『青森競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:10月1日
 青森競輪場を舞台に開催された開設63周年みちのく記念「善知鳥杯争奪戦(G3)」は10月1日に最終日を迎え、決勝バトルで熱戦が展開され4日間シリーズの幕を下ろした。激戦を勝ち抜いた9選手によって行われた決勝は、深谷知広がハイペースで風を切って主導権。番手を回った金子貴志が、弟子の深谷を追い込み今年2度目の記念優勝を飾った。地元の佐藤友和、高橋陽介はそれぞれ4、6着に終わった。

下山昭義 三味線ショー
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奈良岡彩子、後閑百合亜トークショー
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井上 薫&山口幸二の予想会
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決勝戦 レース経過
 号砲で各車出渋ってけん制するが、深谷知広が誘導員を追って出ていく。隊列は深谷-金子貴志-合志正臣が前団、中団に新田祐大-佐藤友和-高橋陽介-中村浩士、上原龍-岡田征陽が後攻めの形で落ち着く。
 青板周回の3コーナーから上原が上昇開始。新田がこのラインを追っていく。前受けの深谷はすんなり車を下げ、上原が誘導員の後位に入る。7番手まで下げた深谷は打鐘前の2コーナーから一気の巻き返し。あっさりと上原を叩き切って主導権。合わせて踏んだ上原が中団の4番手を確保し、立ち遅れた新田は6番手に置かれる。深谷はそのままペースを緩めずに、ハイペースで飛ばす。最終2コーナーから岡田が上原を捨ててまくり上げるが、車はほとんど進まない。新田も仕掛けられずに不発。深谷の番手で絶好となった金子が直線で鋭く追い込み、優勝を飾った。深谷が2着に粘って師弟コンビでワンツー決着。ライン3番手の合志が3着に流れ込んだ。


金子貴志選手
金子貴志選手
 G1、寬仁親王牌でもワンツーフィニッシュを飾った師弟コンビが、圧巻の走りを見せた。赤板の2コーナーから弟子の深谷知広がフルダッシュで上原龍を叩きに出る。中団の新田祐大を乗り越え、上原から深谷が主導権を奪取した時点で勝負あり。別線をクギ付けにすると、師弟でのマッチレースに持ち込んだ。
「一日でも長く(一緒に)走りたい」と、深谷を交わして優勝を遂げた金子貴志(写真)は、弟子とのかけがえのない時間をかみ締める。
 勢いでは一番の新田祐大に地元の佐藤友和、高橋陽介が並ぶ強力な北日本ラインを粉砕。寬仁親王牌、豊橋記念に次ぐ優勝も深谷とのワンツーだった。
「最初の位置取りも、取れるところからと思っていた。あとは深谷知が優勝できるところからと思ってたけど、あんなところから行ってくれた。(深谷は)すごいダッシュだったし、踏み出しだけには気をつけていた。(岡田)征陽君がまくって来ていたんですか? どこら辺まで来ていたかもわからなかった。ただ3番手に合志(正臣)さんがいてくれたのは大きいですね」
 後ろを固めた合志への感謝も忘れず、金子がさらに続ける。
「いい気持ちで集中して走れる機会も少ないし、いい緊張感を少しでも長く続けたい。7日に(G1優勝の)祝勝会もあるし、本当に優勝はうれしいです」
 祝勝会にも弾みとなる記念Vに汗をぬぐう金子。深谷との年末のグランプリへ向けて、2人の絆はさらに強まったことだろう。

 2日目の優秀ではライバル新田に主導権を明け渡した深谷知広だったが、ファイナルでは反撃の隙を与えない完ぺきな逃走劇。自らも2着に粘り込んで、満足そうに振り返る。
「ジャンからフル発進です。ほとんど流さないで、ずっと全開でした。きつかったけど、自分でも掛かっていたと思う。最近はそういう感じはなかったですから」

 愛知コンビに続いた合志正臣は、直線で外に進路を取るも差し込むどころか流れ込みいっぱい。
「前の金子さんを見ていたら、踏み出しは危なかったかもしれないですね。深谷君を見ていたので、付いていけた。上原君も新田君も深谷君も3人がジャン前のところで踏んで、すごいスピードだったけど、面白かったです。最後はもう内を見る余裕すらなかった」

 新田は深谷に合わせて打鐘の2コーナーで踏むが、深谷を合わせ切れずに6番手からの出直しを迫られた。地元の佐藤友和は再度まくり上げた新田に乗って直線で強襲するも4着まで。
「あの深谷君の掛かりで、あそこから自分が1着まででっていうのは…。難しかった。新田君の中のイメージよりも今日は、深谷君(のスピード)が上だったってことでしょう。そこの誤差がこうなったと思います」

 深谷に出られてコースを塞がれた新田祐大は、立て直すもリズムを欠いて不発。
「行く気はすごいあった。だけど、タイミングを損なっちゃった。早い段階で深谷君が来たんで…」

ゴール
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