『東日本大震災被災地支援競輪 函館競輪開設61周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:6月14日


 本日は、北海道・函館競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・函館競輪開設61周年記念「五稜郭杯争奪戦」(GIII)の最終日・決勝戦が行われました。S班5選手の激突が注目を集めた決勝は、北日本ラインが主導権を握り、伏見俊昭選手が絶好のチャンスをものにして優勝を果たしました。北日本の結束から生まれた優勝劇、久々の記念Vに伏見選手もどこかホッとした表情を浮かべていました。後半戦、ビッグ戦線に向けても、この上ない弾みが付いたことでしょう。

決勝戦 レース経過
 スタートで矢口啓一郎が飛び出し、木暮安由-矢口啓一郎-兵藤一也、佐藤友和-伏見俊昭-山田敦也、市田佳寿浩-大塚健一郎-室井健一で周回を重ねる。赤板前から市田が上昇を開始、打鍾前に誘導を切って先頭に立つと、佐藤が上昇して市田を抑えて先行態勢に入っていく。佐藤の先行で一本棒となり、中団に市田、木暮は7番手になる。最終バックから木暮は捲るも、前団には届かず。直線に入ると、佐藤の番手から抜け出す伏見と、中団から捲る市田、そして大塚の争いになるが、伏見が市田を4分の1輪差制して優勝を飾った。2着に市田、3着に大塚が入線した。


伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
 佐藤友和が先行し、番手の伏見俊昭が約1年ぶりの記念優勝。
「実況がきわどい勝負といっていたので、僕は抜かれたかと思っていましたよ(笑)。勝ち切れて良かったです。今日は本当に(佐藤)友和と(山田)敦也のおかげです。中団から行くことだけ決めて、あとは全面的に信頼して友和に任せていました。友和が一番車だったから、全部やってくれましたね。記念優勝は1年ぶりで、ずっと3着が多かったんですよ(苦笑)。差しきれない、展開をモノに出来ない感じで。これを良い薬にして、また頑張れれば良いなとは思いますね。だんだんグランプリが見えてくると、気持ちも高ぶってくるし、すごく良い優勝を獲らせてもらいました。友和の復調は、本当に大きいと思います。今後はまた三重に戻って、直前は地元に戻って練習したいと思います」。
 なお、「表彰台にあがれば義援金を出すと決めているので」とのことで、今回も伏見選手から函館市を通じて、被災地支援の義援金(30万円)が送られた。

 中団から捲り追い込んだ市田佳寿浩は4分の1車輪届かず2着。
「(佐藤)友和がいった時に、相当に吹かしていきましたね。あれが僕の中ではきつかったです。あけるつもりはなかったけど、あいてしまいました。あとは落ち着いて仕掛けて、最終日が一番、脚を使いましたし、スムーズに出たと思います。これが終わって、明日から合宿なので、また村上(義弘)さんともがいてきますよ」

 大塚健一郎は市田マークから外伸びるも3着まで。
「どんな形であれ、僕は市田(佳寿浩)さんに任せていましたからね。集中していました。相手はいろんな作戦があるだろうけど、僕は市田さんにしっかり付いて行って、自分が出来ることだけをやるだけでした。余裕はあったけど、バックを入れながら直線に入ったので…。それに前も強かったですね。脚が無かったです。ずっとケガをして、レースを走っていなかったから、歪みはくるけど、合間に良い練習は出来ているし、ひとつひとつ積み上げていけば、まだまだ上にいけると思います。自分の中での手応えはあるので、早く昨年の出来に戻していきたいと思います」

 群馬勢の先頭を任された木暮安由だったが、4着(同着)に終わる。
「前受けを決めていて、もう少し早く引けば、もう少し良い展開になったんですけどね。ちょっと見過ぎてしまいました。狙いとしては中団を取って、捲れればいいかなと思っていたんです。(佐藤)友和さんがあそこで流したら、カマそうと思っていたんですけど、先に駆けられてしまいましたね。ちょっとワンテンポ遅かったです。そこが敗因ですね。(佐藤に)見られていました。もう少しうまく組み立てられれば良かったんですけど…」

 市田ライン3番手の室井健一は4着(同着)。
「もっと群馬勢が何かするのかと思っていたけどな。周りが強いから、俺一人だけオッサンみたいなもんだったから、結果は上出来(苦笑)。これからは久しぶりにGI(寛仁親王牌と全日本選抜)が待っているから、ええ感じで慣れて来たかな。やっぱりFIと全然違うからな」

 先行策に出た佐藤友和は6着も、伏見の優勝には大きく貢献。
「(初手は)理想でしたね。木暮(安由)が前で、市田(佳寿浩)さんに一回脚を使わせてからの組み立て。そうじゃないと突っ張られてしまいますから。今日は風向き的にもあそこしか仕掛けるところないと思っていました。仕掛けていけば、うしろはみんなきつくなると思っていたんですけど、バックで自分が一番きつくなってしまって。今日は風が強烈でしたね。でもラインから優勝者が出たので、それは良かったです。ただちょっと長かったですね」

 地元記念初優出の山田敦也だったが7着に終わり、悔しい一戦となった。
「一杯ってこともないですけど、バンクが重かったし、とにかく前が強かったです。市田(佳寿浩)さんも強い、大塚(健一郎)さんも強かったので、脚が溜まるところがなかったです。地元記念決勝に乗れたし、上積みも感じたし、気持ちも乗って良い開催でしたけど、最終日は何も出来ずに終わったので自分の弱さを感じました。これからGIもあるので、また頑張りたいと思います」

 目標の木暮安由が7番手に置かれた矢口啓一郎は為す術なく8着。
「前受けからでした。とりあえず前取って、あとは木暮(安由)のセンスに任せようと思っていました。僕は木暮の動きしか見ていませんでした。前がどうなっているか分からなかったですけど、たぶん普通に駆けたんでしょうね。そうなれば、僕はイチかバチかの勝負だし。でもあの展開では、どこを踏んでも、僕と兵藤(一也)さんはあんまり変わらなかったかな。自分の調子は上がってきているから、来月の寛仁親王牌に向けて、ゆっくり休んで調整していきます」


ゴール




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