『いわき平競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:3月21日


 いわき平競輪場開設59周年記念「いわき金杯争奪戦」は3日目を迎えた。折悪しく強風吹き荒れるコンディションとなり、前半戦はどの選手も「こんな風は初めて」とコメントするような突風がバンクを吹き抜けた。午後になってやや収まったものの、やはり展開はこの“風”に大きく左右されることとなった。準決勝は地元福島勢が大活躍。明日の決勝には大挙4名を送り込む結果となった。結束する北日本勢に、他のラインがどんな作戦で立ち向かうか興味深い一戦となる。
 大会最終日も「LOVE9」のパフォーマンスや、ヴァーチャル空間での自転車競技シミュレーションゲームなど多彩な催し物でお迎えします。注目の決勝戦をぜひ競輪場でご覧ください。



<8R>
鈴木謙太郎選手
鈴木謙太郎選手
   鈴木謙太郎(写真)が地元の大声援を後押しに、見事なカマシ先行で押し切った。吹き荒れる強風をものともせず、後続を5車身も引き離す圧勝劇。
 「いつも決勝に乗るのは準決勝Cからですね(笑)。今日は佐々木健司さんのおかげです。打鐘で中団を確保してくれたのが全てですよ。スタートを取って、押さえに来るのが遅ければ突っ張ることも考えていたんですが、大薗さんが号砲で一気に出たのでS取りも必死でした。今回は調整して入ったので、ちょっと練習量的に足りないのかなって不安だったんですが、昨日のレースで仕上がったみたいです」
 2着の井上剛だが、悔しさよりも、むしろ満足げな表情でレースを振り返っていた。
 「昨日、坂本君がいてくれればね(笑)。でも今日は結果云々より、力を出し切れたんで満足です。脚を溜めての伸び脚勝負は上位相手でも通用する手応えを感じられました」
 西徹は「車番がこれじゃ前は取れませんよね。鈴木君がスタートを取ってなければ放っておいてカマシも考えたけどね。今日は仕方ない」。


<9R>

岩津裕介選手
岩津裕介選手

荻原尚人選手
荻原尚人選手

 

   荻原尚人がイン粘りを敢行し展開は大きくもつれた。前のもつれを見た岩津裕介(写真)が渾身のまくりを放ち快勝。西軍が少ない今シリーズを自力で乗り切って優参を果たした。
 「最初からまくりと決めていた訳じゃなく、相手の出方によって走りを変えるつもりでした。まあ荻原君のイン粘りは想定の中でしたね。調子は引き続き悪くないと思います。踏んだ瞬間は手応えがあったけど、ゴール前はさすがに厳しかったですね。坂本君も欠場してしまったし、このシリーズで決勝に乗れたのは大きいですね」
 荻原尚人(写真)は「今日はイン粘りが7割でした」と作戦を明かす。
 「早めに押さえに来て、向こうのラインがもつれるようだったら引いてカマシもありだったけど、渡辺さんも下げるような素振りが見えたんで、粘ることに決めました。うまく当たれましたね。(岩津が)絶対に来ると思ってたんで、ためらわずに踏んだんですけど行かれてしまいました。でも、自分の持ち味は出せたと思うんで。昨日はつまらないレースをしてしまいました。お客さんにも申し訳なかったし、今日はその分を取り返せたかな」


<10R>
伏見俊昭選手
伏見俊昭選手
   準決勝A最初のレースは出入りの激しいレースとなった。SS戦士をラインに付けた若手同士が先陣争いを繰り広げ、打鐘前からデッドヒート。この争いは飯野祐太に軍配が上がり、番手有利に進めた伏見俊昭(写真)が地元記念での決勝進出を果たした。
 「飯野君も頑張ってくれてたけど、その気持ちに応えるためにも前に踏ませてもらいました。ためらいながらだったので車の出は悪かったですね。決勝に乗ってホッとした気持ちもあるけど、最後まで気を引き締めて優勝を狙っていきます」
 3着は松尾淳
 「記念の決勝は3回目です。でも、今日は山口さんに申し訳ないことをしてしまった。明日はその分も力を出し切りたい」と話す。


<11R>

山崎芳仁選手
山崎芳仁選手

村上博幸選手
村上博幸選手

 

   やはり山崎芳仁(写真)の破壊力は常人の想像を超えていた。8番手まで下げてのまくり返し。ダッシュ勝負を挑んだ若手を簡単に飲み込んで快勝した。
 「やっぱり地元なんで緊張しますよ。あの仕掛けで届いたし悪くないと思います。ギアの感じもこれで行ける」と二度目の地元記念制覇へ視界が開けたようだ。
 2着には佐藤慎太郎が食い込んだ。
 「一緒になって踏み上げてるような感じだった。4回転にして正解でしたね。3コーナーで山崎が坂上に接触しそうになっていたけど、余裕があったんで焦りはなかった。そんなに感じは良くないけど、決勝に乗れたんで大丈夫でしょう」
 さすがの走りを見せたのは村上博幸(写真)。今シリーズは未勝利ながら、きっちり優参を決めてダービー王の面目を施した。
 「自分なりに役割を果たして決勝に乗れたんで、良かったと思います。山崎が来たのは分かったけど、松岡さんもキツそうだったんで、行けなかったのはしょうがない。最後は勝負なんで突っ込みました。やっぱり山崎さんにスタートを取られると厳しいですよね」
 岩本俊介は「今日は自分がやるべき事はやったと思います。ホーム、バックは取れたし、力を出し切ったから」と力強くコメントする。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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