『被災地支援競輪青森競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:9月10日
 平成28年熊本地震被災地支援・青森競輪開設66周年みちのく記念競輪「善知鳥杯争奪戦」は後半戦となる3日目に突入。準決勝3個レースをメーンに熱戦が繰り広げられた。10レースでは3連単20万円オーバーの大穴が飛び出すなど波乱もあったが、新田祐大、深谷知広ら決勝メンバーが出そろった。大挙6名が勝ち上がった近畿勢の走りにも注目が集まる。
 最終日も仮面ライダーゴーストショーをはじめ、青森ワッツチアダンスチーム、ブルーリングスによるチアダンス、競輪フリーマーケットなど多彩なイベントが催されます。ぜひ、青森競輪場でお楽しみください。
<10R>
佐藤康紀選手
佐藤康紀選手
古性優作選手
古性優作選手
 準決勝一発目のレースは大波乱の決着。地元の新山響平が古性優作に苦しめられた。古性は青板周回のバック線前に上昇して新山を下げさせて誘導員の後ろに入る。7番手まで下げた新山が打鐘前に押さえて先頭に踊り出ると後ろを警戒しながらペースを落とす。4番手に収まった古性だが、打鐘過ぎ2センターから一気に仕掛けて主導権奪取。番手の山田久徳が援護して吉本卓仁、新山を不発に追い込む。目標不発の窮地に成田和也、合志正臣は強襲コースを探して突っ込むも、山田に締め込まれて伸びを欠く。山田と古性でワンツー決着かに、直線大外を踏み込んだ地元の佐藤康紀(写真)が突き抜けた。
 「このメンバーであんなにきれいにコースが空くことがあるなんて(笑)。最近はなかなか勝てていなかったのに今節は2勝もできたし、流れが本当に良い。地元記念の決勝は3回目だけど1度も確定板に乗っていないし、3着くらいには入りたいですね」
 新山を相手に先行策に出た古性優作(写真)は3着にこそ沈んだが、笑顔でレースを振り返った。
 「前が流したので。あそこでじっとしててもね。良い感じで踏めているし、自転車も流れてくれてますね。ラインの強さは見せられたかな。新車の感じもセッティングもバッチリです。記念優勝はまだ早いかなっていう思いもあるけど、チャンスなので頑張ります」
 山田久徳は古性の積極策にしっかりと援護で応えた。
 「めっちゃ頑張ってくれていたので。自分は技術がないから車間を空けてと思って。巧くいきましたね。内に入ってこられたけど、ワンテンポ遅れていたから大丈夫だと思いました。余裕もありましたね」
 決勝進出を逃した新山響平は気持ちを切り替えて最終日に臨む。
 「引き付ける感じで流したけど、吉本さんしか見ていなくて…。その後も吉本さんが来ててそれが気になってまくろうと思ったときにはどんどん前と詰まってきちゃって踏めませんでした。まだまだその辺が自分の甘さですかね。でも最終日こそ自分らしいレースをして1着取って帰ります」

<11R>
市田佳寿浩選手
市田佳寿浩選手
三谷将太選手
三谷将太選手
 深谷知広が先に斬った黒田淳を押さえにいくと、後ろから小橋秀幸がカマしてくる。深谷は慌てて踏み込み、小橋を突っ張って主導権を譲らない。そのまま軽快に駆けて別線を完封。最後は中近勢で直線勝負に。勝負の行方は、3番手の市田佳寿浩(写真)が突き抜けて1着。
 「準決は前の2人のおかげです。前を捕らえることができたので良かった。深谷君は長い距離を踏んでいますけど。良い方向に脚力は戻っています。決勝は割り切って(近畿別線)。相手はスーパースター(新田祐大)ですから、(若手が)そこに向かって」
 番手の三谷将太(写真)が深谷を交わして2着。
 「前も後ろも格上ですし。タイトルホルダーの真ん中で何ができるか。しっかりやるべきことをやって。思ったより伸びましたね。深谷君を抜けないと後ろにもチャンスはないので。(前回の)奈良も優勝できているし、良い流れで頑張ります」
 深谷知広は直線で抜かれるも、持ち前のパワーを存分に発揮してラインを上位独占に導いた。
 「今日は3人で決めたいと思って(小橋を突っ張った)。気持ちも入っていたし、うまくいってうれしいです。でも、きつかったですね。(小橋に)気付いて踏んだのではないので。(状態は)良くはないけど、決勝に乗れているし、前回(豊橋記念)よりは良いと思います。しっかり修正して」
 黒田淳は最終バックを6番手で通過。2センターからまくり追い込んだが、5着までが精いっぱいだった。
 「南関が前を取っちゃったので。深谷より先に斬って、合うところで飛び付こうと思っていたけど、飛び付けなかったです。最低限4番手はほしかった」

<12R>
新田祐大選手
新田祐大選手
中井太祐選手
中井太祐選手
 最終レースは中井太祐が打鐘前から先行態勢。中団外併走となった新田祐大(写真)は4コーナーからスパート。地元の佐藤友和は岡村潤にからまれて離れてしまう。新田後位にはまった中井も3コーナーから踏み上げるが、これを合わせ切った新田が先頭でゴールを駆け抜けた。
 「前の選手の踏み方次第で仕掛けるポイントを考えていたけど、行けるところで逃した結果、無理くりっていう感じになってしまった。友和さんがやられてるのが分からず、出切って1車だったのは残念。相手の持ち味を出させてしまい、力でねじ伏せるレースになった。でも、連日、ラインの先頭で積極的なレースはできている。決勝は自分の持ち味をしっかり出せれば」
 番手にはまった中井太祐(写真)は積極的に仕掛けたが、新田に合わされてしまった。
 「先行しようとする気持ちが結果に結びつきました。番手に入って行けるのに仕掛けないレースだけはしたくなかった。脚はまだまだだけど、攻めた結果で内容は悪くないと思います。決勝は近畿で別線だけど割り切って力を出し切ります」
 中井マークの南修二が3着に入った。
 「後ろに(渡辺)十夢さんがいたので、判断が難しかった。十夢さんまでチャンスがあるようにしたかったんですけどね。自分に突き抜けるぐらいの脚があればいいけど」
 和田真久留はまくり不発に終わった。
 「思っていた展開とちょっと違いましたね。新田さんと中団併走は考えてなかったけど、あそこでは引けないし。判断が難しかったです」

<最終日・9R 熊本地震災害復興支援レース>
守澤太志選手
守澤太志選手
新井秀明選手
新井秀明選手
 最終日の第9レースには「熊本地震災害復興支援レース」が行われる。人気の中心となりそうなのは守澤太志(写真)だ。近況は一息の成績だが、点数上位のここは負けられない。
 「(前回の小田原記念は)離れっぱなしで。でも、ここまで結構空いたので、普通に練習をしてきました。青森は何年も走っていないですね。(イメージも)全然覚えていないです。(目標の)箱田君との連係は何回かあります。ワンツーも同着(1着)もありますね」
 北勢の先頭を務めるのは箱田優樹。前回の京王閣では「余裕がなくて、合わせることしかできなかった」と語るも、まくり追い込みで今年2V目を飾った。走り慣れた地元バンクで魅せるか。
 「ここまではいつも通り練習をしてきました。状態に問題はないです。一発レースはそんなに走っていないけど、好きですね。走って帰れるので、思い切りいきたいと思います。この後は共同(通信社杯)なので、そこにつながるように」
 差し脚鋭い山内卓也も侮れない存在。メンバーを見つめ、作戦を綿密に練る。
 「箱田君、守澤君がいるので、2段駆けにもなりそうだし、それをどう阻止するか。楠木(孝志郎)君も6番車だけど、強いところを何回も見ているので警戒しながら。状態は猪俣(康一)君と一緒に練習をしてきたし、仕上がったと思う」
 新井秀明(写真)は近況コンスタントに優出と成績が安定。「相性は良い」と語る楠木を目標に、1着を取りにいく。
 「最近はいろいろセッティングを換えたりして。特にハンドル周りを中心に。今回も前回とは換えて練習をしてきたし、感触も良かったです。勝ち上がりとかないので、1着を狙って」
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