『函館競輪場開設56周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:8月17日


 開設56周年函館記念『いさり火杯争奪戦』は今日が最終日。夏らしい青空が広がる絶好のバンクコンディションの中、決勝戦をメインに、熱戦が展開された。実力者が勝ち上がり、武田豊樹、金子貴志、渡部哲男による三分戦となった決勝は、最終2コーナーで5人が落車する大波乱の展開となったが、落車を避けて三番手に入った手島慶介が直線一気に追い込み、昨年11月の地元前橋以来となる通算3度目の記念Vを飾った。

決勝戦ダイジェスト

 佐藤慎太郎がスタートで飛び出して渡部哲男を受ける。中団に金子貴志―山口幸二―村上博幸―藤井孝則の中近勢が入り、武田豊樹―神山雄一郎―手島慶介の関東トリオが後攻めとなる。
  残り3周を切ったバック手前から武田が上昇を開始。金子のアウトに車を合わせたまま赤板を通過した。打鐘手前で武田が踏み上げると渡部がスンナリと車を下げた。すかさず巻き返したのは金子。この金子に武田が抵抗して壮絶な主導権争いとなる。最終ホームで金子が出切ると武田は番手飛び付きを狙い山口を牽制する。最終1コーナーの入り口で内の神山と、外の山口で絡み合い両者共にバランスを崩して落車。ここへ村上、佐藤が突っ込み、外に避けようとした渡部も落車に巻き込まれ、最終バックは金子―武田―手島―藤井となる。武田が強引にまくり上げるも金子に合わされ出切れない。金子がハナに立ったまま直線に入るも、さすがにゴール前は末脚を欠く。武田後位から一気に踏み込んだ手島が鋭く伸びて優勝を決めた。手島を追走する形になった藤井が手島に続いて2着ゴール。逃げ粘るも金子は3着が一杯。

手島慶介選手
手島慶介選手

 最終ホームで金子が武田を叩いて主導権を奪ったが、後続はもつれ、最終2コーナーで5人が落車する大波乱のレースとなった。結局、落車を避けて脚を溜めていた手島慶介が直線強襲し、今年初の記念Vを果たした。
 「記念の決勝で普通の先行屋ならすんなり3番手は回らないけど、武田さんは関東を代表する大型先行選手ですからね。強いのは知っているし、いつもお世話になっているので、信頼して付いていきました。今日はツキ1本ですね。きつかったけど、直線では差し切れる手応えがありました。準決勝は競り負けてお客さんに迷惑をかけてしまったし、決勝は何とかしたかった。勝負の世界だし、最後に勝たないと意味がありませんからね。今年1回は記念を獲りたいと思っていたから勝てて嬉しい。この後はオールスターに向け、松本一成や阿部康雄さん、矢口啓一郎ら10人ぐらいで、群馬の万座の方に合宿に行く予定です。グランプリに出場するためにもオールスターは頑張りたい」

 伏兵の藤井が手島に続いて二着に流れ込み、三連単77万円台という超大穴配当が飛び出した。
  「今開催は本当にツキっぱなしだった。村上君は外併走からのまくりも打てるし、付いていくこともできたんですが、ちょっと厳しいと思ってホームで切り替えてしまった」

 山口を飛ばして金子後位に入った武田は、番手から再度仕掛けるも、金子に合わされ出切ることができなかった。
  「何で出ていってしまったんですかね。でも、先行する気だったし、あそこは攻めていきたいところなんです。金子君もタレてきていたし、行けるかと思ったけど、うまく合わされてしまった。ふるさと富山の決勝と同じような感じになってしまった」と悔しさをにじませる。
  武田、渡部を相手に積極的に逃げた金子は「武田さんはすんなり出させてくれる雰囲気があったんですけどね。出切るのに結構脚を使ってしまった。やっぱり武田さんは強い。もうちょっと待ってから踏んでくれれば、武田さんと僕でゴール前いい勝負になっていたかもしれません」と淡々とレースを振り返る。
  絶好のまくり展開となった渡部だが、落車に巻き込まれてしまった。
  「優勝のパターンだったんですけどね。まくりに回ったら落車はつきものだし、仕方がありません」

ゴール




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