『いわき平競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 2日目編
配信日:3月20日
いわき平競輪場で開催されている開設59周年記念「いわき金杯争奪戦」は大会2日目を迎えた。坂本亮馬が急病により当日欠場するアクシデントはあったものの、地元勢がズラリと顔をそろえた「いわき海竜賞」をメインに、11Rの熱戦が繰り広げられ、空中バンクからは大きな歓声が飛び交った。
明日(21日)はファイナリストが決まる準決勝4番勝負。チャリティーオークションや、「LOVE9」によるパフォーマンスなどで場内ではたくさんのイベントをご用意しています。海外からの招待選手も参加しているガールズケイリンの決勝戦も開催。ぜひお誘い合わせの上、いわき平競輪場にお越しください。
<5R>
宿口陽一選手
後位のもつれを尻目に
宿口陽一(写真)
が押し切った。昨日に続いての同期対決。初日は動けず敗れただけに、今日の1勝は宿口にとって大きい。
「ラインの高山さんが落車しているので手放しでは喜べませんけどね。今日は誘導を残しておけたし、駆けたのはほぼ1周ですから。でも風はキツかったですよ。それにしても同期対決は意識しちゃうんで嫌ですね。他の同期もテレビで見てるでしょうし。準決勝Aは初めてですね。明日はもっと厳しいメンバーで戦うんで、余計なことは考えず力を出し切ることに集中します」
2着の
米澤大輔
は「番手に付いたけど、変な風が吹いているのでキツかった。脚の感じも昨日に比べて重いですね」と浮かない顔。
<6R>
古屋琢晶選手
関東勢が主導権を握った。ハイペースで飛ばす
古屋琢晶(写真)
は他のラインに全くスキを与えず、ゴール前は大橋直人とのマッチレース。僅かに差されたが、昨日に続き先行で力を出し切り表情は明るい。
「6番(荒木)が仕掛けてきたのは見えましたね。先行争いをするつもりもなかったので出させて中団でも良かったんですけど、良いタイミングで合わせられたので、あとはペースで駆けました。だいぶ体調も良くなってきたし、回せるようになってきた。暖かくなって体が動いてますね」
勝った
大橋直人
は手放しで勝利を喜ぶ。
「古屋君が頑張ってくれたおかげ。それだけですよ。荒木君の巻き返しは見えたけど、ちょっと仕事をすれば止まる感じでしたね。前が行ってくれて、僕も自分の役割を果たせて勝てたんだから最高。感じも上がってますよ」
<7R>
倉野隆太郎選手
大沼孝行が先行態勢に入ると、打鐘過ぎに
倉野隆太郎(写真)
がまくり出る。両者で激しい踏み合いとなったが、法月成祐のブロックをかいくぐった倉野が直線伸びて接戦を制した。
「やばいと思いましたけどね。アクシデントがあったおかげで勝てたようなもの。でも前のスピードが上がる上位相手じゃ通用しませんよ。昨日、キツいレースをした分、脚は軽かったですね」
審議対象となった
法月成祐
はセーフの判定に胸をなで下ろす。
「今期、もう失格しているので祈るような気持ちでした。それほど大きく動いたつもりはないし、なんで落車しているのか分からなかったですよ。これは大きいですね。この流れを生かしたい」
<8R>
飯島則之選手
飯島則之(写真)
が出色の伸び脚を見せた。目標の飯野祐太は踏み遅れたが、中団から直線だけでゴボウ抜き。
「引き続き良いですね。昨日は事故みたいなものだから。武田さんの後ろを走る時は精神状態が普通と違うんですよ。バックで前を見たら結構、車間が空いていたのは見えてたんです。追い付く勢いで行くのかなと思ってたんですが、コーナーに入ってからは微妙でしたね。ただ、僕はすごく落ち着いて走れていた。4コーナーからもコースは見えていたし、どこを割るか考えていられましたからね。誰の後ろでも同じ気持ちで走れるようになるのが今の課題かな」
2着には
岩本俊介
が入線。昨日の悔しさを晴らすレースを披露した。
「ここは相性のいいバンクだと思いますよ。かなり落ち着いて走れたし、主導権を取るまで脚を使わなかったので楽でした。明日も冷静に走ればやれそうな気がします」
飯野祐太
は「地元の緊張で昨日も今日も一杯でした。出た時点でアタマは真っ白。もっと落ち着かないと」と悔しがる。
<9R>
山賀雅仁選手
ケガに苦しんでいた
山賀雅仁(写真)
が復活のまくりで快勝。余韻に浸るようにレースを振り返った。
「もちろん万全の体調という訳じゃないし、鎖骨は気になるけど、こうやって結果が出てくれると気持ちも盛り上がりますね。今ひとつなのは自覚しているんで、ダービーから苦手な押さえ先行を意識して出すようにしたり、幅を広げているんです。駄目な時に勝てないようじゃ、そこで終わっちゃいますからね。本当に嬉しいですよ。お客さんの期待に応えられたのが何よりです」
松尾淳
は渡辺一貴の走りに感謝しきりだ。
「迎え入れてくれなかったら厳しかったと思います。ホームで後ろを確認した分、踏み上がらなかったなぁ。でもギアの感触は良かったんで、明日に向けての手応えはありました」
<10R>
山口幸二選手
中近ラインが人気に応えてワンツースリーの決着。引き上げてきた
山口幸二(写真)
は笑顔で記者団に応える。
「オッズを見たら人気が集中していたんで、なによりそれに応えられて良かったですね。展開も年に一度あるかないかの単調な流れになりましたね。自分の仕事もできたし良いレースだったと思います」
松岡健介
は前受けからの1周先行で2着に粘った。
「早めに来られたら出させたと思うけど、あのタイミングじゃ突っ張りますね。実質的にモガいたのは1周以下ですけどね。連日、後ろの荷が重くて精神的にキツイですよ。脚は悪くないと思うので、準決勝もしっかり力を出し切ります」
完全に仕掛けのタイミングを逸してしまった
荻原尚人
は「内に潜り込んでも山口さん相手じゃ分が悪いし、完全に前のラインにびびってしまった。まくり追い込みに行ったらスポークは飛んでしまうし…」と言葉少ない。
<11R>
山崎芳仁選手
武田豊樹選手
優秀戦「いわき海竜賞」は残り3周という極端に早いタイミングからレースが動き出した。後方から車を上げた
村上博幸
だが「あれじゃ最初から番手に行ってても同じですね。北ラインを下げさせて、武田さんの先行に持って行きたかったんですよ。ここで自力を試したい気持ちも強かったんですが…」と打つ手なしという表情。
一方、
山崎芳仁(写真)
にとってもこの展開は想定外だったようだ。
「まさかあんな早くからレースが動くと思ってなかった。(鈴木)謙太郎が行ってくれたのは嬉しいけど、完全にツキバテですね。レースでは初めてかも。久しぶりに息が上がりました。武田さんが来たのは分かったけど、前に踏める状態じゃなかった。ヨコに動いたけど無理でしたね」
伏見俊昭
は2着確保。「山崎もきつかったでしょうね。みんなで決まるように立てた作戦だったんですけど」。
このレースを勝ったのは
武田豊樹(写真)
。弱気なコメントとは裏腹に、2日間のレース内容は充実している。
「まだ手に違和感はありますけどね。久しぶりにキツいと感じたレースです。練習でもあんなに早くから動くことはないですよ。去年はダービーの後に調子を崩してしまったけど、今年はそうならないよう集中してレースに臨んでいます。うまく気持ちを切り替えて準決勝を突破したい」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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