『いわき平競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 初日編
配信日:3月19日
午前10時50分に鳴った号砲でいわき平競輪場開設59周年記念「いわき金杯争奪戦」が開幕した。前半戦はまくり連発、風が変わった後半戦は先行ラインからの連絡みが増える展開となったが、SS班勢は順当に勝ち上がって実力を見せつけた。「いわき海竜賞」に地元福島から4名のスターが駒を進めた。北日本勢が他を完封するのか、武田豊樹、村上博幸らの出方は? ハイレベルな戦いから目が離せない。
明日も多数のイベントをご用意して皆様の来場をお待ちしております。5R、7R発売中にはガールズケイリン予選を開催。カーニバルリング内では子供たちによるダンスパフォーマンスも行われます。献血カードをお持ちの方は、明日から入場無料となり、場内で献血して頂いた方にはオリジナルグッズなどがあたる抽選券をお配りします。また献血して頂いた方全員に飲食引換券をプレゼント。ぜひ本場で熱戦をご覧ください。
<1R>
オープニングレースを制したのは1番車の
旭健太郎
だ。大沼孝行の先行に乗っての快勝劇に笑顔が絶えない。
「1番車だし、密かに狙っていたんですが、大沼君が良いレースをしてくれましたね。予選をクリアするのとしないのとじゃ大きな違い。気分も良いし、明日も頑張りたいですね」
<2R>
増田鉄男
が突き抜けて波乱のレースとなった。長く不振に喘いでいた増田だが、ようやく挙げた今年初勝利に感慨ひとしお。
「最悪の時期は脱しましたね。股関節を傷めてから何をやっても駄目だったけど、休養をしっかり取るようにして安定してきました。自転車も思い切って変えたのが良かったのかもしれません。1着が何よりの薬です。これでまた頑張ろうという気持ちになれますね」
<3R>
後方から鮮やかなまくりで前団を捕らえた
原田隆
。落車の影響から立ち直って上向いてきたようだ。
「狙ってという訳じゃないんですけど、うまくまくれましたね。最近は人の後ろを回る事も増えてきたけど、やっぱり力を出し切る競走の方がいいのかな。落車で冬休みを取らされたので、ここから取り返していきます」
<4R>
西徹選手
3Rの再現ビデオを見るかのような展開となった。7番手から
西徹(写真)
がまくって快勝。前走の松阪で見せた好脚をそのまま持ち込んできた。
「(92期)同期の子たちがやり合うことを期待してたんで、展開はアテが外れたんですけどね。まくりに行ってからは、コーナーで自転車が外にふくらまないことだけを心がけて走ってました。脚は悪くないと思います」
<5R>
まくり優位の流れに
荒木伸哉
も続いた。「バックの追い風に乗っていけましたね。三和(英樹)さんに体の使い方を教わって、ようやくモガけるようになりました。アドバイスしてもらってすぐに結果が出て嬉しいですね」と笑顔で語る。
2着の
鈴木規純
は大きな安堵のため息をつく。
「やっぱり緊張しますね。いつも通り誘導員をやってる方がマシですよ(笑)。今日は山崎君が先行する気満々だったので、何とか落ち着かせるのが大変でした。初日をクリアできてホッとしてます。(まくった荒木は)とてもじゃないけど交わせる感じはなかったね。200勝は最終日まで取っておきます」
<6R>
大薗宏選手
主導権を握ったのは関東勢。古屋琢晶がブン回し、ゴール前は爲田学と
大薗宏(写真)
の差し比べ。僅かに伸びた大薗が1着をもぎ取った。
「結果的に茨城でワンツーが決まったし、良いレースになりましたね。ある時期、いきなりレースで踏んだ感じが悪くなったんですけど、クランクの長さが左右非対称になっていたのが原因だって気がついたんです。ダービーの前で良かったですよ。練習では車が出ているし、脚の問題じゃなかったんでよかった」
藤原浩
は「タイミングを取っていたら先に踏まれてしまった。最後もコースを見過ぎてしまった」と浮かない顔。
<7R>
荻原尚人
が絶妙なイン粘りで1着。「二分戦だし、出られたら(粘ると)決めてました」と自信にあふれた表情でレースを振り返る。
2着の
鈴木誠
は胸をなで下ろす。
「荻原は決めてたみたいだし、僕は何とか離れないように付いていくだけでした。もっと早めに番手を確保してしまえばお互いに楽だったんだろうけどね。結果的にワンツーだから良かったけど。地元はやっぱり緊張する。初日勝ち上がれたのは大きいですね。何とか決勝に乗りたいです」
<8R>
河村章憲選手
三番手から
河村章憲(写真)
が突き抜けた。前走の地元戦でも鋭い伸び脚を見せていたが、やはり今節も好調は変わらずといったところ。
「外を踏む場面だし、よく車が伸びてくれたと思います。調子も良いですね。こういう時は展開も向くし、良いサイクルに入ってくれるもんです」
91期対決は
倉野隆太郎
に軍配が上がった。
「キツかったですよ。思ったよりも前と空いてしまったので、追い付くのに必死でした。僕のイメージよりも誘導のペースが速かったみたいですね」
宿口陽一
は「倉野とは同期同班で同学年。仲は良いけど、競走になると意識しちゃいますね。HSで行けなかったなぁ。森田さんに迷惑をかけてしまった」と肩を落とす。
<9R>
斎藤登志信選手
鈴木謙太郎選手
斎藤登志信(写真)
が余裕の勝利を挙げた。「鈴木君のカマシは考えていた展開の一つ。前回、僕が抜かなかったから、連れて行ってくれたのかな」と冗談混じりに笑顔でレースを振り返る。
レースを作ったのは
鈴木謙太郎(写真)
だ。圧巻のカマシ先行でライバルたちを置き去りに。自身も2着に粘って勝ち上がりを果たした。
「とにかくがむしゃらに踏みました。とにかく出切ることだけを考えて。村上さんのヨコを通り過ぎた時はホッとしましたよ。松戸での結果は気にしてません。333バンクは嫌いだし、地元でしかも400ならやれますね」
坂本亮馬
は同期のライバルに脱帽。
「無理ですね。まくり追い込み勝負かなと思ったけど、あれじゃ追い付かないですよ。あまり他人の力をどうこう思ったことはないけど、今日は素直に鈴木さんが強かったと思います」
村上博幸
は何とかしのいで3着に入線した。
「ホームで(松岡が)踏んでいれば、付いて行けたでしょうね。今日は初めて3.79を使ってみましたけど、踏みごたえが軽くて良いですね。色んなギアを踏んでいきたいので、今回はこれで行ってみようと思います」
<10R>
佐藤慎太郎選手
モタつく地元勢を
武田豊樹
が一刀両断。力感溢れる走りで初日をものにした。
「飯野君に乗る形になったけど、見ていて出切れる感じじゃなかったので、すぐに自力に切り替える用意はできてました。靱帯まで切ってしまったので、まだ指の痛みは引きませんね」
2着には武田の番手をさばいた
佐藤慎太郎(写真)
が続いた。
「あのタイミングじゃ佐々木君を入れると厳しいですね。武田さんの仕掛けと、僕が踏むのがちょうど合った感じです。うまく付けたけど、抜ける感じは全くなかった」
同期の山賀雅仁が突っ張り先行。付けた
岩津裕介
は3着に食い込み、「山賀とは初めての連係ですが、頑張ってくれて嬉しいですね。僕は何もしてないですよ。武田さんが上を走っていたので止められなかったですね」
<11R>
伏見俊昭選手
山崎芳仁選手
圧倒的な人気を集めた地元コンビが見事にワンツー。場内のファンから喝采を浴びた。勝った
伏見俊昭(写真)
は「去年の全日本選抜以来のワンツーですね。いつも以上に緊張したし、今日は勝ってホッとしました。ダービーの準決勝より堅くなりましたよ」と汗をぬぐう。
山崎芳仁(写真)
も好発進を決めて表情は明るい。
「抜かれちゃうのは仕方ないですね。道中で結構バックを踏まされたし、3コーナーでは煽りがあって転びそうになりましたから。デキは問題ないですね」
地元勢に続く形となった
後閑信一
は「打鐘であれ以上仕掛けが遅くなるようなら自分で行ってたかもしれないけど、(山崎が)地元で見せ場を作るはずという読みに賭けました。タイミングとしては微妙でしたけどね。しっかり3着に入れているで、調子に関しては何の不安もない」
山崎芳仁との初対戦を終えた
岩本俊介
は「僕は積極的に行くだけという気持ちで走っていました。その結果なので仕方がない。この相手にバックを取れたし、気持ちを切り替えて明日に臨むだけです」と唇を噛む。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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