『青森競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:9月22日


 青森記念はいよいよクライマックス。ファイナリスト9名を決定する8Rからの準決勝A・B・Cをメインに、サバイバルレースが繰り広げられた。北日本の大駒が次々と脱落する厳しい展開となったが、地元からは小橋秀幸が優出。平原康多、山田裕仁、石橋慎太郎といった強豪もしっかりと勝ち上がり、明日の決勝戦は見応え十分だ。
  最終日はイベント盛りだくさん。「大西ライオン」と「スリムクラブ」によるお笑いライブ(11:48~ 15:16~)、12:16からはすぴ☆Ritsによるエキシビジョンレースなどが行われます。ぜひ青森競輪場にお越しください。


<8R>
山内卓也選手
山内卓也選手 井上昌己選手
井上昌己選手
    1着のみが決勝に進める狭き門を突破したのは山内卓也(写真)。4コーナーから、持ち味の巧みなコース取りと差し脚で突き抜けた。
 「離れちゃいましたけどね(苦笑)。千切れ追い込みって感じです。4コーナーでうまく9番(十文字貴信)をさばけたのが大きかった。今は色々と試している時期なので、勝ち上がり戦で1着が取れると次につながります。記念の決勝は高知記念以来ですね」
 井上昌己(写真)は突っ張り先行。今シリーズは積極的な動きが目立っている。
「今はセッティングを含めて試行錯誤している段階なんです。調子は見てのとおりなんですけど、とにかく力を出し切るレースを心掛けて走ります」
 3着の豊田知之は「あの展開で突き抜けられないんじゃ駄目ですね。頭では1着に届いてるイメージがあるんだけど、抜きにいってからの伸びが全くない…」と頭を抱える。


<9R>
池田良選手
池田良選手山田裕仁選手
山田裕仁選手
   池田良(写真)は今回のシンデレラボーイ。山田裕仁、岡部芳幸といった錚々たるメンバーを相手に大金星を挙げた。
  「まさか行けるとは思わなかった。緩んだから行っただけで、まだ信じられないですよ。出切った後も、後ろに強い人がいるのは間違いないから交わされるかどうかヒヤヒヤしてました。もちろん決勝戦は初めて。力を出し切れればいいですね」
  山田裕仁(写真)は何とか2着を確保。
  「早めに押さえに来たら引いてカマす作戦だったんですけどね。あそこじゃ笠松も行くしかないでしょう。打鐘から行ってるんで1コーナーではスピードが落ちていたけど、まくりに行ったらインに入られると思って、ずっと閉めてました。岡部が切り替えてきたのも見えてましたしね。6番(池田)が来るのは想定外でした。明日は山内君とのレースですけど、初日に失敗しているんで、しっかり自分のレースで頑張ります」
  敗れた岡部芳幸は「山田さんが出て行ってくれないし、紫原さんが内に入ってきたのも気になっていた。でも自分に思い切りがなかったですね」と敗戦を反省する。


<10R>
石橋慎太郎選手
石橋慎太郎選手平原康多選手
平原康多選手
   ハイスピードバトルが繰り広げられた。小埜正義が打鐘カマシ先行で主導権を握ると、中団は湊聖二と平原康多で取り合いに。最後はバックから石橋慎太郎(写真)が番手まくりを打って1着をもぎ取った。
   「小埜さんには普通に駆けてくださいと話したんですが、気を使って早めに行ってくれましたね。しかも、飛び付かれないようにカマシ気味で行ってくれましたから。その出脚に付いていくのでイッパイでしたよ。最終バックでまくりに行ったときも車が出なくて、小埜さんが待避してくれてようやく前に出れた感じです。いつも後ろを走ってくれている人の気持ちが分かりましたよ。今日は他力のレースだから休めるかなと思ったんですが、自力と変わりませんね。疲れました」
 平原康多(写真)は危うくインに詰まったまま終わるところだった。
  「下げるタイミングじゃなかったから中団にこだわりましたけど、それにしても危なかった。今回は相手が二段駆けばかりでキツイですね。運だけで勝ち上がったようなものです」
 小倉竜二が3着で入線。しぶとく決勝に乗ってきた。
「展開は最悪やったけどね。あんな中団を取り合いして、南関勢のいいようなレースになってしまった。湊が前々に行ってくれたおかげで何とか伸びた感じ。道中の踏んだり止めたりで脚はきつかったけどね。今回は追加の割に踏めてると思います」


<11R>
兵藤一也選手
兵藤一也選手小橋秀幸選手
小橋秀幸選手
   三和英樹が大カマシで後続を引き離したが、3コーナーで三宅達也が何とか追い付いた。このまま西国勢のワンツーかと思われたが、吸い込まれるように中バンクを伸びた兵藤一也(写真)が中割りを決めて1着。
  「踏み遅れて(佐藤)友和に入られちゃったね。追い上げなきゃとは思っていたんだけど、スピードが上がって、そういう展開にならなかった。でも、レースの流れは見えているんで調子は問題ないですよ」
   小野俊之は三宅達也に「オレの抜き方が悪かった」と詫びた。
  「レースは読み通りだったんですけどね。いつもの感じで抜きに行けば兵藤は外を踏むしかなかったから(三宅を)残せたと思うけど、インに入ってきた気配を感じて締め込めなかった…。調子自体は問題ないし、大きいレースほど気持ちが盛り上がるので明日も行けると思います」
  3着に飛び込んだ小橋秀幸(写真)は、これが初めて記念決勝となった。
  「地元だし本当に嬉しいですよ。今日はあんな展開になってしまったし、脚に余裕もあったから思い切って外を踏みました。(佐藤)友和が踏んでいくときに、良い目標になってくれた。車も出ているし、調子はいいみたいですね」
  今シリーズの佐藤友和は、歯車がかみ合わない。今日は想定外の誘導ペースにもくろみを崩された。
  「今日のスタートの位置なら、後ろの二つのラインが斬ってくるだろうから、最終的に僕が行って先行できるはずだったんですけど。誘導が上がったから、三宅さんが叩いて、その上を三和さんがカマして終わりになっちゃいました。最終ホームからはヒラメキだけで走りました。ずっと考えながら走ってたから頭が疲れました。青森は相性が悪いな…」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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