第59回全日本プロ選手権自転車競技大会トラック競技レポート

配信日:2012年5月16日
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5月14日(月)、第59回全日本プロ選手権自転車競技大会(トラック競技)がグリーンドーム前橋において開催されました。

選手宣誓は手島達矢選手

競技種目はスプリント、ケイリン、チームスプリント、1kmタイムトライアル、インディビジュアルパーシュート、チームパーシュート、エリミネーションの7種目が行われました。
またエキシビションとして、加瀬加奈子選手(新潟)が1kmタイムトライアル、ガールズケイリン選手によるガールズケイリン競走の「なでしこカップ」も行われました。

スプリントでは、岡山の河端朋之選手(岡山)が、200mFDで10秒147を出し、全プロ記録を更新しました。また、決勝まで勝ち上がり、決勝では、愛知の名スプリンター金子貴志選手と対戦し2本先取し優勝しました。2位は金子貴志選手、3位に雨谷一樹選手(栃木)です。

ケイリンでは、浅井康太選手(三重)が、変幻自在な競走で強さを発揮し見事優勝となっています。2位は松岡貴久選手(熊本)。3位は平原康多選手(埼玉)となっています。

チームスプリントは、中部地区(岐阜)松岡篤哉選手、竹内雄作選手、森川大輔選手が1分02秒230で優勝を飾り、2位には九州地区(福岡)小川勇介選手、北津留翼選手、柳詰正宏選手で1分02秒545、3位には中国地区(広島)前反祐一郎選手、大川龍二選手、大瀬戸潤一郎選手が1分02秒940を出し入賞しました。

1kmタイムトライアルでは、坂本貴史選手(青森)が1分05秒302を出し優勝。2位は1分05秒378で大森慶一選手(北海道)、3位には地元の矢口啓一郎選手(群馬)が1分05秒629で入賞しました。

4kmインディビジュアルパーシュートは、最後の組で踏ん張りを見せた網谷竜次選手(香川)が4分44秒406で優勝。2位は山下一輝選手(山口)4分50秒709、3位には大屋健司選手が4分51秒585で入賞しました。

4kmチームパーシュートは近畿地区(福井)渡辺航平、渡辺十夢選手、脇本雄太選手、鷲田佳史選手が頑張り4分24秒992で優勝、2位は前年覇者の九州地区(大分)で安東宏高選手、小岩大介選手、加藤大輔選手、鈴木栄吉選手が4分27秒673を出し銀メダル、3位は4分28秒711を出した中部地区(岐阜)山口泰生選手、児玉利文選手、吉田茂生選手、川西貴之選手でした。

エリミネイションレースは、1周ごとに最後尾の選手がアウトとなり抜けていく競走です。このレースに勝ったのは、終始前々に踏んでいた小林潤二選手(群馬)が最後まで崩れず優勝を決めました。2位は三谷政史選手(滋賀)、3位には三谷将太選手(滋賀)が入賞しました。

1kmタイムトライアルに出場した加瀬加奈子選手は、予め10秒切りますと言っていましたが、1分10秒053でフィニッシュし若干届かなかったものの、橋本聖子さん(現参議院議員)の持つ日本記録を更新しました。
また、ガールスケイリン「なでしこカップ」は中村由香里選手が最終ホームで加瀬選手に合わせにいき、これが上手く決まって中村選手が優勝、2位に加瀬加奈子選手、3位に荒牧聖未選手が入線しました。

グリーンドーム前橋は室内型のバンクであり、もともとタイムが出やすいバンクなので好記録が期待されてましたが、予想を裏切らず好記録がでた全プロ大会でした。

来年も是非全プロ大会を観にご来場ください。
 

各競技のレポート

ケイリン

浅井康太選手
「気楽に走れたのも良かったんだと思います。決勝は武田(豊樹)さんと勝負したいと思って、ギアをあげたのも正解でした。今日もしっかり走れたし、自転車が違うからなんとも言えないけど、少しは感触をつかめたので、また頑張りたいと思います」

ケイリン ケイリン決勝
ケイリン決勝ゴール ケイリン表彰式
スプリント

河端朋之選手
「昨年も金子(貴志)さんに負けているので、今年はリベンジ出来て良かったです。今回は、(渡邉)一成さん、中川(誠一郎)さんが出ないって聞いていたので、昨年よりはいい成績を残そうと思っていましたけど、まさか優勝出来るとは思っていませんでした」

スプリント決勝 スプリント表彰式
1kmタイムトライアル

坂本貴史選手
「新田祐大さんがいないから優勝できただけです。でも、理事長杯の権利が取れたので頑張りたいですね」
女子日本新記録・加瀬加奈子選手
「9秒台を狙っていたので、まだまだ納得はしてないです。4年後は世界の強豪にぎゃふんと言わせられるように頑張っていきたいです。そして、センスのある競輪につなげていきたいです」

1kmTT(坂本貴史) 1kmTT(加瀬加奈子)
1kmTT表彰式
チームスプリント

中部・岐阜チーム
森川大輔選手
「練習通り走れば問題ないと思っていました。(親王牌に)出られれるのは嬉しいです」
松岡篤哉選手
「地区プロもタイムが良かったので、そのままいければと思っていました。(親王牌で)師匠の山口富生さんも特選みたいなので、嬉しいです! また練習して頑張ります」
竹内雄作選手
「33だったから、どのくらいのタイムを出してくるのかわからなかったので最後までドキドキしました。今日は優勝するつもりで走ったので、結果を出せて嬉しいです」

チームスプリント(中部地区) チームスプリント表彰式
4km個人パーシュート

網谷竜次選手
「この種目のために体重を絞ってきました。昨年の山下一輝に負けて、先輩の児玉慎一郎さんに今年は優勝するって約束したんで、優勝できて良かったです!」

個人追抜競走(網谷竜次) 個人追抜競走表彰式
エリミネーション

小林潤二選手
「昨年は同級生の中曽直彦が優勝したんで、今年は自分が優勝を狙っていました。昨年は内につまって8位だったので、今年は地元だし、頑張ろうと思っていました。緊張したけど、優勝出来てホッとしました」

エリミネーション エリミネーション(最終スプリント)
エリミネーション(ゴール) エリミネーション表彰式
4kmチームパーシュート

福井チーム
渡辺航平選手
「昨年は接戦で負けて悔しかったので、今年は勝てて良かったです」
渡辺十夢選手
昨日の夜、市田(佳寿浩)さんにプレッシャーをかけてもらったので、勝ててホッとしました」
脇本雄太選手
疲れていたけど、ギアをあげて走りました。(共同通信社杯の挽回のために競輪で頑張ったので)精神的に疲れてました。これでやっと団抜きを引退できます」
鷲田佳史選手
昨年は僕が足を引っ張ったんですけど、今年は優勝出来て良かったです。でも、自分は他の3人に比べると弱いので、もっと力をつけていかなきゃいけないですね」

団体追抜競走(近畿地区) 団体追抜競走表彰式
なでしこカップ

中村由香里選手
「予選が悔しかったので、決勝では、しっかり練習してきたことに自信をもって走ろうと思っていました。初めて師匠が私のレースを見にきてくれたので、しっかり自分の走りを出すんだと思って走りました。優勝はやっぱり嬉しいですね」

なでしこカップ決勝 なでしこカップ決勝ゴール
なでしこカップ表彰式
パラサイクリング1kmTT

パラサイクリング1kmTT(タンデム自転車による1kmTT)では、ロンドン2012パラリンピック競技大会の日本代表選手候補の大城竜之選手(東京・東京都立文京盲学校)とパイロット役の伊藤保文選手(京都)が出場し、1分05秒709のタイムをマークした。

パラサイクリング1kmTT(伊藤保文・大城竜之)