『いわき平競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:1月25日
 いわき平競輪開設64周年記念「いわき金杯争奪戦」が1月22~25日の日程で開催された。決勝戦は武田豊樹、小松崎大地に自力2車で並ぶ南関勢が激突。南関の前を任された佐藤龍二が主導権を握ると、続いた小埜正義は最終1コーナーから番手まくりを打つ。周回中から南関ラインを追走していた岩津裕介は3コーナーから内をすくうと、栗原厚司を飛ばして直線一気に。見事に単騎での戦いを制した。
決勝戦 レース経過
 号砲で武田豊樹が外の選手の様子を見ながら踏み上げ、正攻法に構える。隊列は武田-神山雄一郎-後閑信一の関東勢が前団、小松崎大地-佐藤和也の東北コンビで中団、後方に佐藤龍二-小埜正義-栗原厚司の南関勢、最後方に単騎の岩津裕介の並びで落ち着く。
 赤板前の4コーナーから仕掛けようとした佐藤龍を制して小松崎が先に動く。誘導員を交わして突っ張り気味に踏んだ武田を押さえて小松崎が前に出たところを今度は佐藤龍が一気に叩いて打鐘前から主導権を握る。単騎の岩津はこれに続いて4番手を確保。外を追い上げた武田と小松崎で5番手を激しく取り合う。ハイペースで逃げる佐藤龍を小埜が最終1コーナーから番手まくり。終始、外併走の武田はバックからまくり上げるも岩津の横でいっぱい。3コーナーで内をすくった岩津が栗原をどかして小埜後位を奪うと直線鋭く追い込んで優勝を飾った。最終2センターで車を外に持ち出した小松崎が直線伸びて2着。番手まくりの小埜は3着に敗れた。


岩津裕介選手
岩津裕介選手
 岩津裕介(写真)の真骨頂ともいえるレース運びだった。
「少しでも前にいないと勝負にならない。武田さんもたぶん積極的に動くだろうし、みんな積極的に動くだろうから。最終的に主導権を取るラインに乗って行こう」
 単騎だからこそ組み立てに迷いはなかった。一番積極策に出そうな南関ラインを初手から追走すると、佐藤龍二、小埜正義の2段駆けの前に武田豊樹の巻き返しは不発に。3コーナーから内に進路を取った岩津は栗原厚司を飛ばして、粘る小埜をとらえた。
「年末のグランプリと大宮記念の決勝が不甲斐ないレースだったので、今日はとにかく迷惑をかけないよう、車券に貢献できるようにと思ってました。急にギアが小さくなって、まだ戸惑ってるんですけど、徐々に慣れてきました。優勝は本当に嬉しいです」
 グランプリの落車でまだ状態は万全とはいえない。それでも抜群のレースセンスと勝負強さで優勝をもぎとった。
「まだG1で優勝していないので。G1優勝を目指して、これからも一戦一戦頑張っていきたいと思います」
 このあとも奈良記念、全日本選抜とタイトなスケジュール。走りながら、岩津はギアとの一体感、状態回復を求めていく。

 武田との中団併走で内に詰まる形になってしまった小松崎大地だったが、2センターで武田が力尽きるとすかさず空いたコースから前へ。地元で優勝する、その一心で前団に迫ったが岩津には届かなかった。
「今日は勝たないといけないと思ってたんで…。これだけ勝ちを意識したのは初めてです。武田さんは来るだろうなとは思ってたけど、あまりに早かった。整う前に来たんで。(コースが空いてからは)意地でもと思いましたけど、脚に来てた。もうワンテンポ早く踏めたらね」

 大宮記念決勝では同県の鈴木裕の番手回りだったが、平原康多の先まくりに屈した小埜正義。佐藤の番手回りだった今回はかぶる前に1コーナーからまくって出たが、またしても優勝には手が届かなかった。
「出し切りました。岩津が強かった。僕も精一杯、振りしぼって走ったんで。(佐藤には)あれ以上求めてないし、応えたかったんだけど…。弱いですね。ちょっと早くなったのはあるけど、来ても来なくても2コーナーからは行こうと思ってました。力不足です」

 前受けの武田豊樹は7番手に下げると、すかさず打鐘過ぎからリスタート。小松崎との外併走からバックで再度まくり上げたが、2センターで力尽きた。
「(小松崎が先に斬って来たが)あれ以上突っ張っても、次に2段駆けが来るから。一生懸命やった結果だけど、もうあれ以上は行けなかった。よく覚えてないけど、今日はずっと踏んでた。でも、負けだから。次だね」

 3コーナーで岩津にすくわれてしまった栗原厚司は悔しさを隠せない。
「入ってくるのは分かってたけど、最後に中割りかと思ってた。そしたら振ったときに、すかさず入られてしまった。自分が甘いです」

ゴール
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