『いわき平競輪開設70周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:2月25日

 いわき平競輪場を舞台に、開設70周年記念「いわき金杯争奪戦」が2月25日に開幕した。オープニングレースから白熱したバトルが展開され、一次予選ではルーキーの菊池岳仁や、坂本貴史、桐山敬太郎らが白星をゲット。メインの初日特選は、最終2コーナー8番手から前団を飲み込んだ皿屋豊が制した。26日の2日目は、二次予選7個レースで準決勝進出が争われる。
 本場では開催中の毎日、先着1000名様に「オリジナルデザイン除菌ウエットティッシュ」をプレゼント。8時30分からの早朝練習を見学される方には「ヘルメット番号一覧」と、先着50名様に「名入れサインペン」を配布します。また、特別観覧席をご利用の方には「競輪新聞(予想紙)引換券」のプレゼントもございますのでお楽しみください。
 なお、今シリーズも新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、ご来場の際はマスクの着用、手指の消毒、サーモグラフィーカメラによる検温などにご協力をよろしくお願いいたします。

<1R>

菊池岳仁選手
菊池岳仁選手
 前受けから下げた菊池岳仁(写真)はすぐさま巻き返して、打鐘で田中晴基を叩いて先行態勢に入る。どんどん踏み上げる菊池に別線はなかなか反撃できず、直線でも力強く踏み直した菊池が堂々と押し切った。
 「スタートを取って突っ張るか、引いてすぐに行くかでした。引いてすぐのタイミングで行けたので、積極的に行けたのは良かった。(4日制は初めてだが)周りの先輩にアドバイスをもらってケアをしたいです。今日(初日)の疲れもしっかり取って、明日(2日目)も万全にいけるように調整したい」
 番手の稲村成浩は援護から迫るも、写真判定の末タイヤ差で2着。
 「スーパールーキーの菊池君のおかげ。菊池君は踏み直しもしっかりできていたし、僕はたまたまあそこまで行けた。菊池君はあと半周くらい行ける感じでしたね。息子と同い年なんですけど、ナショナルチームの練習を聞いたり吸収できることがたくさんあって勉強になります」

<2R>

三宅達也選手
三宅達也選手
 赤板の1センターでハナに立った真船圭一郎は、2コーナーから仕掛けてきた林大悟を突っ張る。両者のモガき合いが長引くと、林マークの三宅達也(写真)は最終2コーナーから番手まくり。後方からまくってくる小林則之を振り切って白星を挙げた。
 「(林)大悟の頑張りひとつですね。(林の動きが)ちょっと遅めだったけど、真船君は切って出させてくれるかなって思ったんですけど。(林が)出切れるか微妙なところで真船君が内から出ていく感じになったので、3コーナーになったら浮かされるなと思って、直線で踏ませてもらいました。年末くらいからずっと脚はいいので、展開だけです」
 前団がモガき合ったところを後方からまくった小林則之が2着に入った。
 「あの展開じゃないと僕の出番はないですね。でもずごいキツかったし、三宅がまくって行くなって思って付いて行こうかともおもったけど、それではかっこ悪いと思って行きました。(前回の)佐世保はすごい良かったけど、今回はあんまり。この歳になると好不調の波がありますね」


<3R>

 打鐘で庄子信弘が前を切るが、内から一戸康宏が盛り返して再び先頭へ。藤井昭吾は隊列が短くなった2センターから反撃に出て、最終ホームで一戸を叩く。3番手以降を突き放して快調に逃げると、藤井を好追した西岡正一が直線鋭く抜け出した。
 「カマす作戦だったし、前の自力(一戸)が待っていたので、そこをカマしたらいけるかなと。バックでは後ろが離れていたので、あとは(藤井)昭吾を残すだけだったけど、踏み直しがすごかったです。1着かどうか分からなかったし、余裕はなかった。自分としては、付いていけて差せているので良いと思います」
 藤井昭吾が2着に粘って予選を突破した。
 「風が強かったので、前から下げても行くタイミングはあると思っていました。最終ホームで一戸君に飛び付かれないように踏んで、最後も踏み直しができた。平は前回も冬(16年1月)に来ました。風が強いコンディションは好きですね。先行で2着に残れているし、戦える状態です」


<4R>

坂本貴史選手
坂本貴史選手
 赤板の1コーナーで先頭に立った佐伯亮輔は打鐘手前から仕掛けてきた神田龍を突っ張るが、番手の池田良が連結を外してしまい、神田が番手にはまる。最終ホームから池田が追い上げて隊列が短くなると、後方の坂本貴史(写真)は2コーナー手前からまくり出し、前団を一気に飲み込んだ。
 「展開にも恵まれましたし、良かったと思います。(佐伯の)番手に神田君がはまったので早めに行かないといけないと思ったけど、池田さんが追い上げるなと思ったので、その辺も考えながら走れました。先行できれば良かったですけど、バックは取れたと思うので、最低でもバックを取るレースをしていきたい」
 坂本マークの青森伸也が2着に続いた。
 「坂本君が落ち着いていたし、展開も向いてしっかり前に踏んでくれました。(脚の状態は)問題ないと思います。地元なので気合も入っている。(初めての地元記念であっ旋が)やっと来たかって感じですね。ここも向けてやれることはやってきたので、しっかり頑張りたいです」

<5R>

 中団から先に動いた津村洸次郎は樋口開土を受けて3番手をキープ。藤根俊貴が最終ホーム手前から反撃に出たが、津村がけん制しながら合わせて踏み込み前団を飲み込む。余裕を持って津村をリードした塚本大樹がゴール寸前でとらえた。
 「作戦通りだったし余裕はあった。自分に合ったトレーニングを見つけられた。陸トレ、水トレをやっていて、プールでもやっています。練習を楽しみながらやれていますね。ずっと着にからんでモチベーションが上がっているのがでかい。記念は準決勝までしかいったことがない。調子は決勝にいける状態」
 中団中団に立ち回った津村洸次郎が九州勢を上位独占に導いた。
 「初手は中団を取ろうと考えていたし、作戦通り。ホームからのカマシは感覚で走った。藤根は絶対に来ると思ったので、そこは気を付けて反応をしてレースしました。ラインでワンツースリーが決まって良かった。自分の今の良さをレースに出したい」


<6R>

川村晃司選手
川村晃司選手
 一度は佐藤佑一に叩かれた吉武信太朗だが、打鐘手前で再び佐藤を押さえてハナに立つ。そこを3コーナーから仕掛けた藤井栄二が一気にカマして主導権。ピタリと続いた川村晃司(写真)に絶好の展開が向くと、最後はきっちり藤井を差し切った。
 「(藤井)栄二に全て任せて、好きに走ってもらいました。絶好の流れになったので2人で決まるかなと思ったけど、(吉武に)すごいゴール前は迫られましたね。体の状態は悪くないけど、今はセッティングを試している段階で、今日(初日)もイマイチだったのでこれから触ってみます」
 別線を圧倒した藤井栄二が2着で近畿ワンツーが決まった。
 「しっかり自分の力を出し切るレースをしてくれたらいいと川村さんが言ってくれたので、いつも通り先行しようと思っていました。吉武君の赤板の突っ張りが(佐藤を)出させない感じの踏み方だったので、絶対に緩むところがあるなと思っていました。展開が向きましたね。正直、最終バックからはキツかったので、川村さんに残してもらった感じです」


<7R>

 赤板過ぎに先行態勢に入った中西大は打鐘からダッシュ良くカマしてきた早坂秀悟を出させない。2コーナーからまくって来た小野裕次も伸びを欠くと、中西マークの村田雅一が展開を生かして抜け出した。
 「ジャンの2センターで(早坂が)カマしてきた時に止めれば良かった。それで(中西)大もオーバーペースになった。周りはしっかり見れているし、ワンツーを決められたので状態はいい。松阪から新車のセッティングが出たのでいいですね」
 早坂、小野と別線の反撃をことごとく合わせ切った中西大の走りも力強かった。
 「初手はどこからでも良かった。あと600メートルなので(早坂を)突っ張ってもいいと思った。発走台に付いた時に風もなかったし、軽そうだなと思ってた。秀悟さんがヨコまで来たときも回せていた。自分の中でもすごいいいけど、ゴール前でアレってくらい抜かれたので村田さんが仕上がっていると思う」


<8R>

桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
 前受けの朝倉智仁は赤板の1センターから踏んだ桐山敬太郎(写真)を出させず先行策に出る。突っ張られた桐山だったが、冷静に4番手に戻って立て直すと、最終2コーナーまくりで快勝した。
 「前受けが理想だったけど、8番(伊藤太一)のスタートが早いのは知っていたので、前を取りに来たら諦めるつもりでした。(朝倉は)僕を出させない感じだったので4番手に入り直して、流したらホームくらいから行くつもりだったけど、ペースで踏んでいたのでバックで出切れるイメージで仕掛けた。ここは直線も長いし、まくり追い込みでも届くかなって考えるくらい冷静でした」
 成田健児は、最終2センターの朝倉のけん制で桐山から離れたが、直線伸びてなんとか2着に続いた。
 「朝倉君がやる気だったので、前を取って引いてのカマシはないだろうなとは思っていました。キリ(桐山)も踏んでこなければ前に出ようかなって感じだったと思います。キリがまくった時は抜けるかと思ったけど、(朝倉が)あんなに来るとは思わなかった。踏み遅れたけど結果は良かったので良しとします」


<9R>

 赤板の1センターでハナに立った佐山寛明が主導権。すんなり中団を確保した菊池竣太朗は最終ホームから仕掛けると、佐藤成人のけん制を乗り越えて佐山を追いかける。その外を伊早坂駿一もまくって迫ったが、菊池のまくりに乗った佐藤龍二がゴール手前で抜け出した。
 「(菊池)峻太朗の仕掛けはヤバいと思ってました。もう1個早く行った方が楽になるし、彼も残れると思う。そこは気付いてもらうしか。平は初めて記念の決勝に乗ったバンクです。7車立てが苦手でもここだけはしっかり走れたし、大丈夫っていう感じがあります。7車立てで心が折れていたけど、(郡司)浩平の優勝で気合が入ったので頑張っていきたいです」
 目標の伊早坂は不発となった安部達也だったが、コースを突いて2着に入った。
 「初手の位置で伊早坂君の得意パターンにならないと思っていました。2着はたまたまです。(8月)立川の落車で右肩甲骨と肋骨を骨折。デビューして初めてここまでの大きなケガをしました。本調子とは言い難いですけど、(1月に)地元戦があったので復帰しました。9車、8車になるとコースを突っ込まなくちゃいけないし、その辺はまだまだです」


<10R>

 前受けから7番手まで下げた堀内俊介は、打鐘から巻き返して4コーナー手前で滝本泰行を叩く。3番手以降を突き放して逃げると、最後は番手の小埜正義が鋭く伸びて絶好の展開をモノにした。
 「ほぼ作戦通りになりました。(堀内は)すごい踏み上がっていて、いい掛かりでした。なんとか抜けて良かったです」
 ロングスパートで別線を完封した堀内俊介が2着でゴールした。
 「前が取れたら緩んだところから行こうと思っていました。ちょっと早かったんですけど、一回先頭に立ちたかったから仕掛けた。前半のレースでは逃げ残っている人も多かったので、意外と後ろで脚が溜まらないんだなと思って先行も考えていました。珍しく最後まで踏めたので、小埜さんとワンツーが決まって良かったです」


<11R>

河野通孝選手
河野通孝選手
 前受けから7番手まで下げた伊藤稔真は、最終ホームで嶋津拓弥を叩いて先行勝負に出る。3番手で嶋津、隅田洋介、水谷良和で3車併走になると、真ん中の隅田はバックで伊藤の番手に潜り込む。隅田マークの河野通孝(写真)は連係を外してしまったが、3コーナーから自分でタテに踏み込んで直線鋭く抜け出した。
 「(隅田が)途中で挟まってしまったので、付いていけなかったですね。隅田君には悪いけど、山崎(充央)さんも付いていたので、踏ませてもらいました。伊藤君が強めに踏んでいたので、その分は伸びましたね。(好調な要因は)特に変わったことはしていないけど、気持ちの面で負けないようにしていることと、腰の不安がなくなって練習を精いっぱいできていることですね」
 河野に切り替えた五十嵐力が2着に入った。
 「一番脚のある2人(嶋津と隅田)が詰まっていたので、もったいないですよね。自分は河野に付いていっただけ。今日(初日)はあんまり調子を測れない。2着なので良いとは思いますけど。乗ってる感じは悪くないです」


<12R>

皿屋豊選手
皿屋豊選手
 皿屋豊(写真)、櫻井正孝の順で切った上を、打鐘手前で森田優弥が押さえて先制。後方になった佐々木豪は2センターから反撃に出て、最終4コーナーで森田をとらえる。しかし、2コーナー8番手から仕掛けた皿屋が猛スピードで前団を飲み込んで初日特選を制した。
 「車番はあまり良くなかったので、後方からになったら切って(別線に)脚を使わせようと思っていました。終始余裕はあったので、1着まで行けるかの勝負でしたけど、直線が長くて助かりましたね。吸い込まれていく感じになりました。(一昨年のS級デビュー戦の時は)999着のバンクなので、全てを払しょくする1着だったと思います」
 佐々木を追いかけるように最終バックから踏んだ櫻井正孝が2着に入った。
 「(初手は)前中団が取れたら先行しようと思っていて、それ以外なら一回前に出て自分のレースをしようと思っていました。体の感じが悪いからなのか、直前までセッティングをいじっていたんですけど、道中も脚が溜まらなかったわけではないし、このレースで2着なら上デキかなと。一回前に出て風を切れたので、そこは評価したいです」
 ロングスパートの佐々木豪は最終4コーナーで森田をとらるも、末を欠いて3着でゴールした。
 「自分が行けるところから行こうと思っていました。少しでも詰まったら行くのが自分のスタイルだと思うから、ちょっと距離は長かったけど行った。でも森田君も強いのでやり合う形になってしまって、皿屋さんの展開になりましたね。前回(松戸FI)より疲れは抜けているし、気持ちも入っています」