『いわき平競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:8月25日


 いわき平競輪開設57周年記念・『いわき金杯争奪戦』(G3)は25日に開幕した。朝から好天に恵まれたが、気温がグングン上がり灼熱のバンクの中で激戦が繰り広げられた。特選レースでは地元勢の活躍が目立ち、2日目の11レース優秀戦『いわき海竜賞』も揃った地元勢が人気を集めそうだ。
 2日目のファンサービスは吉岡稔真氏のサイン会が5レース発売中に2階オッズホールにて、同氏のレース展望予想が特設ステージにて行われます。又、4レース発売中には特設ステージにてレイモミ・ガールズによるフラダンスショーも開催。
 4日間通して行われるサービスは開門時に2500名様に配られる抽選券にて250名様に1000円分車券購入券が当たります。カーニバルプラザではウォータープールでボート遊び、屋台コーナーではたこ焼き、やきそば、から揚げなどが200円均一で販売されます。


<1R>
 オープニングを飾ったのは地元の若武者金沢竜二。堂々と逃げ切り、地元勢の初陣を白星で飾った。
 「最初のレースだし、めちゃくちゃ緊張しました。押さえ先行で自分のペースで駆けられて良かった。要所要所でも踏み直せたし、同型の動きも見れました」
 番手キープで流れ込み、1番人気に応えた野木義規もホッとした表情で引き揚げてきた。
 「金沢君がいいレースをしたね。何とか付いていく事だけを考えてた。金沢君の踏み直しが凄くてキツかったですよ。僕の仕事は川島(勝)君を止めることだし、何とか止められましたが、椿(佳友)さんまで連れ込めれば最高だったが…」


<2R>
 2レースは原田隆の先行に乗った四宮哲郎がゴール前で伸び切った。
 「僕がまくりを止められれば、原田(隆)君を残すことも出来たかもしれませんが、何もできなくて…。A級以来の連係でしたが、良く行ってくれました。僕自身は四角からの伸びも悪くなかったです」
 まくり切れずも外々にへばり付いた中山健が3着でギリギリ二予Bに勝ち上がった。
 「ホーム手前から踏みっぱなしだし、一杯一杯でしたよ。無理やり仕掛けた感じだからタイミングも良くなかったしね。もっと落ち着いて仕掛ければ良かったのかも。A級時代にこのバンクは走ってるので、踏みどころは分かってるつもりだったが(笑)」


<3R>
伊藤一貴選手
伊藤一貴選手
   3レースは青森コンビを追走した伊藤一貴(写真)が鋭く伸びて突き抜けた。
 「ギリギリまで待ったけど水島(洋一)さんも付いてたし、5番も来たので踏ませてもらった。伸びも良かったし、調子は問題ないですね」
 最終バック手前では一本棒の七番手に置かれ、万事休したかの筒井敦史だったが、ジワジワとまくり上げるとゴールでは2着に強襲。大の字に倒れ込み、激しい息づかいながらも笑顔がこぼれる。
 「展開は最悪でしたね。ダメ元の気持ちで仕掛けたのが正解でした。伊藤(一貴)さんのブロックは効いたけど、良く伸びてくれました。車の出は思った以上に良かったですね」
 人気の青森コンビは五日市誠がカマシを決めたが、ゴール前は末を欠いた。
 「練習不足気味なので、末が甘いですね。ダッシュは変わらないけど、持たないな。成田(直喜)さんには早めに交わして出てもらってもよかったが…」


<4R>
 4レースは当バンクの特性を生かした三住博昭が三角まくり追い込みで突き抜けた。
 「作戦通りのレースができました。うまく仕掛けて伸び切れたけど、オーバーワークのせいか、脚は重く感じた。今は調子が良いよりも流れが良い感じ。レースも見えてるしね」


<5R>
及川裕奨選手
及川裕奨選手
   5レースは及川裕奨(写真)の強さばかりが目立った。後続を大きく引き離し、ぶっ千切りの快勝。
 「打鐘で成清(謙二郎)君が突っ張るそぶりがなかったので、ペースで駆けられましたね。後は朝日(勇)さんの動きを見ながら仕掛けました。うまく踏めたと思うが、後ろが離れてしまってたので…」
 2着に強襲したのは人気薄の安田光法。最終バックでは苦しい位置ながら伸びは良かった。
 「愛知勢が頑張ると思ってたし、任せてましたね。あれこれコースを探さずに外を踏んだのが正解だった。何ヶ月か前から僕の状態は戻りつつあるね」


<6R>
 6レースは105点近く持っていながら選抜スタートで気を緩められない三ツ石康洋が大カマシを決めると、そのまま押し切り、二次予選Aへ。特選スタート組とほぼ同じ条件に持っていった。
 「長い距離は苦しいけど、踏んだ感じはだいぶ良くなってきましたね。池崎(太郎)さんは流し気味だったので、8、9割の力で仕掛けたが…。中団はもつれてたんですかね? ホームで自然に仕掛けられたし、状態は良いと思う」
 打鐘過ぎに主導権を取った池崎太郎は三ツ石のカマシに屈したが、三番手に入り直せた事で3着キープ。
 「合わせるつもりだったけど、三ツ石(康洋)君のスピードが違ったし、出させて立て直すつもりだったが…。最後は一杯でしたよ」


<7R>
中村浩士選手
中村浩士選手
   7レースは岡村潤が主導権を奪うも、八番手からまくり返した松崎貴久が前団を飲み込んだ。2着だがスピードが光るレース内容だった。
 「7番が出切った瞬間に仕掛けるつもりだったが、滝山(実)君の切り替えでタイミングがズレたかな。早めに行けてればラインで決まったと思うが…。それでも原(真司)君が3着に入ってくれて良かったよ」
 その松崎に切り替えて、ゴール前で差し切ったのは中村浩士(写真)。比較的に余裕があった様子。
 「5番は見えてたが、大外を踏んでるし遠くて止められず。でも、何とか切り替えて頑張らないと駆けてくれた岡村(潤)君にも申し訳ないから。なんとかイセ(伊勢崎彰大)まで引き込みたかったが。連戦だけど、疲れはないし、体調は問題ないですね」


<8R>
 8レースは打鐘から川島聖隆と小松剛之でモガキ合いとなったが、冷静な判断で番手に入った小松剛之が最終三角から番手まくり。ゴール前は粘り切れずも3着で二次予選Aへ勝ち上がった。
 「番手に入れましたけど、余裕は無かったですね。川島(聖隆)君も僕が番手に入って流してました。いつまくりが来るかヒヤヒヤでしたよ(笑)。無理やり仕掛けたけど、3着なら上出来ですね」
 2着に入った塩川真一郎は川島聖隆との連係が外れてしまった為に、手放しでは喜べない。
 「最終ホーム過ぎにもう一度追い上げようかと思ったが、そうすると小松(剛之)君も合わせて出て行っちゃうだろうし、仕方なかった…」
 勝った棟方次郎は小松をうまくリードしてゴール前で突き抜けた。ワンツーは成らずも2人で上位に勝ち上がり満足そう。
 「小松(剛之)君の競走スタイルは前受けなので、まずその形を取ってからのレースでしたね。小松君は突っ張るつもりだったと思うけど、川島(聖隆)君も意地でも先行する展開だったからね。別線のまくりが怖かったが、何とか(笑)。僕もゴール前は余裕が無くて抜くのに必至でした。ちょっと重く感じましたね」


<9R>
佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
   9レースから特選。まずは絶好の展開を逃さなかった佐藤慎太郎(写真)がキッチリ勝ち切った。
 「飯野(祐太)君が先行したい気持ちが伝わってきたし、僕はあれこれ考えずに任せてました。カマシも良いタイミングで仕掛けたね。後ろを確認する必要が無いくらいかかってましたよ。それでもゴール前はどうかなと思ったが、良く3着に粘ってくれた。満点のレースをしてくれました」
 逃げ粘った飯野祐太は記念では初の優秀戦「いわき海竜賞」に勝ち上がって満足そうにレースを振り返る。
 「村上(義弘)さん相手だし、簡単に先行出来ないと思ってたが、楽に主導権が取れましたね。それでも緊張で最終バックは脚がガクガクしてましたよ。佐藤(慎太郎)さん、金古(将人)さんでワンツーを決めてくれれば良いと思って駆けたのが良かったみたい」
 2着強襲を決めたのは地元勢後位から、巧みに内を突いた木村貴宏。落車続きで不安視された体調も問題なさそう。
 「ホーム過ぎでは飯野(祐太)君のかかりも良かったけど、バック過ぎから佐藤(慎太郎)さんが車間を切ってくるので詰まりましたね。ちょっと外は苦しいし、金古(将人)さんの内を行くしかなかった」


<10R>
荒井崇博選手
荒井崇博選手
   10レースは内から抜け出し主導権を取った菊地圭尚の番手に矢口啓一郎がはまり込んだ。矢口の番手まくりを交わして、伸び切ったのは神山雄一郎
 「レースが続いているけど、疲れは無いと思います。今日は矢口(啓一郎)君が頑張ってくれたね。新車の感じも悪くないし、特に問題はないですよ。ギヤも余裕を持って踏めてる」
 七番手に置かれた荒井崇博(写真)だが、好調を裏付けるまくりで神山に迫った。それでも後ろの原司を連れ込めずに表情は複雑。
 「ホームで行くチャンスはあったが、タイミングを逃してしまって…。バック手前で斎藤(登志信)さんの動きも合って仕掛けるタイミングが…。やっぱり番手まくりの上を行くのはキツイですよ」


<11R>
榊枝輝文選手
榊枝輝文選手
   最終11レースは山崎芳仁が断然の人気も、ゴール前はまさかの失速で3着。2車単は万穴となった。しかし、冷静な分析で2日目以降に備える。
 「向かい風で仕掛けたのが失敗だった。あれでかかり切らなくなってしまったね。石丸(寛之)さんもスンナリ中団だったし。それでも最低限の3着には何とか入れたので…」
 山崎の番手無風で差し切った榊枝輝文(写真)も抜いた事には満足そうだが、あまり余裕は感じられない。
 「飛び付きはないのかなとは思ってた。まあ来たら勝負しますがね(笑)。久し振りの連係だったし、抜きたいと思うほど緊張してテンションが上がってしまった(笑)。やっぱりカマシの時ほどはかかってなかったかも」
 「らしさ」の中割りを決めたのは合志正臣。石丸寛之のまくり追い込みに乗って鋭く伸びた。
 「突っ込む時に閉まりそうでちょっと怖かった。ようやく体調が戻りつつあるのに落車しちゃね…。少し待ってから入った分、アタマまでは行かなかったが、いいコースに入れたし伸びましたね。2日目は荒井(崇博)と一緒だし、楽しみですよ」


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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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