『函館競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:7月28日
 函館競輪場を舞台に開催されている開設64周年記念「五稜郭杯争奪戦(G3)」は、28日に3日目を迎えシリーズも後半に突入した。2日目と打って変わり好天に恵まれた函館バンクでは、さらに白熱した戦いが展開された。ファイナルをかけて行われた準決の3個レースでは、SS班の浅井康太の失格もあったが地元勢2人が優出。エース菊地圭尚が、悲願の地元記念制覇に向けて白星を挙げると、手に汗握る戦いにスタンドも沸いた。シリーズもいよいよ大詰め。最終日の29日に決勝戦が行われ、北の大地にファイナルバトルの号砲が鳴り響く。
 本場では、ホテルペア宿泊券などが当たる未確定車券抽選会を行います。また、元競輪選手の高村敦氏によるレース展望なども予定されています。函館競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。
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竹内雄作選手
竹内雄作選手
石丸寛之選手
石丸寛之選手
 池田勇人を突っ張った竹内雄作(写真)が、ハイペースを作り出して果敢に風を切って出る。池田、神山雄一郎の強力関東ラインをつぶした竹内だったが、さすがに直線では失速。石丸寛之のまくりに屈したが、3着でなんとか踏ん張りきった。
 「今日は後ろのタツ(近藤龍徳)の気迫がすごかったです。それであんだけ仕事をしてくれれば、自分は安心して駆けられますね。思ったより早く自分に(先行の)順番が回ってきて、池田さんを合わせないとダメだと思った。あそこで行かれてしまったら、自分たちのラインはなくなってしまうし。突っ張ればひとつのラインがいなくなるんで。(今回は)フレームを戻したことが一番。踏めていますね。それでもまだ改良の余地もあるし。あれであともう4分の1周くらいは踏めるようにならないと。記念の決勝は去年の大垣以来2回目。最近は準決にも乗れてなかったんでよかった」
 ラインの白井圭一郎とのワンツーに、まくった石丸寛之(写真)は満面の笑み。45歳にして初の記念決勝に白井を導いて、気持ち良さそうに汗をぬぐいクールダウンを始める。
 「本当にうれしい。白井さんが乗ってくれたことがなによりです。自分、三宅伸さんの3番手とか。いつも3番手を白井さんは回ってもらっていた。こういう時に恩返しができてよかった。体はきついですけど、いかに体をうまく使うかを考えながら。道中、脚をためることに必死でした」
 前回の川崎F1で落車失格を喫したとは思えない白井圭一郎の今シリーズの動き。石丸の強烈なまくりに2車身遅れて、2着でゴール板を通過した。
 「(今シリーズは)山下一輝君とか石丸君とか(中国地区)ラインのおかげですね。記念の決勝は初めてですよ。(同期の)神山君と一緒に走れるだけでもうれしいのに。あとはもう石丸君は行けそうだったんで、もう(スピードを)ゆるめてくれって感じでした(笑)」

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菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
三谷竜生選手
三谷竜生選手
 飯野祐太が三谷竜生を制して主導権。飯野との連結を死守した地元コンビ。番手の菊地圭尚(写真)は三谷のまくりをけん制しながら、飯野の番手からタテに踏み込み勝機をモノにした。
 「脚も全然問題ないし、緊張感もいい感じで(体と)マッチしている。(飯野)祐太もそこまで調子がいいって訳じゃないのに、よく行ってくれたし。本当にありがたいですよ。自分の調子は上向きだし、ここまで来たら優勝を狙いたいと思います」
 初日特選で中村浩士に2着に割り込まれた再現を見ているように、今度はまくった三谷にワンツーを阻まれた明田春喜
 「自分はもう(3番手で)後ろをしっかりとって思っていました。初日みたいな3着だったんですけど、脚の方はべつに問題はないと思います。目標にしていた決勝に乗ることができたし、明日(最終日)もしっかりと頑張ります」
 飯野に突っ張られた三谷竜生(写真)は、伊藤保文のアシストもあって4番手に入ってからの立て直し。まくりで反撃を試みるが北日本勢を飲み込むまでには至らず2着。
 「伊藤さんを連れて行けなくて…。今日はスタートの位置も自分が想定していた一番嫌な位置だったし。(4番手に入ってからは)もうちょっと早く(まくって)行くべきでした。これも勉強ですね。踏み込んだ時はアタマまで行けるかなって思ったんですけど。明日またしっかり頑張ります」

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小埜正義選手
小埜正義選手
木暮安由選手
木暮安由選手
 周回中は3番手以降で関東勢と浅井康太率いる中近ラインが併走。前受けの小埜正義(写真)が、腹をくくってそのまま先行策。最終ホームで志村龍己にからまれた中村浩士が連結を外して4着に敗れて、小埜の胸中は複雑。
 「落車もあったし素直には喜べない。僕が情けなかった。あれが根田(空史)くらい掛かっていれば、なんてことはなかったと思います。楽々、(中村)浩士さんとワンツーだった。申し訳ないですね。ただ、あそこで(木暮安由に)しゃくられても、ゴールまで踏めているし、自分の感じは悪くないと思う。明日は自分でやります」
 小埜の番手に入った志村がまくって出るも、小埜に張られて不発。。小埜のけん制でできたインのスペースを、木暮安由(写真)が瞬時に突いて2次予選に続く連勝で決勝にコマを進めた。
 「志村君の動きが自分の勝ちにつながりました。後ろはわからなかったけど、もう前(小埜、志村、自分)で決まったと思った…。反応はいいし、(レースは)見えていると思います」
 2着入線の浅井が押し上げで失格。後方から諦めずに追い込んだ内藤宣彦が、3着に繰り上がり優出。
 「寬仁親王牌も敗退したけど、1次予選で繰り上がったし。仕事運がめちゃくちゃいいですね。(レースでは併走になって)たぶんあのままなんだろうなって。あれだったら小埜君の3番手にいた方が良かったんですけど…。(最終)バック9番手だったし、そこからは伸びていると思う。踏めてますね。寬仁親王牌が終わってからは悔しくて、中3日だったけど練習した。それで逆に軽くなった感じがする」
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