『青森競輪開設68周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:9月29日

 青森競輪開設68周年みちのく記念競輪「善知鳥杯争奪戦(GIII)」は佳境の3日目を迎えた。準決勝3個レースではいずれも決勝戦をかけた激しい争いが繰り広げられ、渡邉雄太、吉田拓矢に月森亮輔がそれぞれ快勝。新山響平は4着に敗れ、地元勢からのファイナリストは守澤太志のみとなってしまった。
 最終日はイベント盛りだくさん。仮面ライダージオウショーや山上進、柳谷昂太郎の津軽三味線ライブ、アルプスおとめのミニライブなどが予定されています。注目の決勝戦に、6RのS級ブロックセブンと見どころ満載の青森競輪場へぜひご来場ください。

<10R>

渡邉雄太選手
渡邉雄太選手

渡邉晴智選手
渡邉晴智選手
 中本匠栄が切ったうえを渡邉雄太(写真)が叩いて先行態勢に入る。切り替えた上野真吾が3番手に入り、埼玉勢は立ち遅れて8、9番手に。渡邉雄は後方の状況を確認しながら1コーナー過ぎからペースを上げると、別線の巻き返しを完封。渡邉晴智の追撃も振り切った。
 「レースのプランは後ろから押さえて中団取りのひとつでした。でも全く違う展開になったので駆けるしかないと思って踏みました。中本さんのまくりに合わせて踏んだというよりその前から全開で。久々に先行で押し切れたし悪くないと思います」
 渡邉晴智(写真)は弟子の成長に喜びを感じながらも、2着の結果を悔しがった。
 「雄太が全てやってくれた。自分はただついていっただけ。雄太もたくましくなったよな。直前の練習の成果? 抜いていればなんとでも言えるけどね。悔しいけど2着ですから」
 佐藤友和マークから2センターで内を突いた齋藤登志信が3着に入線した。
 「もう必死でしたよ。余裕なんて全然なかった。6番(上野真吾)が追い込み選手だったらあのコースは空かないけど空いてくれましたね」
 バックから先まくりを打った中本匠栄は8着に敗れた。
 「力不足です。(渡部)哲男さんについてもらってるんで無理やり行ったけど、あの駆け方じゃ無理。(渡邉雄に)引っ張るだけ引っ張って駆けられたんで」

<11R>

吉田拓矢選手
吉田拓矢選手

大槻寛徳選手
大槻寛徳選手
 青板の1センターから単騎の阿竹智史、黒田淳が動いて正攻法に入る。後ろの吉田拓矢(写真)を警戒しながら、高橋陽介が打鐘過ぎ2センターから仕掛けたが、そのうえを吉田がすかさず巻き返して番手の岡光良以下を引き離す。高橋は追いつくことができず、吉田がそのまま押し切った。
 「道中のミスが多かった。ジャンのところで内に入ってしまってバック踏んでしまったので。ただ、出切ってからはペースで踏めました。出切るときに1車だとわかっていたので。準決勝はいい感じだったし踏んだ感触は良くなっている」
 高橋マークの大槻寛徳(写真)が2着に入ったが、前で頑張った高橋を残せなかったことを悔やんだ。
 「あれだけ高橋君が頑張ってくれたので2人で決めたかった。余裕があったからもう少し車間を空けられれば…。自分はめっちゃ調子いいし優勝を獲れるデキです」
 吉田に離れた岡光良だった北日本勢の後ろで立て直すと、直線外を伸びて執念の確定板入り。
 「タイミングだし、しょうがない。高橋君が切ったうえを(吉田が)いったからスピードが違った。何とか北の後ろに入ってからは前の大槻さんは空けないだろうから、あとはゴール前勝負と。なんとか勝ち上がれて良かったです」
 懸命に吉田を追いかけた高橋陽介だったが追いつかず。惜しくも4着で地元記念優参を逃した。
 「色んな作戦を考えていたけど、先行しかない流れになったので1車でくることを願っていた。ただサラ脚の吉田君のカマシはスピードが違った。若手に負けないつもりだったけど脚がちょっと違いました」

<12R>

月森亮輔選手
月森亮輔選手

守澤太志選手
守澤太志選手
 連勝で勝ち上がり、守澤太志と圧倒的な人気を集めた新山響平だったがまさかの準決勝敗退。打鐘過ぎ4コーナーから内をすくって主導権を握った月森亮輔(写真)が押し切って、初の記念準決勝でいきなりの決勝進出を決めた。
 「たまたま空いたんで行けた。体が反応しましたね。スピードが合ったら(新山ラインに)粘ろうと思ってたけど、良かったです、マジで。ガムシャラすぎて、(かかってるかは)あんまりわからなかった。(記念初優出は)自分が一番びっくりしてる。ヤバいっす」
 新山後位から山賀雅仁をキメて内に切り込んだ守澤太志(写真)は吉岡篤志を飛ばして2着に入った。
 「内から行って8番(吉岡)をアンコにして、もう1回新山を拾ってやろうと思ったけど、山賀さんも来てたし、新山もいっぱいそうだった。(新山に)もう1回踏んでくれと思ってたんですけどね。(打鐘過ぎ4コーナーで)仕掛けたときに外をう回させられたのも痛かった」
 3着で決勝戦最後の切符を手に入れた山賀雅仁だったが、打鐘過ぎに口が空いたレースを反省した。
 「打鐘で内を見て口が空いてるし、俺が付いてれば新山を張れたと思う。それが遅れてたから…。(守澤に)締められて、ダメだと思って前に踏んじゃったから、小原(太樹)に申し訳ないです」
 4着に敗れた新山響平は準決勝で敗退。レース後は悔しさをかみ殺すように、黙々とクールダウンを続けた。
 「(打鐘過ぎに)川村(晃司)さんが行くかなと思ったら行かなかったので、このままいかなきゃダメだと思った。コーナーの入り口で(月森の)番手まで行きたかったけど、3番手までしか行けなかったしマズいかなと思った。全部ダメでしたね」

<最終日・6R S級ブロックセブン>

金子幸央選手
金子幸央選手

柏野智典選手
柏野智典選手
 最終日6RにはS級ブロックセブンが行われる。人気の中心は7月川崎FIから5連続優出と好調維持する金子幸央(写真)だ。
 「成績が上がってきてますね。練習の感じもいい。若手で一緒に練習をやって、その成果がちょっとずつ出てきたかな。伏見(俊昭)さんとの連係も多いし、何回かあります。7車はエボリューションでもあるし、チャレンジの頃にも走ってる。唯一の3車でチャンスがあるし、力を出し切れるように頑張ります」
 伏見俊昭は前回の岸和田FIで佐藤博紀のまくりをとらえて優勝。記者に囲まれると「恥ずかしいです」と照れ臭そう。
 「優勝は1年3カ月ぶり。(佐藤の)タイムも良かったし、それを差せてるので悪くはないと思う。これが単発で終わらないように、続けていきたい。ここまでは普通に練習して。雨が多かったけど、いい練習ができた。今年はもうGIに出られないし、下からはい上がっていくしかないですね」
 柏野智典(写真)は直前の豊橋FIでも優勝するなど差し脚好調。小川賢人の番手から点数最上位の意地を見せるか。
 「7車は初めてですね。でも(ラインの)先頭を走るわけじゃないから関係ないかな。過去のレースを何回か見たら、みんな仕掛けが遅くなってる感じですね。優勝してるし、これで悪いとは言えない。前回から新車だったけど、毎日イジりたおして、やっとセッティングが出てきたので今回も使います」
 不破将登は虎視眈々と一発を狙う。
 「ブロックセブンは2回目。去年(8月)の川崎GIIIで走ってます。タイミングがあれば行きたいですね。ただ自分も勝ちたいんで2車ってことも考えて。前回(9月豊橋341着)は3日間、バックを取って逃げられた。準決勝もちょっとの差で負けたけど、海老根(恵太)さんや北津留(翼)さんを相手にいいレースはできたと思う」