自転車トラック種目の世界選手権は17日、デンマークコペンハーゲン近郊のバレラップにて第2日が行われ、男子ケイリンで山崎賢人(長崎・111期)が優勝した。日本勢の世界選手権のケイリン制覇は1987年の本田晴美(岡山・51期)以来、実に37年ぶり。
男子スクラッチでは窪木一茂(福島・119期)も優勝。同種目で3大会連続のメダルを獲得するとともに、日本勢の男子中距離種目で初の金メダリストとなった。
男子ケイリンで昨年に続くメダルを狙った中野慎詞(岩手・121期)は準決勝5位で決勝へ進めず、7位。太田海也(岡山・121期)は準々決勝で敗退した。
窪木らが出場した男子団体追い抜き(4km)は3位決定戦でドイツに敗れ、4位だった。
女子ではスプリントの佐藤水菜(神奈川・114期)が準決勝に進出したが、梅川風子(東京・112期)は1回戦で敗退。エリミネーションの内野艶和(福岡・120期)は11位だった。
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【男子ケイリン】
山崎は1回戦を2位、準々決勝を3位、準決勝を2位で決勝に駒を進めた。大一番は1番手で周回した。残り3周を切ったところで、ホーフラントらに先行されたが、3、4番手をキープ。最終周ではバックストレートで昨年王者のキンテロの後方から追い上げると、ホームストレートで見事に差し切り、歓喜の瞬間を迎えた。31歳のスプリンターは「世界では全然、結果が出ていなかったが、やっと形になった。サポートしてくださる皆さんの思いに応えるというか、形としてしっかり残せたのは本当にうれしい」と喜びをかみしめた。中野は1回戦、準々決勝ともに豪快な先行逃げ切りを決めた。しかし、準決勝では先行策をとることができず、5位で決勝進出を逃し「自分のミスが悔やまれる。前に出た時にもっと力強く踏んで出ていけばよかった」と残念がった。太田は1回戦を1で突破したが、準々決勝で5位に終わった。
1位 山崎賢人
2位 YAKOVLEV Mikhail(イスラエル)
3位 QUINTERO CHAVARRO Kevin Santiago(コロンビア)
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【男子スクラッチ】
スクラッチで2大会連続銀メダルの窪木がついに表彰台の頂点を射止めた。レース中盤から積極的に動き、ラップに成功。終盤も果敢な走りを見せ、最後は後続を引き離してゴール。「信じられない。本当に優勝したのかなという気持ち。競輪選手のみんなも『競技も頑張れ」と言ってくれた。おかげで今回も来ることができたし、本当に恵まれている』と感謝と喜びを爆発させた。
1位 窪木一茂
2位 HANSEN Tobias Aagaard(デンマーク)
3位 PETIT Clement(フランス)
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【男子団体追い抜き(4km)】
窪木、児島直樹、松田祥位、今村駿介(以上ブリヂストン)で臨んだ日本。団体追い抜きで世界選手権初のメダルは獲得できなかった。日本は好スタートを切ったが、1000メートル前から遅れ始めた。残り3人となった3000メートルを過ぎた終盤には児島が落車し、途中棄権となった。
1位 デンマーク
2位 英国
3位 ドイツ
4位 日本
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【女子スプリント】
佐藤は予選を10秒552の5位で突破した。1、2回戦を順当に勝ち上がると、準々決勝は2022年女王のグロとの対戦となったが、2本とも力強い走りで先着。「大きい目立ったミスもなく、すごくいいレースがつくれた」と振り返った。18日の準決勝ではパリ五輪銅メダルのフィヌケンと対戦する。梅川は予選を10秒790の10位で通過。1回戦はオーストラリア選手を後方から刺しにいったが、わずかに届かず0.022差で敗れた。
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【女子エリミネーション】
内野は積極的にレースを進め、集団の先頭に立つ場面もあった。しかし、「脚を使い過ぎて、前に出てからが結構きつかった」と振り返り、レース中盤に脱落。「緊張した。走りながら譲ってはいけないことが分かりながら、引いてしまうのが課題」と反省点を挙げた。
1位 WOLLASTON Ally (ニュージーランド)
2位 KOPECKY Lotte (ベルギー)
3位 VALENTE Jennifer(アメリカ)
11位 内野艶和
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◆東京中日スポーツ 八手亦記者 世界選手権レポート(第2日)
【日本選手のスケジュール】*は勝ち上がった場合
3日目:10月18日
男子1kmタイムトライアル(予選・決勝) 未定
女子オムニアム(決勝) 内野艶和
男子個人追い抜き(予選~決勝) 松田祥位
男子ポイントレース(決勝) 児島直樹
女子スプリント(準決勝~決勝) *佐藤水菜・梅川風子
4日目:10月19日
男子スプリント(予選~準々決勝) 太田海也・小原佑太・中野慎詞
男子オムニアム(決勝)今村駿介
女子個人追い抜き(予選~決勝) 垣田真穂
女子マディソン(決勝) 内野艶和・池田瑞紀
最終日:10月20日
男子スプリント(準決勝~決勝) *太田海也・小原佑太・中野慎詞
女子ケイリン(1回戦~決勝) 佐藤水菜・梅川風子
女子ポイントレース(決勝) 池田瑞紀
男子エリミネーション(決勝) 児島直樹
男子マディソン(決勝) 窪木一茂・今村駿介
■2024年UCI自転車世界選手権大会トラック(前日)レポートはこちら
2024年UCI自転車世界選手権大会トラック(第1日)レポートはこちら
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