記者会見

 来年7月からスタートするガールズケイリンの選手になるために、現在、競輪学校で訓練中の生徒たちによるガールズレースが、2レース行われた。優勝は1ラウンド、2ラウンドの着位に与えられたポイントの総合で争われ、1ラウンド2着、2ラウンド1着の加瀬加奈子生徒が優勝した。

女子生徒
女子生徒



各競技のレポート

ガールズレース(ガールズレース・1stラウンド)

 先行した加瀬加奈子を追走した中川諒子が抜け出して1着。
 「今までガールズケイリンを通しても1着を取ってなかったので、今回初めて1着を取れて良かったです。加瀬さんが最後またグングン伸びていくかなと思ったので消極的になったので、2レース目はもっと積極的にいきたいと思います」

 赤板から果敢に先行した加瀬加奈子が2着に粘る。
 「今日はとりあえず先行したかったので、作戦はそれだけでした。1番車でスタート取れたし、中川(諒子)が前に来たので、入れた感じです。でも2周逃げようと思っていたし、前に出ていきました。やっぱりいろんな大会に出てきて、仕掛けが早いかなと思われるかも知れないけど、仕掛けたり、ダメでも果敢に先行することで、負けても叩かれる世界なら潔い負け方をした方が良いし、何もしないで7着になるよりは良いと思っています。それで結果が付いてくれば脚もついてきたんだなと思えますしね」

 3番手追走もそのまま3着に終わった渡邊ゆかり
 「動きがなくて、単調なレースになってしまいましたね」

ガールズレース・1stラウンド ガールズレース・1stラウンドゴール
(ガールズレース・2ndラウンド)

 中川諒子を追走しバックから捲った加瀬加奈子が1着(総合1位)
 「まだまだ走り込めてないんですけど、2ndは結果的に勝てて良かったです。7番車だったので、後ろから攻める予想はしていました。(最終バックで)ここだと思ったところでいけました。出し切れない感じはあったんですけど、今の中では精一杯走れたと思います。またこれからみんなで競輪の勉強をもっとして、35人で強くなっていきたいです!」

 渡邊ゆかりは加瀬を追うも2着(総合2位)
 「インで位置を取ってから、ラスト1周回で自分でいこうかなと思っていたんですけど、白井(美早子)さんが先に出てきたので、中川(諒子)のラインに切り替えたような形になりました。最後は3~4コーナーで行こうと思ったんですけど、脚が一杯でしたね。そこらへんが課題なので、学校で乗り込みをしっかりして脚を付けていきたいです。課題が少しずつ明確になってきたので、良い勉強をさせていただきました」

 離れた3着には松尾智佳が入線。
 「久しぶりのレースだったんですけど、しんどかったですね(笑)。学校に入学してから自転車に乗れていなかったんですけど、良い練習になりました。2戦目は流れが向いてくれましたね。白井(美早子)さんが先行してくれたし、流れに乗って行けたし、着順も3着で。ただ、1stの方が悪かったので、何とも言えないです。もっと自分から仕掛けていきたかったけど、勇気がなかったです。学校戻ってしっかり頑張ります」

 白井美早子を叩いた中川諒子は5着(総合3位)
 「先行を考えていたんですけど、まだ1周くらいしか持たないので、自分が持つところから駆けていこうと思っていました。誘導が抜けた1周で思った以上に脚を使ってしまって、かからずに、その分、垂れてしまいました。1stは加瀬(加奈子)さんの後ろに付いての1着だったし、自分の力だけでは距離がまだ持たないので、そこが競輪学校に帰ってからの課題だと思います」

ガールズレース・2ndラウンド ガールズレース表彰
1kmタイムトライアル

 一昨年、昨年と連覇した新田祐大が、今年も優勝し3連覇となった。
 優勝・新田祐大
  「3連覇出来たので出来てホッとしました。タイムはあまり良くなかったですけどね。でも、なかなか皆がタイムが出なかったので、重いのかなと思っていたら、自分の直前に稲毛(健太)君が6秒台、大森(慶一)さんが5秒台を出したので、これは負けてられないなと思いました」

1kmタイムトライアル 1kmタイムトライアル表彰
スプリント

 今年のスプリントは、波乱を巻き起こした河端朋之が現れた。タイム上位の中川誠一郎をカマシ逃げで勝利し、北津留に対しても、1/2決勝で同じパターンで、1本取るなど活躍を見せた。
 優勝・北津留翼
 「2分の1決勝の三本勝負は余計でしたね。それと8分の1決勝もカマされたし、目立ったらだめですね(苦笑)。決勝は、お互いに自分の手の内を知っているので、あとは持久力勝負になりますね。今回はハロンまでは良かったけど、その後は反省点が多かったですね」

スプリント スプリント
スプリント スプリント表彰
ケイリン

 全プロ特有の激しい先行争いの中で、冷静に構え優勝を狙っていた武田がしっかり勝利をものにした。
 優勝・武田豊樹
 「一戦一戦、自分の力を出し切ることを目標にやっているので優勝は嬉しいですね。普段の競輪と同じく、勝ち癖をつけたいし、一戦一戦頑張りました。決勝は、後ろに神山雄一郎さんいるし、ファンも見ているので、ワンツーを決められて何より良かったです」

ケイリン ケイリンゴール
ケイリン表彰
4km個人追い抜き

 昨年優勝した山下一輝が、今年も接戦ながら優勝し、2連覇となった。
 優勝・山下一輝
 「昨年の優勝よりもずっと嬉しかったです。苦しくなってからも、地元で応援がすごくて頑張れました。あの声援がすごくありがたかったですね! だから、今日は勝ちたい気持ちがありました。次は競輪でしっかり結果を残せるように頑張ります」

4km個人追い抜き 4km個人追い抜き表彰
エリミネーション

 全プロでは、今年初めて行われたエリミネーション。ゲームの面白さ、迫力から、ファンの目を相当楽しませた。
 優勝・中曽直彦
  「作戦はなく、ガムシャラに走った結果です。もう人数が何人になっているか確認する余裕もなくて、気がついたら4人になっていたという感じでしたね。優勝して、仲間が喜んでくれたのが一番嬉しかったですね」

エリミネーション エリミネーション表彰
4km団体追い抜き

 毎年、優勝チームが入れ替わる4km団体追い抜き。今年は、チームワークで九州・大分チームが勝利をものにした。
 優勝・九州 大分チーム
 安東宏高「嬉しいです! チームワークの賜物ですね。団体追い抜きみたいな練習はしていたので、あとは皆の気持ちが一つになるかどうかでしたね」
 小岩大介「あんまり練習は出来なかったけど、4人でチームワークを発揮出来て良かったです」
 加藤大輔「今年は皆で力を合わせて優勝することが出来たので良かったです」
 利根正明「先輩たちの足を引っ張らないように、自分に出来ることを一生懸命しました」

4km団体追い抜き 4km団体追い抜き表彰
チームスプリント

 上位3チームが、1分2秒台と激戦だったチームスプリントを制したのは、福島チームだった。東日本大震災からの復興の為に死力を尽くした結果だった。

 優勝・北日本 福島チーム
 佐藤慎太郎「目標のタイムには届かなかったけど、走路もあんまり走りやすくはなかったですからね。今、福島が大変な時なんで、だから福島というチームで優勝出来て嬉しかったですね」
 伏見俊昭「チームワークの勝利です!」
 鈴木謙太郎「苦しかったです。もう出し切ってフラフラです。いい練習になりました(笑)」

チームスプリント チームスプリント表彰