『いわき平競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:8月27日


 開催3日目を迎えたいわき平競輪開設57周年記念・『いわき金杯争奪戦』(G3)は準決勝4個レースをメインに全11個レースが行われた。前検日から晴天に恵まれ、風もそれほど強くなくバンクコンディションは良好。注目の準決勝は地元勢が人気を集めたが、別線も強力、果たして勝負の行方は?。
 最終日のファンサービスは特設ステージにて工藤元司郎氏によるレース展望予想が行われます。
 4日間通して行われるサービスは開門時に2500名様に配られる抽選券にて250名様に1000円分車券購入券が当たります。カーニバルプラザではウォータープールでのボート遊び、屋台コーナーではたこ焼き、やきそば、から揚げ、かき氷などが200円均一で販売されます。
 トップレーサーによる白熱の攻防を是非、ナマでご堪能ください。


<8R>
菊地圭尚選手
菊地圭尚選手
   たったひとつの決勝進出の椅子を巡る戦いとなった準決勝Cは8レース。中団キープした菊地圭尚(写真)が一気まくりでブッ千切りの快勝。ふるさと函館で優参に失敗した鬱憤を晴らした。
 「ラインの厚さに助けられたレースでした。先行、まくりのどちらにしても早めに仕掛けてラインを連れ込みたかったが、後ろが競りで申し訳なかった。久し振りに記念の決勝に勝ち上がれたし、感触は良くなってきてる」
 逃げた中村美千隆はドッカリと座り込んで、レーサーシューズを脱ぐ。
 「圭尚(菊地)を押さえた途端に誘導が上がって脚を使ってしまったよ。まくってきたのが圭尚一人だったから、何とか飛び付く感じで追い掛けたけど、朝日(勇)さんも脚があるから厳しかったね」
 中近の三番手からチャンスを狙った大薗宏だったが、直線は伸び切れずに終わった。
 「前との車間を切りながら警戒してたんだが…。まくってきた圭尚(菊地)が降りてきてハウス(接触)しそうになってバック踏んだところで終わったかも。心の中で『バイバイ』と圭尚に手を振ってた(苦笑)」
 2着で惜しくも優参は成らなかった朝日勇だが、中村美千隆の頑張りを称えながら満足そうにレースを振り返る。
 「この2着は僕にとっては『バーディー』ですよ(笑)。中村(美千隆)君が逃げてくれてるし、止まるかどうか別として波は作らないとね。僕より後ろの大薗(宏)さんが菊地(圭尚)君の動きを警戒してくれてましたね」


<9R>
村本大輔選手
村本大輔選手
   9レースの準決勝Bは2個の椅子を巡って激しい攻防となったが、荒井崇博がたくみに三番手をキープすると一気まくりで楽勝。冷静に勝因を分析する。
 「三番手を取った所で勝負ありでしょう(笑)。スタート取るつもりだったが、外枠の人が早くて(苦笑)。もし石丸(寛之)さんがカマシ返して来るようなら、合わせて出て飛ばすつもりでした」
 荒井後位はスジの合志正臣だったが、赤板で落車のアクシデント。荒井マークを取り切った村本大輔(写真)が流れ込んで、久し振りの記念決勝進出を果たした。
 「僕も狭いところだったので危なかったよ。2着権利だったし、まずは権利の取れる作戦を考えた。顔見せでハッキリ荒井(崇博)君の番手を主張させてもらったが、今日は気合勝ちだと思う。久々に記念の決勝に乗れたし価値があるレースでしたね」
 見過ぎた形になった石丸寛之は恨めしそうに荒井を見つめながらレースを振り返る。
 「完全に(荒井に)見入られてて仕掛けにくかった。ギヤも上げてたし、作戦はカマシだったが、顔見せで競ってるし…」


<10R>
矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手 金成和幸選手
金成和幸選手
   10レースも打鐘で斎藤登志信と三ツ石康洋が落車とアクシデントが続いた。飯野祐太率いる北勢の先制有力と思われたが、主導権を握ったのは矢口啓一郎(写真)。自身も2着に粘って、松戸記念に続き、優参を決めた。
 「落車した人も確認できてました。飯野(祐太)君は転んでなかったので、牽制しながら踏み込んだ。準決は踏み切れた感じで感触は良かった。ライン3人で決められて最高です。信頼できる2人が付いてくれたのが大きいですね」
 3日間オール連対の神山雄一郎は、今日が一番余裕のレース運びだった。
 「北勢がすっ飛んでいくかと思ったが、そうでも無かったですね。矢口(啓一郎)も落ち着いて駆けてたし安心して走れた。最終バックでは3人で決められる手応えはありましたよ」
 飯野祐太と金成和幸はドッカリと腰を下ろしての反省会。さすがに飯野は表情も固く言葉少な。先輩格の金成和幸(写真)が敗者の弁。
 「スンナリ中団なら、そこからもアリだとは思うけどね。矢口(啓一郎)君が流して詰まったので、そこで行くかと思ったが…。ちょっと見過ぎたよね」


<11R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手 村上義弘選手
村上義弘選手
   最終11レースは金澤竜二率いる北日本勢が赤板先行を敢行。村上義弘の巻き返しに合わせて番手から出た山崎芳仁(写真)が堂々と押し切った。
 「金澤(竜二)が良く行ってくれた。早めの仕掛けは作戦通りです。村上(義弘)さんが見えた時は、まだ一周あったが、あれはブロックでは止まらないスピードでしたね」
 山崎に食い下がった佐藤慎太郎が2着キープだが、表情は冴えない。
 「もう少しで村上(義弘)さんに交わされて、お客さんに怒られるところでしたよ(苦笑)。ギヤのせいではなくて、踏めてないな。ちょっと抜ける気がしない…」
 二段駆けの北勢に対して真っ向勝負で意地を見せたのは村上義弘(写真)だ。北勢に主導権を奪われながらも最終ホーム手前から巻き返し。佐藤慎太郎のブロックに苦しみながらも、うまく佐藤後位に入って3着をキープして決勝進出を決めた。
 「北には犠牲になってもいい選手が2人いるわけでしょう。色々作戦は考えたが結論は出ませんよ。ただ、番手も含め総力戦で戦う覚悟はしてました。ブロックされて何とか佐藤(慎太郎)君の後ろに入った時はすでに一杯、追い掛けるのが精一杯ですよ(苦笑)」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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