『函館競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 3日目編
配信日:6月10日
函館競輪場開設58周年記念「黒船杯争奪戦」もいよいよ大詰めの3日目を迎えた。今日は準決勝A、B、C合わせて4個レースでシリーズのベスト9をかけた最後の勝ち上がり戦を展開。準決勝Cから波乱の連続、残念ながら地元勢の勝ち上がりはならなかったが、有坂直樹、手島慶介に海老根恵太らが明日の決勝戦へ勝ち名乗りを挙げた。
最終日の明日は抽選でデジタルビデオカメラやシェーバーが当たるスタンプラリー大抽選会(9R終了後)や商品券が当たる優勝者当てクイズ(投票10時~15時まで)。さらにバンク内レース観戦や藤巻昇氏によるレース解説、予想会など開催中の共通イベントも引き続き行われます。明日も函館競輪場へご来場ください。
<8R>
坂本健太郎選手
8Rは1着選手のみが決勝へ進める準決勝C。このレースは前受けから引いて七番手、そこから内をすくって飯野祐太の番手を奪った
坂本健太郎(写真)
が古田義明の中割りを差し返して嬉しい記念初優出。
「前受けしたら七番手になると思ってたけど、けん制がイヤで前に行った。内をすくって飯野くんの前まで行くつもりが行けそうになかったので番手になりました。飯野くんならまくれるだろうし、2コーナーでは乗ったと思ったけど、4コーナーで中を割られましたからね。でも伸び勝ってよかった。脚は問題ないし、昨日よりも体が動いてましたね」
惜しくも2着に敗れた
古田義明
はさすがに悔しさを隠せない。
「ゴチャゴチャになったけど、転んでも前々に踏もうと思ってた。良い感じでコースに入ったけど、最後は焦りましたね。1着だと思ったのに、勿体なかった」
まくった
飯野祐太
は4着に。
「中団っていうのは作戦どおりだったけど、健太郎さんに内から来られたのが気になったし、後ろはどうなってるのか分からなかった。最後は自分が弱かっただけ、次頑張ります」
一瞬はアッと思わせるスピードでまくり上げた
古城英之
も残念そう。
「行けたと思ったけど甘かった。少しずつ練習の成果が出てると思うし、ちょっと悔しいけど次につながるレースができたと思う」
<9R>
渡辺十夢選手
金澤竜二選手
9Rの準決勝Bは圧倒的な人気を集めた菊地圭尚、山田敦也の地元コンビがまさかの敗退。上手く三番手を確保した原田隆後位から鋭く伸びた
渡辺十夢(写真)
が好配当の立役者となった。
「今日は中団が取れたのが勝因。ラッキーでしたね。連日苦しかったけど、何とか生き残れてた分、ここで運が来たかな。運が向けば僕にも1着は取れますよ(笑)。正直もう少し伸びて欲しいけど、ケガのわりには踏めてる。記念の決勝は思い出せないくらい前ですね」
2着には逃げた
金澤竜二(写真)
が粘る。「本当にまさかです」と引き揚げて来ても、まだ信じられない様子。
「(北日本で別線は)何とも言えないけど、力勝負ができるからいいかなと思ってました。先行したら仕事をしてもらえるし、大熊さんだけでも決勝に乗ってくれればと思ってました。徐々に戻ってきてると思うし、昨日からギアを上げたのも良かった」
3着で惜しくも優出を逃した
香川雄介
は、「2着には入ったかなと思ったけどね。でも選んだ位置だし、しょうがない」と言葉少なにレースを振り返った。
赤板から早めに動いて絶好の三番手を確保。決勝進出も見えていた
原田隆
だが、2コーナーから内に入って万事休す。
「前の二人がけっこう外を走ってたので、内をすくって先頭まで出てやろうと思ったら締められた。昨日と同じ展開だから(仕掛けは)2センターでエエのに…」
金澤マークの
大熊正太郎
も大魚を逃してガックリ肩を落とす。
「付いて行くのは楽なんだけど、踏み込んだら出ない。病気ですね。早く治します」
地元優出を逃した
菊地圭尚
だが「なかなか車間が詰まらなかった。敗者戦も大事だし、明日はしっかり走ります」と気丈に振る舞った。
<10R>
手島慶介選手
海老根恵太選手
10Rからは準決勝A。このレースは先行態勢に入った佐々木雄一に対し、中団は内に海老根恵太、外に稲垣裕之で併走に。佐々木が内を空けると、すかさずそこを突いて逃げた海老根恵太―手島慶介でワンツーを決めた。勝った
手島慶介(写真)
は、まず海老根の判断を絶賛する。
「あそこは海老根の直感でしょう。バックでは決まったと思いました。俺もちょこちょこ動くけど、良い反応してたね。超一流の自力型だから安心して任せてたし、海老根にしっかり付いて行けて良かったです」
2着の
海老根恵太(写真)
もまだまだ宮杯の疲れが残っているようだが、オール連対できっちり優出を決めた。
「今日も重いし、連日終わったあとがキツい。稲垣くんはすぐに叩くと思ったけどね。彼は脚があるから飛ばないし、たまたま空いたところを反応できたのが良かった」
強引にまくり上げた稲垣後位から
前田拓也
が苦しい展開をしのいで3着に入った。
「稲垣が安全策で駆ける展開なら良かったけど、前も踏んでて行くところがなかったね。僕は何とか苦しい展開をしのげました。調子はめちゃめちゃ良い訳じゃないけど、宮杯よりはマシですね」
稲垣裕之
は海老根に内から行かれたのが全てだった。
「打鐘、ホームでカマせなければ外併走だと思ってたけど、内を空けられたのが痛かったですね。3コーナーでバック踏むのも何だから、そのまま行ったけど…。しゃあないですね」
前田とのし烈な3着争いに敗れた
榊枝輝文
は、「頭をかけられて、どうしようもなかった」。
<11R>
石毛克幸選手
佐々木則幸選手
11Rは先行態勢に入った鈴木謙太郎に矢口啓一郎が襲い掛かる。「来るのは分かってたし、ダッシュ勝負では負けたくなかった」と話す
鈴木謙太郎
が矢口を出させず先行すると、佐々木則幸のまくりに合わせて、番手の有坂直樹が抜け出す。最後はこの両者の中を
石毛克幸(写真)
が鋭く突き抜けた。
「藤原くんが降りてきてバックを踏んだけど、余裕はあったので。かぶってたけど、パッとコースが空いたので行っちゃえと思いました。前のレースで海老根(恵太)が勝ち上がってたし、とりあえず3着までにと思ってたし、単騎の分だけ気楽でした。今年初参加の記念で決勝に乗れたし、状態も良いですね」
2着の
有坂直樹
は何はさておき鈴木の走りを褒め称える。
「ホームで(矢口を)合わせたときの脚はすごかったなあ。あの向かい風の中で合わせちゃうんだもん、すごいなと思ってました。僕は(決勝に乗れて)とりあえず良かった。ノリ(佐々木)は止まってる感じだったけど、後ろから気配がして踏んだら出なかった。今日は重たかったなあ」
3着には
佐々木則幸(写真)
が。宮杯では3日目で帰郷とドン底の状態だっただけに、久々の決勝進出に安堵の表情を浮かべる。
「最後は有坂さんとワンツー勝負だと思ってたら(中を割られて)ビックリしましたね。矢口がカマして行って、あとはどのタイミングで行くかだったけど、1センターからは踏んでましたね。今回は(最終日)選抜戦まで落ちるかもと思って来てたのに、この状態で決勝に乗れるとは…。親もホッとしてると思います」
矢口の踏み出しに離れてしまった
藤原憲征
は「後ろの神山(雄一郎)さんに申し訳ない」とうなだれた。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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