『函館競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:11月2日
 函館競輪場開設65周年「五稜郭杯争奪戦」は佳境に入り後半戦に突入。3日目は準決勝をメインに争われた。神山雄一郎は惜しくも4着で敗退となったが、武田豊樹、村上義弘らSS班4名は順当に決勝に進出、また、地元のエース・菊地圭尚もファイナリストの9名に入りました。明日はいよいよ決勝戦。ハイレベルな最終戦にご期待ください。
 なお、最終日も本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。まずは「未確定抽選会」をはじめ、「みなみ北海道あったかグルメブース」、乗って遊ぼう「H5系ミニ新幹線」、七飯町特産品が勢ぞろい「七飯町秋の味覚まつり」など盛りだくさん。そして、最終日には「日本エレキテル連合」が函館競輪場に来場! 1階コミュニティステージ(11:50分頃~、14:00頃~)にて爆笑ライブが行われます。こちらもどうぞお楽しみに。
<10R>
岩津裕介選手
岩津裕介選手
菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
 激戦必至の10レースを制して決勝への切符を一番につかんだのは岩津裕介(写真)だ。レースは北津留翼が斬った上を小松崎大地が叩いてハナに立つと、そのままペースアップして隊列は1本棒のまま残り1周。6番手に置かれた木暮安由や8番手に置かれた柴崎淳は苦しい展開に。最終バックから北津留がまくり上げるも車は進まず北日本で上位独占かと思われた。しかし、北津留に惰性をもらうと、岩津が直線で鋭く伸びて1着でゴール。「久々の1着ですね」と検車場に笑顔で引き揚げる。
 「やっぱり前にいると余裕がありますね。戦える状態にはあるんですけど、少し重く感じたし踏み込んだときにもまだ違和感がある。だから後ろの方になると焦りが出てしまう。レベルの高いところで戦っているからってのもありますけどね。まずは決勝に乗れたので明日もしっかりと」
 地元の菊地圭尚(写真)はここまで未勝利も、2着で何とか決勝への切符をつかんだ。
 「小松崎君の掛かりも良かったから残したかったんですけど…。やっぱり岩津君は脚があるから後ろまで引き込んでしまいますね。1着を取れなかったことより、仲間と勝ち上がれなかったことが悔しい。状態は決して悪くないので」
 「この3着はデカい(笑)」と話すのは加藤圭一。目標の木暮が不発の窮地にもしぶとく突っ込み、3着に滑り込む。
 「記念の決勝は去年の熊本記念以来ですかね? 疲れが抜けて前回よりも状態は良いし久々なので本当に嬉しい」
 その木暮安由は伸びを欠き、馬群に飲まれ8着。
 「体の反応が遅いですね。本当なら行かなきゃいけないけど、岩津さんの視線を感じて見てしまった。気持ちを切り替えて明日頑張ります」

<11R>
橋本強選手
橋本強選手
笠松信幸選手
笠松信幸選手
 村上義弘が圧巻のまくりで3連勝で決勝へ駒を進めた。レースは筒井裕哉が岩本俊介に突っ張られる苦しい展開となったが、筒井が再度仕掛けて力尽きると、自力に転じてバックまくり。後続を5車身引き離して快勝した。
 「筒井君があそこまで行ってくれたので。責任感のある走りをしてくれて、相手に脚を使わせてくれたので。そのおかげで自分が行けた」と後輩の労をねぎらい、頑張りに感謝する。
 橋本強(写真)は最終バックで笠松信幸の後ろにスイッチし、直線追い込んで2着に入る。
 「服部さんが前に踏んでくれたので。笠松さんを飛ばせなかったのは反省点ですね。村上さんは絶対に仕掛けていくだろうからそこを付いて行ければよかったけど。初日はすごくキツかったけど、日に日に良くなってます」
 笠松信幸(写真)は離れながらも村上を必死に追走。最後は橋本に交わされたものの、3着で決勝進出。
 「橋本君にも神山さんにからまれたんでキツかったですね。でも僕もそこで負けたら終わりなので、押し込めるのに必死でした。付いては行けなかったけど、良い勉強になりました。今日が1番感じがよかった」
 岩本俊介は近畿勢を突っ張る好気合ぶり。しかし、早めの仕掛けに最後は力尽きた。
 「突っ張ってから4番(服部克久)が来たのが分かったので合わせたけど、さすがに村上さんまでは無理でした。オーバーヒートしました」
 服部克久は打鐘で巻き返しを図ったが、外に浮いて終了した。
 「村上さんが(筒井を)入れようとしてたんで、ヤバいと思ってカマしました。脚不足でしたね。外併走でへばり付いて、神山さんが張ったときに内に下りるか、後ろからカマしてきたらそっちに飛び付こうと考えてたけど…。(橋本の)前で邪魔する形になってしまいました」
 神山雄一郎はブロックしてから懸命に前に踏んだが惜しくも4着に。
 「岩本君は早めからの仕掛けだったからね。笠松君は前を追ってるから向こうの方がスピードがあったね。飛ばせなかった。俺も脚がいっぱいだった」

<12R>
稲川翔選手
稲川翔選手
山田義彦選手
山田義彦選手
 赤板を過ぎて谷口遼平が前に出ると、追い上げてきた石井秀治と山田義彦で中団がもつれた。山田は3番手を取り切ると、高橋陽介の反撃に合わせてバックから先まくりを放つ。すると、今度は稲川翔(写真)が番手まくりを敢行。稲川は山田と武田豊樹の追撃を振り切り、先頭でゴールした。
 「谷口君が頑張ってくれたし、強かったですね。番手から出なくてもいいと思っていたけど、気付いたら山田君が来ていたんでいくしかないと。最後はキツかったけど、それ以上にキツいことを谷口君がしてくれたんで2着では意味がない。決勝は村上(義弘)さんの番手で頑張ります」
 山田は稲川の後ろに付け直し、その後ろから武田豊樹が追い込むも2着まで。しかし、前回の熊本記念に続き、3場所連続で記念優出を決めた。
 「今日は山田君に任せていましたし、彼が勝つレースをしただけ。でも、頑張りは伝わったんで、切り替えるより最後まで付けようと。岡田(征陽)君まで連れていきたかったですね。最後もアタマまでいきたかった」
 山田義彦(写真)は懸命に食い下がって3着を確保。初の記念決勝の切符を手に入れた。
 「きつかった。まくりにいったけど、車が出なかったですね。脚を回しているしかなかった。内容は悪いけど初の決勝に乗れてよかったです」
 若干21歳の谷口遼平は、強豪メンバーを相手に臆することなく、積極的な競走で見せ場を作った。
 「いきすぎましたね。もう少し落ち着いていけば距離も伸びたかもしれないです。でも、これが今の実力。初の準決で緊張したけど、稲川さんが勝ってくれてよかったです」
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