『函館競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 初日編
配信日:6月8日
今日から函館競輪場開設58周年記念「黒船杯争奪戦」が開幕した。初日から好天に恵まれ、気温とともに選手の走りもヒートアップ。注目の特選レースは藤原憲征、石毛克幸、さらに同着で有坂直樹、飯野祐太が勝利し、明日11Rの巴賞へ勝ち進んだ。
明日もバンク内でのレース見学(各日定員10名様)や縁日、藤巻昇氏によるレース解説と予想会や野菜即売会など様々なイベントが催されます。明日もぜひ函館競輪場へご来場ください。
<1R>
1Rは
原田隆
が想定外だった土屋仁の抵抗を力強くまくり切り、オープニングレースを制した。「1R、1番車だったし、勝ててホッとしています。調子も悪くないですね」と1並びの好スタートを切った。
2着には土屋マークから原田の番手に飛び付いた
北沢勝弘
が食い込んだ。
「土屋君が頑張ってくれた。原田君も様子を見ながらまくってきてる感じだったし、2コーナーの山おろしで行かれからね。配分が詰まってて、もっと悪いかなと不安だったけど思ったより流れに乗れました」
<2R>
2Rは米原大輔が先行。バック過ぎから守田秀昭が番手まくりを放つと、その後位から
丸本孝人
が突き抜けた。
「今日は恵まれ一本です。あそこで守田さんが動かなかったら、かぶってましたね。来期からA級だし、これが今期最後の記念。勝ち上がって思い出が作れるように頑張ります(笑)」
2着に残った
守田秀昭
はホッとした表情。
「(まくりに)切り替えて突っ込んでも良かったけど、米原が頑張ってくれた。最近はレースが見えてないし、あまり良くないからこれで明日につながってくれればいいね。今日負けたら…、と思ってレース前はすごく緊張してたので勝ち上がれて良かった」
<3R>
南大輔選手
3Rは旭啓介の先行を巻き返した堂村知哉が不発。それでも堂村後位から
南大輔(写真)
が豪快にまくり上げて激戦を制した。
「堂村君が頑張ってくれました。バックで行ける感触はありましたね。ちょっと早かったのかもしれないけど、福間(力)さんに張られて堂村君も止まってたので。2月に体調を崩してからボロボロだったから、この1着は大きいですね」
近畿三番手を選択した
岡野順一
だが踏み出しに離れてバツが悪そう。
「練習では3.69でも感じが良かったのに、前のギアが小さいからレースでは駆け出しが重い。ちょっと無様な競走だったので、明日は71に戻します」
<5R>
5Rは中曽直彦、大沼孝行の同期コンビがワンツーフィニッシュ。勝った
中曽直彦
は「恵まれました。大沼君のおかげです。調子自体はまだまだだけど、今日は展開が向いた。大沼くんのかかりが良かったので安心してたし、今日は彼が強かった」とシリーズ最高のスタートに笑顔が絶えない。
2着に逃げ粘った
大沼孝行
も満足げな表情でレースを振り返る。
「ホームでかからなくて焦ったけど、2コーナーでフッと軽くなって、ようやく流れ始めた。後ろは信頼できたし、楽に先行できて、組み立てやすかったですね」
<6R>
内藤秀久選手
6Rは
倉野隆太郎
が後続のモツれも助けて力強い逃げ切り勝ち。「先行しやすいメンバー構成だったし、自分のレースができて良かった。上手く風を使えましたね」。練習十分の健脚は明日以降も注目だ。
吉永和生が倉野後位を取り切ったが最後は伸びを欠き、三番手で脚を溜めた
内藤秀久(写真)
がG前2着に突っ込んだ。
「吉永さんと三番手を取り合うくらいなら番手に行こうと思ったけど、吉永さんが番手に行ったので。バックでは(二次予選Aの)権利は取れたなと思いました。後ろに齊藤さんもいたので早めに踏んだ。伸びは良かったし、調子は良いほうだと思います」
3着には
齊藤竜也
が入線。
「最初は先行したほうの番手と思ってたけど、みんなで三番手を取り合うより内藤くんに付いておこうと。今日は3着以内に入るのが目的だったし、思ったとおりの展開になった。ただゴール前はイマイチ踏み切れてないね」
<7R>
戸邉裕将選手
7Rは松本一成の先行に乗った
戸邉裕将(写真)
が絶好の展開を生かす。
「(駆け出しが)山おろしですごいキツかったし、2コーナーからもすごい踏み直しだった。付いてて余裕はなかったけど、久々の1着だし、函館は相性がいいのかな。1着は去年10月の函館決勝戦以来ですよ」
2着には
竹内智彦
が強襲した。
「3着には入れると思ってたし、あとは外(にコースを選ぶ)かどっちかでしたね。早く行きたかったけど、まだ外に高谷(雅彦)さんもいたので。調子は悪くないですね」
3着に粘った
松本一成
もまずまずの手ごたえをつかんだ様子。
「函館は成績が良くないけど、やるべきことをやっての結果だし気にしてなかった。今日はバックが追い風だったし、それを利用して出てからはずっとペースで駆けられましたね」
<8R>
金古将人選手
8Rは単騎のカマしになった中村美千隆の番手にはまった北日本勢が確定板を独占。G前横一線の勝負を制したのは三番手を回った
杉浦康一
だった。
「今回はオーバーワークギリギリくらいの状態で入ったので、正直初日は難しいかなと思ってた。半分は展開が味方してくれましたね。ダッシュが良い金沢に付け切れたのが大きい。明日以降、軽くなってくれればいいけど」
2着の
金古将人(写真)
は残念そうにレースを振り返る。
「ああ失敗した。このままだと金沢を抜きすぎちゃうと思ってたら、杉浦さんも入って来たのが見えて締められなかった…」
3着に粘った
金澤竜二
だが「誰かに来られてかぶったら最悪だし、番手に入ってからも休めなかったですね。中村さんにバックを取られたし、何だか呼吸もキツい。これで明日重くならなければいいけど」と明日への不安を口にする。
<9R>
藤原憲征選手
9Rからは特選レースがスタートした。このレースは藤田竜矢が果敢に先行。稲垣裕之のまくりを番手の兵藤一也がブロックすると、三番手から
藤原憲征(写真)
が一気に突き抜けた。
「前が力を使い果たして突っかかる感じだったので、バックを踏んだら誰かに突っ込まれて危ないから、自分は前に踏むしかなかった。兵藤さんも藤田君を残し気味だったしね」
2着には稲垣のまくりに乗った
前田拓也
が鋭く伸びる。
「コースが空いたからね。宮杯はあまりにも重くて成績が悪かったけど、昨日走ってみたら軽くて、そこそこ走れる気はしてた。宮杯では気が張ってたし、明日は優秀を走れるのは気楽だね」
番手で3着になった
兵藤一也
は「もう少し差し脚がないとダメだけどね」と言葉少な。
稲垣裕之
は中川との中団争いで脚をロスしたのが痛かった。
「もう少し早く単独(で中団)にならないといけないし、なりたかった。でも組み立ては悪くなかったと思います」
<10R>
石毛克幸選手
10Rは二段駆け態勢だった北日本、関東勢をバック八番手から海老根恵太がひと飲み。最後は番手の
石毛克幸(写真)
が鋭く伸びた。
「これで海老根君との連係は3回全部ワンツーです。2勝で僕が勝ち越しましたね。踏み出したスピードで行き切っちゃうなと思ってたし、離れたらマズいと思ってた。海老根君のおかげで久しぶりの1着。今日は前が強かった」
まくった
海老根恵太
も満足なコンディションではない中で力強い走りを見せた。
「モツれてくれて出番が来た。ホームで緩んでたので、そこでいければもう少し楽だったでしょうね。やっぱりキツいし、疲れてる感じがしますね」
3着には鈴木謙太郎の逃げを利した地元の
菊地圭尚
が入る。、打鐘過ぎに内から鈴木に続いた動きが審議の対象になったがセーフの判定にホッとした様子。
「空くかな? ぐらいな感じだったけど、付いていかなきゃと思った。半分諦めてたのでホッとしてます。(番手の走りに)慣れてないし、あの辺の見極めがいつもと違うけど、色々経験していかないと。海老根さんが来たのは分かったけど、謙太郎はまだ良い感じで踏んでたし、もう少し待とうかなと思った。それでも勢いが違ったね」
<11R>
有坂直樹選手
11Rは矢口啓一郎、坂本健太郎の激しい主導権争いを2コーナーから
飯野祐太
がひとまくり。ゴール前で有坂直樹が激しく詰め寄るが、同着で巴賞へ進んだ。
「展開が良かったので、イケるなと思いました。宮杯では先行で試したし、今回はまくり。感じは良かったと思います」
同じく1着の
有坂直樹(写真)
は「俺クラスになれば、タイヤ差や、同着は狙うことはできる(笑)」と上機嫌。
「ちょっと抜いたと思ったけど、久々の1着ですごい嬉しい。誰かに斬らせたところをカマすつもりが、結果的に良い展開になったね。今日は飯野が強かった」
3着の
山田敦也
も地元記念で好スタートを切った。
「3着までに入れるとは思ってなかったのに、あんなに綺麗に決まるとはね。とりあえず前回よりは調子が良さそう。あとは決勝に乗ることを目指すだけだし、優秀に上がれたのは大きいですね」
今日は4回転で先行する形になった
坂本健太郎
は「(誰も来ないので)打鐘でスイッチオンですよ。間違いなくまくられると思った。明日は3.69に戻します」と致し方なし。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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