~Road to GP 第57回競輪祭直前展望~
グランプリ出場を賭けた最後の戦いが始まる!

配信日:2015年11月17日
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 今年ラストのG1「第57回朝日新聞社杯競輪祭」が11月20日~23日までの4日間、小倉競輪場(北九州メディアドーム)で開催される。山崎芳仁の復活Vで幕を開けた今年のG1戦線もこれが最後。タイトル争いはもちろん、京王閣グランプリ2015(12月30日)の出場権をかけた賞金争いにも大きな注目が集まる。し烈を極める頂上決戦から目が離せない。

 現時点でグランプリ出場が確定しているのは今年のG1を制している山崎芳仁(全日本選抜競輪)、新田祐大(日本選手権競輪、オールスター競輪)、武田豊樹(高松宮記念杯競輪)、園田匠(寬仁親王牌)の4人。これに獲得賞金上位の神山雄一郎、浅井康太、平原康多までは当確と言っていいだろう。稲垣裕之も初のグランプリ出場はほぼ確実な情勢。そうなると残された椅子は1つしかないことになる。グランプリ当確の選手以外から優勝者が出るか。それが最大の見どころだろう。
 
 稲垣裕之は今年のビッグレースで3度の表彰台入り。体調を崩した時期もあったが、年間を通して戦歴は高いレベルで安定していた。高松宮記念杯では決勝2着と悲願のG1初制覇へ、あと一歩のところまで近づいている。獲得賞金額は7千万円を超えており、賞金ランキングは堂々の6位。8位の村上義弘との差は約1千5百万円で、決勝2着の賞金が1千4百万円なら余程のことがない限り逆転される心配はない。初のグランプリ出場はもう目前。4日間を無事に走り切れば問題なさそうだ。
 賞金ランキング8位の村上義弘はグランプリ出場のボーダー上にいる。今年も近畿の総大将として、強い責任感を持って戦い抜いた。ビッグタイトルこそ獲得できていないが、記念優勝は2回。10月千葉記念は初日に落車して2日目以降を欠場したが、続く11月函館記念は3連勝の勝ち上がり。怪我の不安を一掃する走りを見せた。6年連続9度目のグランプリ出場へ、1日1日が勝負。魂の走りで最後のチケットは誰にも譲らない。
 岩津裕介は2年連続のグランプリ出場へ正念場を迎えている。S班として迎えた今年はここまで安定した戦いぶり。賞金ランキングは10位だが、ビッグレースの成績が振るわなかったのが響いている。村上との差は約800万円。まずは決勝戦に乗って、そこで表彰台に上がらなければ、賞金で村上を逆転するのは難しいだろう。この4日間で持てる力と技の全てを出し尽くす。
 金子貴志は一昨年のGP覇者。今年は日本選手権競輪、寬仁親王牌で決勝進出。順風満帆かと思われたが、8月の函館サマーナイトフェスティバルで落車。恥骨と坐骨を骨折する重傷を負ってしまった。これで約2カ月の欠場。賞金ランキングも11位まで落ちたが、10月熊本記念で復帰してからは一戦ごとにリズムを回復している。直前の11月豊橋トラック競技支援競輪では決勝進出こそ逃したが、シリーズ3勝をマーク。万全の状態で大一番を迎えられそうだ。決勝2、3着でもわずかに可能性は残されているが、まずは決勝に乗って、一発逆転にかける。
 菊地圭尚は賞金ランキング12位。今年は全日本選抜で決勝2着と大活躍。寬仁親王牌でも決勝に進出した。それでも獲得賞金は約4千万円で、競輪祭を優勝しなければ夢のグランプリには手が届かない。今シリーズは一次予選からのスタートで厳しい戦いが予想されるが、勝ち上がっていけば新田祐大や渡邉一成ら上位の機動型と連係できるだけにチャンスはありそうだ。悲願の初タイトル獲得へ全身全霊をかけて挑む。
 
 賞金ランキング13位以下の選手にも一発逆転を狙う実力者が控えている。まず注目したいのは深谷知広だ。賞金ランキングは18位で5年連続のグランプリ出場へ黄色信号が灯っている。年頭から安定感を欠く走りが続いていたが、10月大垣記念で約1年ぶりのV。続く11月豊橋トラック競技支援競輪でも危なげなく決勝に勝ち上がるなど、ようやく好調時のパワーが戻った。今の状態なら期待が持てる。賞金ランキング16位の原田研太朗はこの1年間でタイトルを狙えるまでに成長した。日本選手権競輪でG1初優出を果たすと、共同通信社杯、サマーナイトフェスティバルでも決勝進出。磨きをかけた機動力で頂点奪取をもくろむ。先行日本一の脇本雄太、本格化した竹内雄作も見逃せない。


選考用賞金獲得額ランキング(11月16日現在)
賞金順位 氏名 賞金
1 新田祐大 157,850,800円
2 武田豊樹 107,256,137円
3 神山雄一郎 81,133,200円
4 浅井康太 80,369,600円
5 平原康多 75,369,000円
6 稲垣裕之 70,722,200円
7 山崎芳仁 65,340,000円
8 村上義弘 55,737,400円
9 園田匠 47,938,000円
10 岩津裕介 47,927,000円
11 金子貴志 46,768,000円
12 菊地圭尚 39,761,200円
13 佐藤慎太郎 39,124,600円
14 渡邉晴智 38,552,000円
15 大塚健一郎 36,964,200円
16 原田研太朗 36,520,000円
17 脇本雄太 35,801,800円
18 深谷知広 35,349,000円
19 竹内雄作 33,815,000円
20 芦澤大輔 32,982,200円
KEIRIN.JP賞金ランキング(11月16日現在)
賞金順位 氏名 賞金
1 新田祐大 157,977,800円
2 武田豊樹 107,277,137円
3 神山雄一郎 81,169,200円
4 浅井康太 80,414,600円
5 平原康多 75,396,000円
6 稲垣裕之 70,788,200円
7 山崎芳仁 65,373,000円
8 村上義弘 55,776,400円
9 園田 匠 48,182,000円
10 岩津裕介 47,963,000円
11 金子貴志 46,876,000円
12 菊地圭尚 39,800,200円
13 佐藤慎太郎 39,163,600円
14 渡邉晴智 38,603,000円
15 大塚健一郎 37,012,200円
16 原田研太朗 36,610,000円
17 脇本雄太 35,831,800円
18 深谷知広 35,400,000円
19 竹内雄作 33,863,000円
20 芦澤大輔 33,045,200円

《選考用賞金獲得額とは》
 KEIRIN.JPで発表されている賞金とは異なり、以下の賞金は含まれません。
 ・先頭誘導選手として出走したことによる各種手当
 ・予備選手への各種手当
 ・雨天時等における出走時の特別出場手当等