『函館競輪開設74周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:5月18日

 令和6年能登半島地震復興支援競輪・函館競輪開設74周年記念「五稜郭杯争奪戦(GIII)」は5月17日に大会2日目が実施された。二次予選は、初日特選組がそろって勝ち上がりを決めるなど実力者が順当に力を発揮。本線決着のレースが続いた。地元北海道からは川津悠揮だけとなったが、北日本からは大挙8名が準決へと駒を進めた。18日は準決3個レースが実施され、いよいよファイナリスト9名が決まる。
 ナイター記念シリーズは開催中の毎日、藤巻昇さん、山口幸二さん、内林久徳さん、村上義弘さんらが日替わりで参加するSPEEDチャンネルトークショー、キッチンカー大集合、先着入場者プレゼント、ガラポン抽選会が実施されるほか、週末の18日はイベントも盛りだくさん。きつねの爆笑ステージ、エナのライブステージ、爆上戦隊ブンブンジャーのキャラクターショー、7月に本格デビューする地元北海道の新人選手紹介(18日は小堀敢太選手)等が予定されています。函館塩ラーメン津熊、駄菓子屋「あさひや」の出店もあります。函館競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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岩津裕介選手
岩津裕介選手
 スタートは7番車の町田太我が勢い良く出て中国勢が正攻法に構える。町田は赤板で武田亮を突っ張り、さらに嵯峨昇喜郎の上昇を阻むようにペースを上げる。岩津裕介(写真)は嵯峨にからまれるが、しっかりと番手を守り切る。中団のもつれもあったが、軽快に駆けた町田の番手から岩津が抜け出した。
 「町田君の好きなようにやってくれたらと思っていた。最終バックでスピードに乗っていたので、(山田)久徳がこないかな?と思ったけど、こられないスピードでした。苦しそうな感じもなく、残るかなと思ったが、東口(善朋)さんはやっぱりすごい。(連勝だが)前の先行選手がうまく走ってくれるおかげですけど、モノにできているし、状態はいいと思う」
 東口善朋は目標にした山田久徳が佐藤一伸と中団でからんで内に詰まると、3コーナーから外を回して2着に突っ込む。
 「(山田は)レースがうまいし、すべて任せていた。内に詰まった時に思いのほか、長引いたのかなと。最後は山田君が内に押し込まれていたし、前も一本棒で行かせてもらった。みんな脚を使っている中で、脚を使っていなかったので、その分、進んでいたのかなって。(状態は)普通ですね」


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松井宏佑選手
松井宏佑選手
 佐藤礼文がスタートを出て小林泰正を迎え入れて関東勢の前受け。3番手から進めたのは松井宏佑(写真)で、脇本勇希は7番手で周回を重ねる。上昇の脇本が赤板で誘導を外して先行態勢へ。単騎の山形一気がこのラインを追い、小林は5番手を確保してから、最終1コーナーを目掛けてスパート。松井は先に仕掛けた関東勢の外を抜群の踏み出しで一気にまくった。
 「一緒のタイミングで小林君も踏んだので、そこをめがけて行った。その上をまくれているので感じはいいと思う。落ち着いてから行けるところで一発と思っていたし、なんとか乗り越えられてワンツーで良かった。思ったような練習もできていなかったし、感触もわかんなかったけど、昨日(16日)でアタリがついたのでうまく走れた。北海道は地元(生まれ故郷)ですし、応援してくれる人も多い。力を出し切って決勝に行けるように」
 松坂洋平は松井の踏み出しに車間が空いてしまったが、懸命に追いかける。4車身差ついたが、2着をキープした。
 「松井君が強かったですね。バックでは僕のスピード域ではなかった。ワンツーができたのはうれしい。でももっと修正しないとダメですね」


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新山響平選手
新山響平選手
 スタートを1番車の川津悠揮が取って北日本勢の前受け。新山響平(写真)は赤板前に誘導と距離を空け始め、和田真久留の上昇に合わせて踏み込む。和田は北勢の後ろが空いた隙に4番手に入る。先行態勢に入った新山を相手に別線の仕掛けはなく、新山は最終ホームをめがけてペースを上げる。追い上げた松尾勇吾は和田の横でからみ外に浮いた。終始、北日本勢ペースで新山が力強い逃げ切りを決めた。
 「川津さんが前を取ってくれて、突っ張れたら、突っ張りたいと思った。(初手は)真鍋(顕汰)君が4番手だったので、すかさずカマしてはこないと思った。ジャン過ぎではくると思ったけど、来なくて自分のペースで駆けられた。少し末が甘かったのでサドルの座った位置がよくないところで踏んでいた。感覚の問題ですけど、戻していければ」
 近況の渡邉一成は自分で動くメンバー構成が多かったが、北の大砲・新山の番手回り。抜くことはできずに2着で準決勝に進出。
 「(新山目標は)サプライズでした。(新山の)気持ちが強かったですね。できることを援護しようと思ったけど、何もすることはなかったし、抜けなかった。やっぱりSS級は強かった。全部(新山)響平君が頑張ってくれました」


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高橋晋也選手
高橋晋也選手
 前受けになった中村隆生が高久保雄介の上昇を突っ張ると、高橋晋也(写真)がそのまま追って3番手を確保。渡部幸訓は迂回して付け直す。高橋は前のペースが緩んだとみるや、2センターから仕掛けて主導権を奪い返す。山口拳矢は須永優太の位置をさばいて渡部を追走。2コーナーから仕掛けた山口は3コーナーで勢いが止まり、逃げた高橋が渡部とのゴール前勝負を制して押し切った。
 「もっと落ち着いていければよかったけど、立て直して仕掛けられた。先に山口君に行かれるのが嫌で仕掛けて行きました。仕上がりは悪くないと思う。踏み応えも良かったので、あとはしっかり決勝に上がりたい」
 渡部幸訓は高橋の動きに反応してしっかりとつけ切る。最後は抜くことができずに強さを称えた。
 「スタートは出た所勝負だと思ったけど、大矢(崇弘)君がきたので無理して主張するよりはと。バックで後ろが山口君だったので、いいスピードで来るかなって思っていた。高橋君はカカっていたし、4コーナーからの踏み返しもすごかった。強かったです。残り2日しっかり走りたい」


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守澤太志選手
守澤太志選手
 林慶次郎が赤板過ぎに誘導を切り、竹内雄作が打鐘前で叩いて先行態勢へ。前受けから下げた眞杉匠だが、引き切ってからすかさず巻き返す。最終1コーナーでは前団を捕らえて、ライン3車で出切ると、番手の守澤太志(写真)が交わした。
 「(眞杉は)引くときに前輪がかかっていて、引ききっていなくて、その後はすぐに行ってくれた。力が違うなって。眞杉君は中間速が強いので、そこはきつかったですけど、何とか抜けた。ジャン前から全開で行ってくれているからだけど、抜けてよかった。昨日(16日)は古性(優作)君とハウスしたり、さばかれたりと、気持ちの問題で情けなかったんで、その分もと思っていました。(久しぶりの実戦になった)ダービーよりは自転車が進むし、レースでの踏み方がよくなってきた」
 眞杉匠は後方に下げてから前団を一気に叩いて主導権を奪い返して別線を完封した。
 「突っ張ろうと思ったけど、2個のラインが上から来たので、出させてから考えようと。行くならもうワンテンポ早く行けばよかったですけど。昨日(16日)よりは軽いかなって。(前回と違うフレームは)微調整してちょっとは良かったかなと。(体調や脚は)まずまずです。毎回、獲るつもりできているし、頑張ります」


<11R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 津村洸次郎が赤板過ぎに誘導を切った所を菊池岳仁が押さえて先頭に立つが、郡司浩平(写真)の巻き返しが早い。流していた菊池を最終ホーム前に叩き切って先手を奪うと、追走した佐藤慎太郎も振り切った。
 「菊池君がハナを切るでしょうし、津村君も先に切るだろうと。早めに態勢を整えて行ける所で行こうと。すんなり行く所でタイミング良く行けた。菊池君がすんなり駆けてしまうと強いし、カカリ切る前に叩くってイメージで行き切れるように仕掛けました。(3番手の大森慶一が離れて)2車っていうのもわかっていたし、出切ってからはペースに入れながらうまく回して行きました。最後は力勝負でした。体の調子は問題ないです」
 佐藤慎太郎は前回の日本選手権最終日に続いて郡司をマークしてワンツー。郡司の強さを称賛する。
 「郡司君が強かったし、一流の自力選手だなって感じた。本気で差しに行ったけど差せなかった。(郡司の)踏み出しはすごいダッシュだったし、伸びもすごかった。やっぱりダッシュの所でだいぶ削られているのか、車間を詰めて抜きにいったけど交わせなかった。今日(17日)はまだ自分の力が足りない」


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古性優作選手
古性優作選手
 後ろ攻めになった古性優作(写真)が赤板で誘導を切り、さらに晝田宗一郎が切ったところを蕗澤鴻太郎の打鐘カマシ。中団を取った晝田は最終1センターから仕掛けるが、佐藤真一の横までで失速。その上をまくった古性優作が実力を示した。
 「(最終)ホーム前に行きたかったけど、蕗澤君がかかっていて強かったですね。(前のラインの晝田が不発になっていたが)シンプルに蕗澤君が強くて、これはけっこうかかっているなって。(大外をまくり切り)昨日(16日)のバンクコンディションがすごく重くて、今日はそこまでではないと感じた。筋肉痛はあるけど、初日よりはなかったので、クールダウンをしたい」
 三谷竜生は古性の7番手まくりにぴったりと続いて、前のレースと同様に2車単は一番人気の決着。
 「古性君のタイミングがあるので、ここで(仕掛ける)とかはないですし、しっかり行き切っていますからね。ついていく分には大丈夫です。(最終3コーナーの)山を越えて、(4コーナーを)下って、(自転車が)出るかと思ったけど、もうちょっとですね。(古性は4コーナーを)下って伸びていった。(準決勝に向けて)クールダウンするだけ」