リオ五輪レポート3(男子スプリント予選)

配信日:2016年8月14日
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12日に行われたトラック競技2日目。この日から始まった男子スプリントに、日本から中川誠一郎が日本チームの先陣を切って出場した。まずは参加27人中上位18人が本選へすすむ予選200mフライングタイムトライアル。ここ数年トラック短距離種目はパワー重視の時代となり、W杯や世界選手権レベルでは予選上位は9秒台が当たり前となっている。当然中川もここで目指したのは9秒台。ベストタイムが9秒7の中川にとっては決して無理な数字ではない。しかし今年37歳の中川とって、今以上のパワーアップは難しく、予選タイムもここ1年あまり9秒台から遠ざかっていた。参加メンバーを見渡せば、レベル的に上位18人に入るためのボーダーラインは10秒0台か9秒台。そしてここは、4年前のリベンジを果たすべく出場を勝ち取った2度目のオリンピック。中川はリスクを取ることに躊躇はなかった。普段よりギアを一段重くして勝負に臨んだ。中川のスタート順は27人中12番目。11番スタートのフランスのペルビスがタイム計測に入ったのを見て、中川はゆっくりと助走周回に入った。そしておよそ2周をかけて徐々にスピードを上げ、残り1周の鐘とともに全力でペダルを踏み込んだ。最初の100mの通過タイムは5秒059。やや遅い。9秒台を狙うには4秒台が欲しかった。しかし後半強いのが中川。フィニッシュは・・・。場内モニターに表示された数字は10秒241。中川はフィニッシュ後その表示に目をやった瞬間、予選敗退を受け入れた。結局中川の成績は参加27人中25位だった。

○中川誠一郎
重かったですね。9秒台を出さなければと思ってギアを上げて勝負をかけたのですが、スピードに乗り切れませんでした。でも自分で決めてやったことなので悔いはありません。今回は調整もうまくいったし、ここに来てもオリンピックの雰囲気に飲まれることはありませんでした。前回のロンドンの時のように何もできずに終わるのは嫌だったので勝負をかけたのですが・・・。これが実力ですね。力は出し尽くしました。



男子スプリントはこの日、本選1回戦となる1/16決勝だけが行われ、12人の選手が明日の1/8決勝に進んだ。