『青森競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:9月24日

 青森競輪場で開催されている開設71周年みちのく記念競輪「善知鳥杯争奪戦(GIII)」は、9月24日に2日目が行われた。二次予選の7個レースで勝ち上がりが争われ、地元からは坂本貴史、嵯峨昇喜郎の2人が準決進出を決めた。9月25日の3日目は、決勝のキップを巡り準決で火花が散らされる。
 なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策に伴い今シリーズは無観客での開催となりますので、ご理解をお願いいたします。テレビ、インターネット中継などでの観戦をお楽しみください。

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佐々木雄一選手
佐々木雄一選手
 松岡篤哉が先制し、地元の坂本貴史は打鐘で7番手。松岡がペースを上げると、坂本はいったん空いた中団へと追い上げる。菊池竣太朗と中団外併走になった坂本は、最終2コーナーからまくり上げて前団をのみ込むと、追走した佐々木雄一(写真)が鋭く差し切った。
 「(最終ホームで菊池)竣太郎が遅れ気味だったので、(坂本は)中団に入る感じになってましたね。自分は比較的余裕をもって走れていました。状態も変わらずいい感じです」
 まくった坂本貴史が2着で地元記念の準決にコマを進めた。
 「アップから昨日(初日)よりもいい感じだったし、発走機に立った時にイケるなっていう根拠のない自信があった。(最終ホームで)中団でちょっと休んで、踏み出した時に行けるって思った。(山口)泰生さん(のブロック)が厳しいのでからまれないように上をいきました。昨日(初日)はセッティングとか、アップでの体のつくり方とか、練習の感覚と違う部分があったけど、今日(2日目)はアップからいい感じで体をつくれた。セッティングや体の迷いはなくなった。準決が地元記念の壁なのでそこを乗り越えたい」


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岡村潤選手
岡村潤選手
 初手で4番手を取った小畑勝広は、相笠翔太、大西貴晃の順で切ったところを打鐘手前で叩いて先制する。後方から南潤が巻き返すが、最終ホームで外に浮いて不発。最後は小畑の番手から岡村潤(写真)が抜け出した。
 「(小畑が)2車であそこまで頑張ってくれた。南君を合わせ切ったあとに東口(善朋)さんがまくりに来ると思ったので構えたんですけど、来なかったのでギリギリまで待った。先に踏まれるとのみ込まれるので、引きつけて踏みました。昨日(初日)がちょっと情けなかった。小畑君が頑張ってくれたおかげで持ち直せました」
 東口善朋は目標の南が叩き切れずとも、俊敏に3番手外の位置に切り替える。最終4コーナーから外を踏み、2着を確保した。
 「(南)潤の好きな形にと思って(初手は)前からでした。ワンポイントで仕掛けられるところで仕掛けられればと思っていました。(南は)力勝負をしてくれましたけど、小畑君に見られていた。気持ちは入っていたと思うんですけど。自分はちょっと見過ぎてしまって修正点がありますね。最低限のことはできました。コンディションは問題ないと思います」


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吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 後ろ攻めの藤井侑吾は、中団の松本秀之介にフタをしてから赤板の2コーナーで踏み上げて先行態勢に入る。番手の吉田敏洋(写真)は間合いを取って別線の反撃に備える。最終4コーナーを無風で回った吉田が、余裕を持って抜け出した。
 「(藤井)侑吾は僕のなかではまだまだやれる。このクラスで一緒に走れて自分らしいレースで出し切ってくれた。富山記念で決勝3着になった時よりも自分の力で走り切っている感じがする。明日(3日目)以降は彼も他の自力選手からマークは厳しくなると思うけど、それをどう乗り越えて強くなるのか楽しみ。中野(彰人)君を3着までに連れ込めなかったけど、侑吾とワンツーで良かった。初日に厳しいレースをしたから体は軽く感じた」
 藤井侑吾は練習仲間の先輩を背に果敢に風を切り、自身も2着に逃げ粘る好走を披露した。
 「理想の展開で作戦通り。(吉田が後ろで)プレッシャーだったけど、なんとか決まって良かった。愛知の大先輩で初連係だったので緊張した。切ったら流さずに行こうと思ってたし、松本君を後ろに置きたかった。2日間先行できていて、初日よりも調子は上がっている。いい感じです」


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東龍之介選手
東龍之介選手
 後ろ攻めから押さえた岩谷拓磨を、武田亮が打鐘で勢いよく叩いて先頭に躍り出る。いったんペースを緩めた武田は、小玉拓真の巻き返しに合わせて再度ペースアップ。武田の番手で好展開を迎えた東龍之介(写真)が、直線で差し切って1着。
 「いい先行をしてもらえてよかったです。想定通りの展開で駆けてもらって、掛かりのいい先行でした。バック本数が物語っているけど、強かった。(最終2センターで)池田(良)さんが見えて、昨日の今日だったし、(2日目は)あの展開でまた取りこぼせないと思った。自転車とかはそのままだけど、昨日(初日)の反省を生かせた。いい勉強になりました。感覚は昨日よりもいい。疲労している状態で入ったので、明日(3日目)はもう少しよくなると思う」
 小玉が武田を叩けず最終1コーナーで外に浮いて後退すると、番手の池田良は伊藤大彦のアシストもあって4番手の位置に降りる。池田は後方からまくる岩谷の仕掛けに合わせて最終3コーナーから車を外に持ち出して2着に入った。
 「小玉君が期待以上の走りをしてくれた。(打鐘過ぎ3コーナーで)いつもなら見てしまうイメージなんですけど、早目にアクションを起こしてくれた。伊藤さんに入れてもらえたし、気持ち早くいかないとと思って仕掛けた。アタマまではキツかったけど、粘れた方ですよ。久々の仕事ですし、明日(3日目)が勝負ですね」


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吉澤純平選手
吉澤純平選手
 前受けの吉澤純平(写真)は、赤板で押さえにきた才迫開を突っ張って出させない。先頭をキープした吉澤は、打鐘でカマした櫻井祐太郎ラインを今度は受けて中団を確保。吉澤は最終2コーナーから豪快にまくり上げて1着をゲットした。
 「(スタートは)前を取らされるかなって。後方になったら厳しいと思ったので、ああいう感じになりました。(赤板で突っ張った)あそこが勝負でしたね。いまのデキで後ろになったらイチかバチかになってしまう。いまの競輪は厳しい。昨日(初日)は後ろになってしまってイチかバチかになってしまった。(調子は)そこまで悪くなかったんですけどね。佐藤(和也)さんも車間を空けていたのでギリギリでした。遠かったです」
 突っ張られた才迫は7番手に下げて態勢を整える。才迫が最終3コーナーから外を踏み上げると、そのだ性をもらった山中貴雄が直線で2着に強襲した。
 「1回押さえてレースを回してと思っていたんですけど、切らせてもらえなかった。今日(2日目)のレースも見ていて、まくり追い込みが決まっている感じでしたけど、キツかったですね。自分的に結構待ったんですけど、早めにいっても2着かなって感じでしたね。(調子は)悪くはないと思います」


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上田尭弥選手
上田尭弥選手
 中団から木村幸希が先に切って先頭へ。上田尭弥(写真)は7番手から打鐘の2センターで外をカマして、最終ホームではマークした山田英明と共に出切る。グングンと加速した上田は、そのまま失速することなく最後は山田すらも振り切った。
 「打鐘過ぎのところで踏めばラインで決まるなと。木村さんも駆けることはない感じで、自分待ちだと思った。ペースで踏んで、最後はタレてしまったので修正しないと。初めて山田さんを背負って逃げ切れてワンツーなのでうれしい。周回中も楽で、1周半ならいける感じがある。脚もフレームもいい感じ」
 山田英明は上田との車間を切って別線をけん制。だが、上田の想定外の踏み直しに思うように車間は詰まらず、差し切るには至らなかった。
 「上田の踏み直しがすごくて。思い切っていってくれてタレると思った。自分のなかで上田と間合いを取っていたけど、すごい踏み直しだったし今回の上田は調子いいんじゃないかな。後ろに木村君が入っていて、キレもいいから注意しながら見過ぎてしまった。自分の踏み出しもあまり良くなくて修正が必要。体の重さは取れたけど、踏み込みのキレが悪い。ゆっくり休んで、どれだけ回復できるか」


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伊藤信選手
伊藤信選手
 前受けから下げた深谷知広は、打鐘から一気の巻き返しに出る。だが、深谷マークの永澤剛が離れてしまう。関東勢を追っていた伊藤信(写真)は、内に降りた永澤に絡まれていったんは7番手まで車を下げて態勢を整える。別線に目標にされながらも深谷がそのまま逃げ切るかに思われた。が、最終2コーナー過ぎから仕掛けた伊藤のまくりがゴール寸前で届いた。
 「組み立ては走りの通り。深谷君は構えないだろうし、河合(佑弥)君とモガき合ってくれればと思っていた。(永澤が)自分のところに降りてくるとは思わなかった。でも、そこまで締め込まれる感じではなかったので勢いは殺さずにいけました。感触はいいですね」
 ラインの援護を失った深谷知広は、懸命に踏み直すも伊藤のまくりに屈して2着。
 「(スタートで)前を取らされると思っていたし、どう組み立てるかでした。先行するのか、まくりに構えるのか。(主導権争いの)相手が河合君になるだろうとも思っていた。(後ろが離れたのを)ホームで出切る前に確認して、若干待ちながら回していたけど、結果的に後ろを気にしている場合じゃないくらいの調子だった。現状の練習量だと粘るのは厳しい。練習量が減っているので体力的なことが厳しい」