『青森競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:9月30日
 青森競輪場を舞台に開催されている開設63周年みちのく記念「善知鳥杯争奪戦(G3)」は、シリーズ後半に突入。3日目はファイナルへの切符をかけた準決3個レースで、激しいバトルが繰り広げられた。地元からは佐藤友和、高橋陽介の2人が優出を果たし、同じ北日本地区の新田祐大と、最終日の決勝で別線の強豪を迎え撃つ。注目の決勝は10月1日の11レース、青森バンクで号砲が鳴らされる。
 本場では先着プレゼントを行っています。最終日の10月1日にはオリジナル「QUOカード」が抽選で100名に当たるスピードくじを、先着1000名に配布。また、ガールズケイリンの奈良岡彩子選手のトークショーに、「下山昭義」さんによる三味線ショーなども予定されています。ぜひ、青森競輪場へ足をお運びください。
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新田祐大選手
新田祐大選手
高橋陽介選手
高橋陽介選手
 赤板からじわりと上昇を始めた新田祐大(写真)が、打鐘前に岡田征陽を押さえて出て先行態勢。高橋陽介と柴崎俊光の後ろの競り合い、インに包まれたままの岡田のポジショニングを確認しながら、最終1コーナーから一気のペースアップ。余裕の逃走劇で、人気に応え好調をアピールした。
 「岡田さんが後ろで粘った場合も考えてたけど、そうはならなかったので。今日みたいなレースの組み立てになりました。ラインの(高橋)陽介さんと決められるようにってことは考えてました。(シリーズの3日間を振り返って)単調なレースじゃなかった。初日は遅めのまくりだったし、(ラインが3人いたのに)ワンツーしか決まらなくて残念だった。2日目は先行できたし、今日も競りがあったけど、自分たちが2車っていうことを利用して走れればと思っていました。日に日に体調的にも、精神的にも上がっているし。ここを優勝するために来ているので、決勝もしっかりと走りたい」
 柴崎との競りを踏み出し勝負で凌いだ高橋陽介(写真)が、新田の番手をキープ。そのまま流れ込んで、地元でうれしいファイナルの切符を手に入れた。
 「今回の目標が決勝だったんでよかったです。踏み出しでの勝負になると思っていた。だから(新田が)押さえに行く時は外がよかったし、(追い上げて来る柴崎とは)自分がインで勝負をしたかった。まくりとかカマシだと自分に技術がないので、どうなったかわからないですね。地元なんでとにかく気持ちで走ろうと思っていた。脚が仕上がっているから、気持ちが入るっていうのもある。新田君とは以前に別線のこともあったけど、地元ではそんなことは言ってられなかった。それに今年は先行以外のことも自分ではやっていましたから、そういう面での経験もありました」
 岡田征陽は外の林巨人を弾いて、逃げる新田の3番手を奪取。結果的に流れ込みとなった。
 「新田君が一番最初に斬りに来るとは思わなかった。川崎(健次)さんか萩原(孝之)さんが斬りに来ると思った。それで新田君が出たところをカマそうと思ってたんですけど…。そしたら新田君が来てしまったんで、(自分の)コンピューターがパニックになってしまった。競輪は難しいですね」

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深谷知広選手
深谷知広選手
金子貴志選手
金子貴志選手
 打鐘の4コーナーで長塚智広を叩いた桐山敬太郎が主導権。4.50の大ギアでグングンと加速するが、7番手に置かれた深谷知広(写真)も最終ホームからすかさず反撃。中団の長塚が踏み遅れると、4番手で一度は息を整えて再度3コーナーからまくり上げ前団をごっそり飲み込んだ。
 「勝つには勝ったけど、感触としては今ひとつですかね。まだまだ自転車の部分で修正をするところがある感じです。決勝は金子(貴志)さん、合志(正臣)さんの2人が付いてくれるし、積極的なレースをしたい。自分が力を出し切れるように頑張りたい」
 金子貴志(写真)が深谷にピタリと付けてワンツー。決勝で今シリーズ3度目となる同乗を決めると、金子は例によって静かに口を開く。
 「決勝もしっかり付いていきます。今日も(深谷は)落ち着いて走って、いい感じでしたね。踏むところを踏んで、うまく休んでって、メリハリのある踏み方でした。いいタイミングでもう一度行ってくれた。自分の感じは変わらずですね、悪い感じがしないし問題ない」
 桐山の男気溢れる先行に、3着に入った中村浩士が感動をあらわにする。
 「もう桐山君はすごい掛かりでしたよ。あれなら(誰も)来ないかなって思ったんですけど…。それに後ろに柏野(智典)君がいたのもわかったから、あんまり大きい動きはできなかった。自分もいっぱいだった。本当に桐山君が強かったし、頑張ってくれた。うれしいですね」

<11R>
上原龍選手
上原龍選手
佐藤友和選手
佐藤友和選手
 関東勢は4車で結束。先行の腹を固めた上原龍(写真)が佐藤友和を押さえて早めに先行態勢。打鐘の4コーナーから巻き返した坂本亮馬のカマシを突っ張って駆ける。諸橋愛の落車で坂本亮馬にはまられたもののしぶとく粘り込み3着で入線したが、坂本の失格で2着に繰り上がった。
 「今日は先行と思ってました。(4.25のギアを)踏めている感覚はあるけど、使いこなしているかって言われたら、まだまだ遠い感じがします。それに諸橋さんが落車してしまっているんで…。決勝は自分はチャレンジャーだから、頑張ってやるしかないです。今日で(脚が)いっぱいだし、残っているかわからないけど。やれることをやります」
 7番手に置かれた佐藤友和(写真)は、諸橋の落車を最終2コーナーで避けて外に膨れる。大きなロスを強いられたが、そこから立て直し怒とうのまくり。ダービー、高松宮記念杯、サマーナイトフェスティバルとビッグレースでの優出はあるが、記念シリーズでは3月の玉野以来となる久々の優出。地元だけにホッと胸をなで下ろす。
 「いろんな緊張感がありましたね。G1では決勝に乗っているのに、記念では全然決勝に乗れていなかったから。そこで(決勝に)乗ったってことは調整がうまくいったんだと思う。今日は落車があったけど、誰が落ちたのかはわからなかった。それをとにかく避けて、結構バンクの上に行って。そこから行かなきゃと思って出たら、2センターで伸びていってくれた」
 4着の合志正臣が繰り上がりでのファイナルへ。九州同士でタッグを組んだ坂本の失格があっただけに、手放しでは喜べない。
 「(坂本)亮馬が頑張ってくれたんですけど…。あれで(佐藤)友和も来るだろうし、自分が外を踏んで食われるのはしょうがないと思った。あとは僕が(上原)龍を交わせばと思ったんですけど…。そしたら龍もすんなりの先行だったし、強かった。僕は落車で引っ掛かったと思って、それで脚がいっぱいになってしまった」
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