『青森競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:9月4日
 青森競輪開設62周年記念みちのく記念競輪「善知鳥杯争奪戦」は9月4日、4日間に渡る熱戦に幕を下ろした。注目の決勝戦は長塚智広が切り替え策から直線一気。無傷の4連勝で5月宇都宮に続き、今年2度目の記念Vを飾った。
決勝戦 レース経過
 号砲で飛び出した平原康多が正攻法に構えると、1番車の成田和也は中団を確保。平原―長塚智広―中村淳―佐藤友和―成田―佐藤康紀―新田康仁―望月永悟―坂本亮馬の並びで周回を重ねる。
 まずレースを動かしたのは新田だった。赤板ホームからゆっくりと上昇を開始すると、あっさりと車を下げた平原に代わって打鐘前で先頭に。そこを佐藤友がすかさず叩くと、平原の巻き返しも早く4コーナー山おろしで北ラインに襲い掛かる。これをホームで成田が大きくブロック。たまらず平原は失速し、長塚は中団外併走でチャンスを待つ。新田をキメた長塚はバックで単独の4番手を確保。単騎の坂本は3コーナーからまくって出たが、外にスライスして不発。4コーナーを立ち上がり、逃げる佐藤友後位から成田が抜け出すが、優勝をさらったのは長塚だった。2センターから先に踏み込むと、外を鋭く伸びて完全優勝。3着には逃げた佐藤友が粘り込んだ。


長塚智広選手
長塚智広選手
 長塚智広(写真)が無傷の4連勝でみちのく記念を制した。楽な展開ではなかった。目標の平原康多が最終ホームで成田和也の強烈なブロックをもらって失速。しかし、新田康仁をキメて4番手に切り替えると、最後は電光石火の差し脚を爆発させた。
 「3連勝で運を使い果たしたと思っていたので、本当に信じられません。記念の完全優勝はたぶん初めて。平原君のおかげです。無理やりいってくれたんですけど、ブロックをもらってしまいましたからね。あとは新田さんが強いので、新田さんに対抗してどこまで戦えるかと思いました。最後は成田君が伸びてたので、まさか1着になるとは思わなかったですけど、お客さんの声援が聞こえてもう一度踏み直すことができました」
 次走は前橋オールスター。大きな弾みが付いたのは間違いない。「優勝できたし、最高の形でいけると思います」初日のドリームレースから武田豊樹との強力タッグでファンを魅了する。

 北日本SSコンビは強い絆を示した。佐藤友和が逃げて、成田和也は番手で厳しいさばきを披露した。
 「(佐藤)友和が頑張ってくれました。ワンツーなら最高だったんですけどね。平原君にいかれては厳しいので、必死に止めるしかなかった。新田さんが併走になっているのが分かったし、バックはいい感じにかかっていたんですけどね。最後は脚負け。今回は連日、長塚君に負けてしまった」

 佐藤友和は先行に迷いがなかった。成田の献身的な援護にも助けられて3着に逃げ粘った。
 「強い2人を相手にまくりでは厳しいですからね。雨が上がってバンクも軽くなっていたし、先行しか考えていなかった。もうちょっと自分の調子が良ければ他のことも考えたんですけどね。成田さんに後ろで仕事をしてもらえたおかげです。成田さんの審議がセーフで良かった」

 猛スピードで北日本勢に襲いかかった平原康多は成田の強烈なブロックの前に沈んだ。
 「今日は力勝負をしようと考えていました。成田さんはすごいですね。あれをやられたら無理。でも、あれを乗り越えるぐらいじゃないとダメですね」

 新田康仁は見せ場を作れなかった。
 「打鐘ガマシで、そのままハイペースに持ち込むのが理想だったんですけどね。うまくいかなかった。中団で長塚にロックオンされて、しのげなかったです」


ゴール
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