『青森競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:9月6日

 青森競輪開設69周年みちのく記念競輪「善知鳥杯争奪戦(GIII)」は2日目。二次予選A、B合わせて7個レースで準決勝進出が争われた。平原康多、太田竜馬ら実力者は順当に準決勝へ。そして大活躍した北日本勢は9名が準決勝へと勝ち上がった。3日目は準決勝3個レースで、シリーズのベストナインをかけた最後のサバイバルレースが繰り広げられる。
 3日目は今、大人気の女子プロレス「アイスリボン」が青森競輪場に登場。シングル&タッグのスペシャルマッチを行います。さらにキッズ広場もオープン。ミニ新幹線乗車会やふわふわもりんちゃん、おもしろ自転車―コーナーなどお子様連れでも楽しめるイベントが盛りだくさん。ぜひ青森競輪場へご来場ください。

<6R>

中井太祐選手
中井太祐選手
 後ろ攻めから中井太祐が動いて赤板2コーナーで津村洸次郎を受けると、打鐘過ぎ2センターから津村、坂本周作で踏み合いに。絶好のまくり頃になった中井太祐(写真)が2コーナーから仕掛けて準決勝進出一番乗りを決めた。
 「(好展開を)モノにできて良かったです。うまくモガき合う展開になった。感じもいいですね。何か重たい感じはしますけど、(1着で)気分もいいです」
 小林卓人もきっちりと食い下がって近畿ワンツー。「記念の準優は初めて。展開に恵まれた」と展開を生かしての準決勝進出を喜んだ。


<7R>

伊勢崎彰大選手
伊勢崎彰大選手
 後ろ攻めの酒井拳蔵が赤板で上昇すると合わせて踏んだ近藤隆司は上手く中団を確保。2コーナーで仕掛けた近藤が合わせて番手から踏んだ高久保雄介を飲み込むと、続いた伊勢崎彰大(写真)がゴール前で鋭くとらえた。
 「今日(2日目)は言うことないですね(笑)。初日のこともあったのでどうかなとも思ったけど近藤君が中団を取ってくれて。(近畿の)番手まくりもあると思ったけど、スピードの違いで行ってくれましたね。自分は楽しみなぐらい踏み応えもあったし、準決も展開次第で勝負になりそうですね」
 近藤隆司は後方に置かれた初日を反省するレース運びでしっかりと中団を確保。伊勢崎と千葉ワンツーで準決勝に勝ち上がった。
 「初手で中団を取れたし酒井(拳蔵)君が来たときにスピードが合えば番手とか3番手で勝負することも考えたんですけど、金澤(竜二)君が下げてくれたので。ジャンから緩んだんで後ろからカマされればキツかったですけど、(金澤が)2車だったので来ないかなと。振り切れれば100点でしたけど差されてしまったので10点ですかね(笑)。でも人気に応えられたし初日の修正できたのは良かった」


<8R>

新山将史選手
新山将史選手
 赤板の2コーナーから隅田洋介が上昇すると、合わせて踏んだ藤根俊貴が隅田の番手にはまる。隅田がそのまま主導権を握ると、藤根は別線の動きを見ながら最終2コーナーから番手まくり。続いた新山将史(写真)がゴール前で逆転した。
 「(藤根は)何でもできるし、好きに走ってくれればと。(直線で)後ろを見ていたら踏み直されてヤバいと思ったし、車間を空けなくても大丈夫でしたね。地元でいい目標を付けてもらって、番手を回らせてもらって感謝です。(初の地元記念での準決勝進出に)デキすぎだけど、ここまで来たら欲を出して。これで調子が悪いと言ったら周りに怒られますね」
 藤根俊貴は2着権利の狭き門を突破したが競走内容には納得がいかない様子。
「初日やってしまったので、今日(2日目)は2着権利っていうのもあって初日よりもプレッシャーがあった。結果オーライでしたが、脚とかよりも気持ちですね…。ここにきて中途半端になっているので。3日目は気持ちを切り変えて、やれることは限られてくると思うので頑張る」


<9R>

山本伸一選手
山本伸一選手
 赤板過ぎから先行態勢に入った山本伸一は巧みなペース駆け。中団に入った木暮安由の仕掛けが遅かったこともあり、渡邉一成の8番手まくりも届かず。逃げた山本伸一(写真)がそのまま押し切った。
 「(先行は)後ろ攻めになったんでね。ペースには入れられたし、距離は長かったけど、いいペースでいけた。タツ(近藤龍徳)もしっかり内を締めてくれたし、あれも大きかった。(初日のレース後に感触が良くないと話していたが)今日(2日目)、指定練習でゆっくり周回して、アップでも長めのローラーをしたり。思ってるほど感覚は悪くないかも。気持ち悪いけど自転車は進んでる。今までにない感覚ですね」
 村田雅一が2着に続いて近畿ワンツーが決まった。
 「伸一さんが強かった。2コーナーからも踏み上がってました。僕は木暮が来たので合わせて踏んだ。伸一さんは僕が後ろだといつも強い。抜かれへんと思ってるんでしょうね(笑)。最後抜きに行って、伸一さんが強かっただけで僕も悪くはない」
 バックから好スピードでまくり上げた渡邉一成だったが、3着までが精いっぱい。
 「すんなり山本さんが駆けたら逃げ切りがあるから、その展開にはしたくなかったけど。行けるタイミングはいっぱいあった。ジャン前2コーナーにホームでも行けたけど、(自分たちのラインが2車で)1車分遠く感じた。その分、成田(和也)さんには悪いことをした。ダメな3(着)だなって感じ」


<10R>

太田竜馬選手
太田竜馬選手
 坂本貴史が赤板ホーム過ぎに先頭に立ち、中団が三谷将太、小原太樹で併走になると、そこを打鐘から一気に太田竜馬(写真)が踏み上げて主導権。力強く押し切って、番手の桑原大志とワンツーを決めた。
 「いい感じで仕掛けられた。体は重かったですけど、タイムも出ていたしいいと思いますね。落車前と比べるというよりは、進化している感覚もあるので。準決は暴走しないようにしたいですね。しっかり要所を押さえて仕掛けていきたい」
 桑原大志が太田竜馬をピタリと追走してワンツーを決めた。
 「太田(竜馬)君に付け切れたのは大きいしうれしいですね。太田君は踏み直しもすごかったしこれが太田竜馬かという感じで。自分は前回の伊東から課題を持ってやってこれたし、それがすぐに結果に出て良かった」
 坂本貴史は太田竜馬に叩かれるも3番手で立て直して3着で準決勝へ。
 「先行するつもりで踏んでいたし、来なければそのまま駆けるつもりだった。前々に踏む気持ちでいい位置に入れましたね。3番手に入ってからは後ろが来ないか確認して、冷静に立ち回れたと思う。決勝を目標にやってきているし準決勝も頑張ります」


<11R>

山賀雅仁選手
山賀雅仁選手
 赤板過ぎに誘導員を下ろした天田裕輝を新山響平が打鐘で叩いて主導権を奪う。中団に坂本亮馬が追い上げ、隊列が短くなった最終ホームから桐山敬太郎が巻き返すが、桐山は守澤太志のけん制で不発に。守澤の好援護で北日本ワンツーが決まるかに、桐山後位で脚を溜めていた山賀雅仁(写真)が大外を突き抜けた。
 「1着が取れたのは桐山が仕掛けてくれたおかげ。外を抜けるのはそこそこ脚があればできるけど、初日もだけど番手は難しい。桐山がどうなっているかをずっと見ながら付いていたけど最後は外を踏ませてもらった。踏まなければ1着はないし、難しいですね。初日までは重かったけど、今日(2日目)は軽かった。日に日に良くなると思う」
 2着になった守澤太志だが逃げる新山響平を献身的にガード。3番手、4着の伊藤大志も含めたライン3人で準決勝へ勝ち上がった。
 「ジャンで桐山さんがけん制してきたのが効きましたね。(まくって来た桐山に対し)内も空けられないし、きっちり飛ばせばいいか悩んだ。そのせいで最後に山賀さんに来られた。(自分は)余裕があったし、レースは見えています。ラインで勝ち上がれたのは良かった」


<12R>

平原康多選手
平原康多選手
 吉田拓矢が先行態勢に入り、内をすくった小川真太郎が中団に収まると、7番手になった小埜正義は奇襲の打鐘過ぎカマシ。吉田は番手に飛び付き、中団に下げた平原康多(写真)は1コーナーから自力に。海老根恵太を飛ばした吉田がバックからまくると、平原は番手に付き直してゴール前で逆転した。
 「もう行かなきゃいけないと思って。波はあったけど、越えれば拓矢とドッキングできると思った。バックを入れて(吉田後位に)入ったんで、正直抜きはないかなと思ったんですけどね。あれは2回やれって言われてもできないです。たまたまタイミングがドンピシャだっただけ」
 最終ホームでは空中分解してしまったラインが再度バックでドッキング。2着の吉田拓矢も苦笑いでレースを振り返る。
 「(小埜は)追い上げかなと思って、カマシとは気づかず対応が遅れた。引く気はなかったです。バックでドッキングしたのは分かりました。正直、情けないレースになってしまったけど、攻める走りはできてるかな」
 鹿内翔も平原の仕掛けにきっちり食い下がってラインで上位独占を決めた。
 「平原さんの踏み出しに合わせて踏もうと思った結果です。平原さんが絶対1着を取るから、付いていけば2着か3着はあると思った。地元記念の準決勝は初めて。3回目でやっと、3度目の正直です」