卒業記念レースとは
日本競輪学校選抜
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  レース展望  
  群雄割拠の95回生卒業記念レース。  
   
   入学式直後の試走記録会、教官からため息がもれた。タイムは平凡以下。「本当に卒業できるのか。」そんな声が多く聞かれ、誰もが95回生の先行きに不安を感じていた。
 しかし、10か月が経ち、厳しい訓練に耐え抜いた95回生は見違えるほど大きく成長した。400mFDで学校記録を塗り替えた者、ゴールデンキャップを獲得した者。そして最後の記録会である第4回記録会では多くの生徒が、過去の回生と比較しても見劣りしない、いや、それ以上のレベルまで躍進した。教官の厳しい叱責にめげず、自らに鞭打って大きく成長した95回生の「強さ」は本物である。
 彼らの力と意地がぶつかり合う卒業記念レースを展望してみよう。
 
     
  ●「最強」の称号  
   95回生「最強」は、間違いなく上原龍(長野)だ。物心ついた頃からスケートを始め、高校時代は国体に出場し、スピードスケート1,000mで優勝した華々しい経歴の持ち主。更なる活躍の場を求めて競輪の世界に飛び込んだのも自然の成り行きだったのだろう。競輪学校に入学してからもその活躍は続く。
 大きな身体と太い脚から繰り出される走りはパワー満点。競走では現時点での在校1位。先行・捲りで勝利を積み上げ、先行逃げ切り回数でも1位、第2回トーナメントでは優勝を手にした。また、記録会でも短距離と長距離の両方で段違いのタイムを叩き出すなど、牛山貴広(92期)、今井裕介(93期)ら近年のスピードスケート出身者と比較しても全く見劣りしない実力を備えており、卒記優勝の大本命である。
上原生徒
上原生徒
 
     
  ●「最強」を追う者  
   上原に強烈な対抗心を燃やし、その活躍に待ったをかけるのは鹿内翔(青森)である。上原不在の第1回トーナメントでは当然とばかりに優勝をさらった。上原をも上回る一瞬のスピードを武器に、捲り中心で勝ち星を増やし、在校1位を虎視眈眈と狙っている。卒記決勝では上原の強力な対抗馬として躍り出るだろう。 鹿内生徒
鹿内生徒
 
     
  ●実力伯仲の上位陣  
    この2名の独走は許すまじと、上位には実力者達がひしめく。
 河端朋之(岡山)は、ダッシュ力と地脚を兼ね備えており、1周を逃げ切る豪快な先行とスピードに乗った捲りで存在感を光らせた。
 また、現時点での在校3位、飯塚隼人(佐賀)は、先行こそ少ないが捲りでの勝利にこだわり、最終2コーナーから別次元のスピードで後続を引き離し、1着を荒稼ぎした。
 空手で高校選抜優勝の経歴を持ち、叔父(久保俊高・52期)の影響で選手を志した久保将史(神奈川)もあなどれない。第1回準トーナメントでは優勝を飾り、その後もバランスの取れた脚質で粘り強い走りを見せ、先行逃げ切りも決めている。
 
  河端生徒
河端生徒
飯塚生徒
飯塚生徒
久保生徒
久保生徒
 
   その他にも、スピードの持久力の両方で周囲と一線を画す 才迫勇馬(広島)、1,000mT.T.で1分6秒台と今回生トップタイムを記録した山﨑晃(石川)、ストイックな訓練姿勢で地脚に磨きをかけた緑川修平(福島)、父(長井賢人・47期)の背中を追う長井優斗(東京)、天性の脚力を持ち、鎖骨骨折から復活を果たした大瀬戸潤一郎(広島)らが、バランスの取れた高い能力を存分に発揮して、自力での勝利を積み重ねており、上記3名(河端・飯塚・久保)と比較しても全く遜色ない。一瞬の差し脚を武器に、位置取り巧みなレースで現時点での在校2位に名を連ねた德丸泰教(兵庫)も要注意だ。  
  才迫生徒
才迫生徒
山﨑生徒
山﨑生徒
緑川生徒
緑川生徒
 
  長井生徒
長井生徒
大瀬戸生徒
大瀬戸生徒
德丸生徒
德丸生徒
 
     
  ●記録保持者達  
   記録会で、競輪学校の歴史にその名を刻みこんだ者達がいる。
 金子哲大(埼玉)は、第4回記録会で、93回生以来の史上9人目となるゴールデンキャップを獲得した。競走での派手な活躍は無いものの、先行を中心に積極的なレースをしており、実力は確かなだけに今後さらに伸びてくるだろう。
 第3回記録会の400mFDで学校新記録を出したのは、適性出身の重倉高史(富山)だ。井上辰也(岡山・86期)の記録(22秒14)を塗り替え、22秒07という驚異的なタイムを叩き出した。競走成績こそ振るわなかったが、先行一本の走りを貫いており、そのスピードは本物。豪放磊落な性格で、どこまでも前向きな努力家である。
 
 
金子生徒
金子生徒
重倉生徒
重倉生徒
 
     
  ●「先行」に賭ける意志  
   将来を見据え、徹底先行を貫いた者を紹介しよう。
 村上直久(神奈川)は、上原と並ぶ今回生トップの先行逃げ切り回数を誇り、1周半を逃げ切る驚異の脚力を持つ。調子の波が激しいのが難点だが、常にハングリーな精神で訓練に取り組んでおり、卒記に向けて調子を上げてくるだろう。
 さらに、今回生の「徹底先行」を語る上で外せないのは、大澤哉太(北海道)近藤保(千葉)である。先行回数トップを争う両者の争いは熾烈を極め、9月19日現在では38回と首位タイで並んでいる。卒業記念レースの大舞台で、両者の先行争いはますます激しく燃え上がるはずだ。
 他にも、スピードスケート国体入賞の菅藤智(群馬)や、福岡ソフトバンクホークスから競輪に転身した北野良栄(千葉)も先行一本の力強いレースで奮闘している。
 
 
村上生徒
村上生徒
大澤生徒
大澤生徒
 
  近藤生徒
近藤生徒
菅藤生徒
菅藤生徒
北野生徒
北野生徒
 
  ※在校順位、競走成績等は、平成20年9月19日現在のものに基づく  
   

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