『函館競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:5月16日

 函館競輪場で開催されている開設71周年記念「五稜郭杯争奪戦(GIII)」は、5月16日に2日目が行われた。二次予選最初の6レースでは、地元の菊地圭尚が勝ち星を挙げて準決一番乗り、またS級S班の松浦悠士はラインを上位独占に導くまくりで人気に応えた。17日の3日目は、ファイナルをかけた準決で熾烈を極めるバトルが展開される。
 函館競輪場にご来場の際は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。本場では開催中の毎日、未確定車券「ガラポン抽選会」、移動販売車(3日目はたこ焼き、クレープ、タピオカなど)などが予定されています。本場だけでなく、テレビ、インターネット中継などでも観戦をお楽しみください。

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菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
 地元勢を連れた鈴木庸之は、7番手に置かれると打鐘の3コーナーから反撃を開始。谷口遼平を最終ホームで叩いて先行策に出る。一本棒の隊列でバックを通過して、番手の菊地圭尚(写真)には絶好の流れ。菊地がぬかりなくチャンスをモノにした。
 「鈴木君も気を遣ってくれて、気持ち良く仕掛けてくれた。感謝ですね。地元は3割増しですし、気持ちも入ってた。昨日(初日)から修正したところもあって、自転車も流れました」
 4番手の谷口はいっぱいで不発。菊地に迫る伸びを見せた坂口晃輔が2着に追い込んだ。
 「本線のノブさん(鈴木)を後方に置いてと思ってたけど、巻き返しが早かった。相手が上手でした。(谷口)遼平は先行態勢に入ってたところを行かれたんで、楽ではなかったと思う。自分は昨日は感じが悪くてひどかったけど、そこから立て直せた」


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野口裕史選手
野口裕史選手
 酒井拳蔵を押さえて出た野口裕史(写真)が、赤板2コーナーで先頭に立ってレースを支配する。南関3車が出切り、酒井が4番手。6番手の中本匠栄が最終1コーナーから仕掛けるが、逃げる野口の掛かりがいい。野口が二の足で九州勢を振り切って1着。
 「酒井君が粘るかだけ注意をしていた。ジャンからは後ろを気にせずに自分の世界に入って、そこからペースで踏んだ。最後にまくりが飛んでくるので、そこにブースターをとっておいた。感じは悪くない」
 中本のまくりは近藤隆司の横まで。中本の外を踏んだ園田匠が2着。
 「(中本)匠栄がよく頑張ってくれた。あの流れで酒井が行かなかったので、仕掛けてくれた。匠栄が野口に踏み直されてハウスしていた。そこを見てでしたけど、1着を取らないといけないところで取れなかった。その分、明日(3日目)はしっかりと」


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上原龍選手
上原龍選手
 松本貴治を警戒しながら稲毛健太が先頭に立つが、その上を関東勢がカマして打鐘の4コーナーで主導権を握る。稲毛は4番手も前との車間が空いてなかなか詰まらない。逃げる金子哲大を利した番手の上原龍(写真)が、直線で抜け出した。
 「(金子は)同期でいつも頑張ってくれるし、もうそのおかげですね。自分は前回から新車なんですけど、パーツを組み合わせたりして、セッティングを変えている。徐々に体が動くようになっているし、(自転車の感じも)良くなっています」
 4番手の稲毛は最終2センター付近でようやく前団に追いつくもそこまで。稲川翔は稲毛の内を踏み込んで3着。
 「途中までは稲毛の横綱相撲かと思ってたけど、(関東勢を)出させたのが以外だったんでピンチかなと。それでも稲毛は(前団を)のみ込めるかと。(稲毛の)内は踏みたくなかった。でも、届かないかなっていうのがあったんで申し訳なかったけど」


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村上義弘選手
村上義弘選手
 赤板2コーナーで出たあとに坂井洋が緩めると、打鐘の2センターから6番手の古性優作が仕掛ける。坂井を叩いた古性の先行。村上義弘(写真)は出切るが、3番手に坂井が飛び付いて小林信晴と重なる。村上は空けた車間を詰めながら、余裕をもって古性を交わした。
 「後方になる展開もありえたのに、(古性)優作がいつも通りのいい判断だった。外を詰めよられたのは課題ですね。一戦、一戦、力を出し切って上を目指したい」
 坂井のペースを確かめて積極策に出た古性優作は、さすがの立ち回りと判断で村上とワンツー。
 「最低限の仕掛けでした。自転車のセッティングがいつの間にか変わっていて修正したけど、それに体が追いついていない。最後はキツくて、村上さんに助けられた。村上さんじゃなかったら、残っていなかった。体を修正したら、どうにかなると思うので調整したい」


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佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 打鐘手前で小松崎大地がすかさず巻き返すが、先行態勢の才迫開もペースを上げて踏み上げる。空いた中団に小松崎は入らず、そのまま主導権を奪って風を切る。別線は反撃できず北日本3車の勝負。押し切り図る小松崎を番手の佐藤慎太郎(写真)が差し切った。
 「(小松崎)大地は力がある選手だから、(前から)受けて立つパターンもあるだろうと。ただ、大地が僕の思っている大地よりひとまわり強くなっている。ダッシュも前より鋭くなっているし、ゴール前も。それか俺が弱くなってるのか。自分は(前々回の)武雄くらいから徐々に上向いてきたかなって思ってます」
 危なげなく北日本ラインで上位を独占。まくりに構えず、迷うことなく駆けた小松崎大地は、内容の濃い2着。
 「(叩きに行く時に)結構、才迫君が踏んだんで選択肢が出てきたけど、ラインがしっかりしてるんで前に踏もうと。まずはラインで決めることを第一にと思ってた。まだ反省点もあるけど、踏んだ感触は悪くないです」


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窓場千加頼選手
窓場千加頼選手
 南関ラインが主導権を握って、4番手の窓場千加頼(写真)は高橋晋也を後方に置いて前団との車間を空ける。高橋はタイミングを逸して、ようやく最終ホームから仕掛ける。が、窓場も合わせてまくる。浮いた高橋は不発。逃げる蒔田英彦を窓場がとらえて、後続の強襲を退けた。
 「脚を使っても前々を心掛けている。でも、あくまでも流れに沿ってですね。最近は二次予選、準決でS班や110点以上ある選手と戦っても物怖じしなくなった。脚は変わっていないけど、気持ちが昔より折れなくなった。自分の心のもちようですね」
 高橋の余力を確かめて最終2センターからコースを探した守澤太志が、抜群の伸びを見せるもわずかに届かず2着。
 「窓場君にうまくやられた。あおりがすごくて、(高橋)晋也君の出も良くなくて、判断が難しかった。ギリギリまで待った。申し訳ないけど、内を踏ませてもらった。バックを踏んだ分、伸び切れなかったですね」


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松浦悠士選手
松浦悠士選手
 北日本ラインが赤板2コーナー手前で出て、松浦悠士(写真)が4番手をキープする。打鐘を通過すると7番手の菊池岳仁がダッシュを利かせて前団に襲い掛かり、藤根俊貴と菊池での踏み合い。両ラインが重なる。松浦は早めに外に持ち出して、最終1センター過ぎからまくって力の違いを見せた。
 「菊池君の突っ張りを警戒して、しっかり切ろうと思ってた。そのあとは(藤根と菊池が)モガき合ってたんで、早めに引いてすぐに行った感じです。感触的には初日の方が良かった。最後までモガき切れたけど、もう少しきれいにモガきたかった」
 松浦ラインで3着までを独占。柏野智典は松浦との差をわずかに詰めて2着。際どいゴール勝負にはならなかった。
 「ちょっとずつ良くなってはいる感覚があるんですけど、体の状態と自分が思ってるのに差がある。追走が甘いというか、良くなっているのに自信をもって追走できてないところがあります」