『いわき平競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:3月23日


 いわき平競輪場開設58周年記念「いわき金杯争奪戦」が3月20日から行われ、本日23日で全日程を終了した。地元の横綱・山崎芳仁が準決勝でまさかの敗退を喫したが、パートナーの伏見俊昭は孤軍奮闘し、地元で唯一決勝進出を果たした。注目の決勝は自力型3車と、山口幸二が単騎で戦う細切れ戦。伏見は小松剛之、大槻寛徳の宮城勢と連係を組んで決戦に挑んだ。レースは小松が平原の番手に飛び付く意外な展開に。番手がもつれる一方、車を下げて中団を確保した伏見がバックから自力まくりを敢行し、通算5度目の地元記念Vを達成した。

決勝戦 レース経過
 号砲と同時に坂本健太郎が飛び出し、正攻法に構える。隊列は坂本-西村正彦が前団、平原康多-神山雄一郎-横田努の関東勢で中団を形成、後方には小松剛之-伏見俊昭-大槻寛徳の東北勢に単騎の山口幸二が続く形で落ち着き、淡々と周回を重ねる。
  赤板から小松が上昇を開始。中団の関東ラインにフタをするが、スッと車を下げた平原が打鐘で一気に叩いて主導権を奪う。小松は平原の番手に飛び付き、神山と競り合い。一旦、ペースを緩めた平原は最終ホームからスパート。山口は平原ラインに切り替え、小松との連係が外れた伏見は六番手で態勢を立て直す。ホームで大槻とからんだ坂本は落車。平原の後ろの競り合いはなかなか決着が付かず、バックからは伏見が自力発進。好回転でまくった伏見が直線で逃げる平原を捕らえて優勝を飾った。逃げた平原が2着に粘り、競り合いの後ろで脚を溜めていた横田が3着に入った。


伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
 山崎芳、岡部芳が準決で敗退するなか、たった一人で地元の牙城を守り切った伏見俊昭に興奮した様子は全くなく、落ち着いた様子で検車場に引き上げてきた。
  「準決勝は絶対に取りこぼせなかったから一番集中していたし緊張していた。初日が2着に終わってしまい、甘えがあった自分の気持ちを引き締められたのが良かったね。決勝はなるようにしかならないと思っていたから逆にリラックスしていけました」
  小松剛之が粘ると、落ち着いて自らは中団を確保。バックから仕掛けると車がグングンと進み、平原康多をあっという間に捕らえて先頭でゴール線を駆け抜けた。
  「小松さんの後にいても詰まってしまうし、引いてから仕掛けた方がいいと。ここは3コーナーは車が出ないから、それまでにスピードに乗せないといけないので、2コーナーを立ち上がってからすぐに仕掛けました。踏み出した瞬間にスピードに乗ったんで行けるかなと。久しぶり自力が出ましたね。小松さんが粘ってくれたおかげで神山さんの強烈なブロックも来なかったし、良い仕事をしてくれました。地元記念はすごく緊張するし、ダービーよりも疲れました。地元で優勝できて嬉しいけど、これで燃え尽きないように次の川崎記念も頑張らないとね」

  平原康多は予想外のイン粘りにペースを乱されたが、粘りを発揮して2着に踏み止まった。
  「小松さんが粘るなんて全く予想していなかった。後ろには悪いことをしてしまったけど、ああなったら自分も勝ちに行くレースをしないといけないし。何とかペースで駆けたけど焦りもあったし、風が強かったから最後は脚が一杯でした。でも、悪条件のなかで2着に入れたし自信になりました」

  3着には横田努が入った。
  「今日は息が上がらなかったし、昨日4回転を踏んだからなのか、四日間の中で一番脚が軽かったね。小松君が粘ったときに一瞬『あれっ』と思ったけど、そこからは落ち着いていけました」

  神山雄一郎は番手を守り抜いたが脚は一杯に。最後は直線で力尽きた。
  「小松君は粘ってくるとは思っていなかったし、思いの外しぶとくて手を焼きました。風ももの凄かったしバックで脚が一杯だった」

  小松剛之は6番車と一番目立たない立場だったが、伏見の優勝の最大の立役者となった。
  「今日は先行する予定だったけど、もし行かれてしまったら粘る作戦でした。平原君を突っ張りたかったんだけど、思ったよりも早かったし、良い勢いで来てしまった。今日は風が強いからもう少し遅めに来るかなと思ったんですけどね。強い人は違いますね」


ゴール




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