『青森競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 前検日編
 
配信日:9月21日


 9月22日(土)から25日(火)まで、青森競輪場で開設57周年記念みちのく記念競輪 善知鳥争奪戦(G3)が開催される。北日本勢は地元の坂本勉、高谷雅彦、佐々木健司らを筆頭に、有坂直樹、佐藤友和ら強豪がズラリ。他にも山田裕仁、荒井崇博、合志正臣、渡辺晴智や、追加の小野俊之、浜口高彰ら豪華な顔ぶれがそろった。パワー、スピードのみなぎる白熱した攻防を、是非とも本場まで足をお運び頂き御覧下さい。
  尚、場内イベントも満載で、明日22日(土)は吉岡稔真氏によるトークショー、競輪選手との対決コーナー、青森支部選手主催のチャリティ・オークション等が行なわれます。こちらのほうもどうぞお楽しみに。


<1R>
 オープニングレースを走る橋爪亮は今年特進後、S級戦で先行1着がまだ一度(7月四日市記念)しかない。それでも常に主導権取りに徹する姿は見ていて勢いを感じさせる。
  「A級時代から先行に拘っていたのは、A級でやっとかないと、上で通用するわけがないと思ったから。今は確かに白星が付かなく、歯がゆさもあるけど、今やる事はやっておかないといけませんからね」


<2R>
 2レースの内村豪にとってここは思い出深いバンク。昨年の当所記念で、弟子の上吹越直樹と初めてワン・ツーを決めているのだ。
  「初の連係だったし、嬉しかったですよね。彼とはその後別の場所で1回連係したけど、その時は僕が着外だった。今年も頑張りたいけど、最近はオーバーワークが続いて夏バテ気味なんです。ここ数場所はそれが影響していますね」


<4R>
 4レースの服部克久は今期が初のS級。A級時代は抜群の機動力で攻勢を続けていたが、S級では予選突破に苦戦している様子。それでもテーマを見つけながら、日々練習に取り組んでいる。
  「上位で戦うには、トップスピードと地脚を付ける事を中心に取り組まねばいけないと気が付き、そこを集中して練習に取り組んでいます。ここへ来る前にも、4日間程ですがじっくり練習してきました。先行でも、まくっても良い感じだったし、実戦でどれだけ試せるか楽しみですね」


<5R>
 5レースの五日市誠はS級昇格後、初の地元戦が今開催となった。まだ記念での白星が無く、是非とも地元で見せ場を作りたい。
  「ここ数日は雨が酷かったし、私用もあったりしたからまとまった練習時間が取れなかった。記念だからとかでは無く、いつも通りの力を出せれば…。目標は最終日特選ですね。一歩一歩地道に行きます」
  滝沢正光は前回の9月広島Sで久々の優参を果たした。8月松戸記念初日の白星以降、不屈のベテランは復調急だ。
  「(優参は)展開があってこそだけど、乗れたのは嬉しかった。良い手応えを感じています。明日は小島(寿昭)君と一緒だけど、彼はいつも主導権を取るレースに徹してくれる。何度も連係しているし頼りになりますよ」


<6R>
島田竜二選手
島田竜二選手
   6レースからは選抜戦。ここでは、昨年の当所記念の覇者島田竜二(写真)が登場。オールスターでは平凡な成績に終わったが、ゲンの良い当所で立て直しを図れるかどうか?
  「もう一年か、早いなあ。最近、状態は今ひとつだけど練習はきちんとやっている。オールスター前にも熊本で合宿を張ってきた。その時に参加していた田中(誠)君が今回は一緒だし、頼りにします。彼との連係は2回目。昨年も今回も合志君と守田さんが一緒。相性を感じますね」


<7R>
小橋秀幸選手
小橋秀幸選手
   7レース、期待を集めるのは小橋秀幸、伊藤大志の地元コンビ。9月和歌山Sの決勝では先導役の及川裕奨の番手から抜け出した小橋が直線で追い込んでV。小橋マークの伊藤も2着に続き両者でワン・ツーを決めた。準決勝でも伊藤先着でワン・ツーを決めており、連係実績は抜群だ。小橋秀幸(写真)は「和歌山Sの開催前に行なった合宿の効果がすぐに出ましたね。今回は地元記念だからといっても、あまり意識しないようにしている。それにしても伊藤君との連係はいつも気持ち的に楽ですね」と好相性を強調。伊藤大志も「坂本さんとの合宿で充実した練習をこなせている。(小橋さんとは)8月の松戸記念から今回まで4場所連続して一緒。今回も良い結果を残したいですね」と気を引き締める。


<8R>
佐々木健司選手
佐々木健司選手
   8レースの佐々木健司(写真)は「最近は400バンク1周を22秒で駆けられるなど、身体の状態がとても良い。今は選手になって最も充実している。目先の結果にこだわらず、自然体でレースに望めている」と充実している体感を説明する。どっしりと構え、地元戦で意地を見せ付けたい。
  芦沢大輔は、今まで使用していた「ビバロ」のフレームが使えなくなり、急遽新たなフレームで対応する事に。調整にも四苦八苦しているようだ。
  「使っていたフレームが使えなくなり、デビュー前に使用していたフレームを急遽持ってきました。今まで練習でも使っていなかったし、実戦でも初めて。踏む位置や特徴が全くつかめない。ぶっつけ本番になりそうです」


<9R>
矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手
   9レースからは特選3個レース。後閑信一は久々の実戦となったオールスター戦では平原康、矢口啓と連日好目標に恵まれて、初日、二日目の予選を白星で突破した。
  「(オールスターでは)案外すんなりと実戦に対応できた。感覚も悪くないし、ある程度手応えもあった。再確認しながら」とレース勘に鈍りは無さそうだ。
  前を任された矢口啓一郎(写真)もオールスター明けの参戦。
  「夏場は配分が詰まっていたけど、状態や身体のデキは万全に良かった。自分のタイミングで行ければ、自信を持って駆けられるんだけど…。今回も絶対に決勝に乗りたいですね」
  合志正臣荒井崇博の九州タッグもオールスター明け。荒井は「移動やら何やで練習が全然出来なかった。走ってみない事にはわからない」と具合に不安を残す。対照的に合志は「時間は無かったけど、しっかり練習してきましたよ。去年の記念でも決勝に乗って3着だった。昨年の分もやらなきゃね。気合入ってますよ」と意気盛ん。
  山田裕仁も「時間も無く、大した練習が出来ていない。だけど調子自体もそこそこ良いし、バンクとの相性も悪くない。走ってみてどれだけ感触をつかめるかだね」と状態を確かめながらの競走になりそうだ。


<10R>
高谷雅彦選手
高谷雅彦選手
   10レースの高谷雅彦(写真)は、オールスター初日に、緩急つけた巧みな先行策を披露して、ペースで駆けて押し切った。タテ脚の冴えをアピールしたが、今回は好目標を得て番手からの組み立てだ。 
  「明日は祐太がいてくれて良かった。彼と連係するのは2回目だけど、ダッシュも良いし強いのは分かっている。地元で何とか見せ場を作れれば最高ですね。中3日だったし練習は調整程度しかしていない。でもオールスター組はみんな条件は一緒だし、それを言い訳には出来ないでしょう」
  急遽、追加配分となった小野俊之は「この先、配分が止まってしまうからどうしても走っておきたかった。良い追加でした。オールスターでは、調子が良いのに結果を残せなかっただけに、今回は力を出し切りたい」と消化不良だったオールスター戦の雪辱を誓う。
  石丸寛之は9月京王閣Sで新フレームを採り入れてから白星攻勢を続けている。オールスター戦でもまくりを連発して3勝を挙げ、存在感を発揮した。
  「今年はケガが無く、コンディションを維持しながら走れているから、行くべきところで身体が上手く反応できている。オールスターでは3勝したけど、それでも準決勝で勝たないと駄目ですよね。ここまで実質中2日で、あまり練習ができていない。今回はクランクを長くしてみたりと色々試しながら走ってみたい」
  五十嵐力は「身体の状態は良いのに、成績とうまく噛み合わない。立て直す良いきっかけがあれば…」と再浮上を目指し、手探りを続ける。


<11R>
佐藤友和選手
佐藤友和選手
   11レースで人気を背負うのは佐藤友和(写真)。オールスター後からの僅かな期間は、リフレッシュに充てたようだ。
  「オールスターの決勝戦は、やりたい事が出来なかったわけだし悔いが残った。数日ゆっくりと休んで、自分の中では切り替えを図ってきた。決勝の事もそうだけど、レースでの失敗をどれだけ次に活かせられるかが自分の中のテーマになりそうです。今回はあれこれ作戦を考えず、気負いの無いレースに徹したい」
  坂本勉は、6月観音寺Sの優参以降、状態が今ひとつだったが、8月に入り状態を立て直した模様で、函館ふるさとでの予選2連勝を挙げると、翌開催の川崎SでV。直後の静岡Sでも優参を果たすなど近況は充実。オールスターでは無念の途中帰郷となったが、調子自体は悪くない。
  「オールスター前に、ここへ向けた合宿を伊藤大志らと行なってきた。地元だし他の記念とは訳が違う。この先に中5~6日で共同通信社杯もあるし、過密な日程の中で良い結果を出すにはどうすればいいかを考えながら練習してきた。見せ場を作らないと」
  稲垣裕之はオールスター初日に落車。期間も空いておらず、状態が気になるところだ。
  「身体、フレーム共に影響はありませんでした。良い仕上がりで臨んだだけに残念でした。オールスターの分も頑張ります」
  急遽、追加配分となった浜口高彰は「一昨日、連絡が来ました。飛行機が満席で、新幹線を乗り継いでここまで来ました。疲れましたね。でも出るからにはしっかりやります。明日は幸いにも稲垣君と一緒。連係回数も多く、相性も良い。彼は強いから安心して任せられる」と稲垣に全幅の信頼を寄せる。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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