『青森競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:9月20日


 青森競輪開設60周年・みちのく記念競輪G3「善知鳥杯争奪戦・オッズ・パーク杯」は9月20日に全日程を終了した。注目の決勝はV戦線をリードする北日本勢と、今節好調の近畿勢の両ライン2段駆け対決が焦点に。レースは山崎芳仁が力に任せて近畿勢を叩いて発進すると、佐々木則幸の動きに合わせて佐藤友和が番手まくりを敢行し、地元優勝を手にした。

決勝戦 レース経過
 号砲が鳴ると、すかさず北勢が前受け。山崎芳仁―佐藤友和―成田和也で並び、中団には佐々木則幸―西田雅志の中四国コンビ、中野彰人―川村晃司―山口富生の近畿中部勢に単騎の神山雄一郎が続いて後攻めとなる。
 青板3角で中野が上昇を開始。山崎も車を外に持ち出して牽制するが、中野はその上を押さえて赤板から主導権を握る。山崎はすんなり引いて5番手を確保し、佐々木は動かず8番手に。打鐘あたりから徐々にペースを上げていく中野に対し、山崎も2センターから早くも巻き返して出る。懸命に踏み込んで抵抗した中野だったが、2角入り口で山崎が叩き切った。北3人でそっくり出切るも、間髪入れずに直後から佐々木のまくりが襲い掛かる。これに、佐藤はバック番手まくりで応戦。一瞬、成田が離れ、佐々木は佐藤の番手にはまりかける。しかし、内から盛り返してきた成田に3角でさばかれて佐々木は後退。このまま直線に入り、佐藤が力強く押し切って地元記念制覇を達成した。成田が2着に続き、3着には大外強襲の川村が入る。


佐藤友和選手
佐藤友和選手
 88期同期の絆は堅く、山崎芳仁の思い切った先行策と成田和也の援護射撃を受け、佐藤友和が嬉しい地元優勝を達成した。
 「ホームで山崎さんの車輪がブルブルしてスリップしてたけど行ってしまいましたね。あの掛かりでは後ろから誰も来ないと思ったけど、万が一被ってしまったらマズいんで後ろを確認したら佐々木さんが来てたんで番手から出ました。地元優勝はもちろんですけど、今日は2人の気持ちが嬉しいですね。3人で同じ開催になれば同期で一緒に走りたいと話してたし、僕はいつも2人に可愛がってもらっているんで。本来なら僕が前で走るのが筋だけど、今回に限っては山崎さんが『俺が前でやるからあとは好きにしろ』と言ってくれたし、成田さんもそれを了承してくれたんで、ホントに2人の先輩の気持ちが嬉しかったですね」
 8月小田原記念で落車し、次のオールスターでは2次予選で敗れたが、今回は短期間ですぐに修正。勢いを取り戻した。GP出場を決めている佐藤だが、今後の課題は残っている仕事をしっかりこなすこと。
 「とりあえず一戦一戦大事に戦って、少しでも多く北日本勢をグランプリに乗せること。それと一人でも多くSS班にすること。余裕のある今のうちに頑張りたいですね」

 成田和也は2着に入ったが、離れた点を反省する。
 「すぐに佐々木さんが来たけど、友和はまだ踏んでなかったから(佐々木に)当たりに行ったんです。その瞬間に前が踏んだんで離れてしまった。交わすのは厳しいと思うけど、仕事をしてもしっかりと付いていかないとだめですね」

 川村晃司も表彰台入りしたものの、ガックリと肩を落とす。
 「山崎君が早めに来たのもあったけど、中野君が行ってくれたのにホームで出られなかった。中野君の気持ちに応えられなかったし、後ろの山口(富生)さんにも迷惑をかけてしまった」

 近畿後位から挑んだ神山雄一郎は予想外の展開に泣いた。
 「中野がジャンでフカしたけど、2センターで1回流したんでね。俺にとってはあれがキツかったね。まあラインではないし仕方ないところなんだけど。でも、武田(豊樹)が欠場してここまで来れたんだから納得ですよ」

 佐々木則幸も絶妙のタイミングで仕掛けたが…。
 「今日は気付かれる前に(まくって)行けるかダメかの勝負だったけど、友和に気付かれたね。サラ脚でいけたけど、タイトルホルダー2人の2段駆けではね。今日は相手が強すぎた。でも、今回は収穫があったし、あれだけ戦えたんだから自信になりました」

 西田雅志は4コーナーでは表彰台が見えたが、「成田の内と思ったけどアカンかった。踏むところがなかったし、ずっと詰まってたんで。残念です」と悔しがる。

 逃げた山崎芳仁は力を尽くしたレースに満足げ。
 「今日は見せ場を作って、それで残れればと。バックではもう一回踏む力は残ってたけど、佐々木さんが来てたし出てもらうしかなかったね。自分の仕事はできました」

 中野彰人は「流してたというか…」と呆然。「緊張はあったけど、何かもう掛かりもしなかったし。迷惑をかけてしまいました」

ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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