『弥彦競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:7月26日

 弥彦競輪場で開催されている開設69周年記念「ふるさとカップ」は、7月26日に2日目が行われた。AとBに分かれて争われた二次予選では、地元の諸橋愛やS班清水裕友が勝ち名乗り。松井宏佑や松本貴治、島川将貴ら若手機動型も1着で準決勝進出を果たした。3日目はメインの準決勝3個で、決勝への切符をかけた熱いバトルが繰り広げられる。
 本場では27日の3日目も、入場口にて日替わりドリンクと瞬間冷却パックを先着800名様にプレゼント。さらに、8Rの2車単配当金の下2ケタで当選番号を決定し、「ふるさとカップオリジナルクオカード」が当たるラッキーカードも先着800名様に配布します。準決勝戦の勝利選手インタビューの際は、選手からプレゼント券を10名様に手渡しします。また、中野浩一さん・後閑信一さん・アシスタントの矢野冬子さんに、MC玉袋筋太郎さんを加えて「本気の競輪TV」の公開生放送を実施しています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

<6R>

東龍之介選手
東龍之介選手
 赤板で先頭に立った巴直也が、徐々にスピードを上げて逃げる。単騎の原田礼と西田大志が4、5番手で、才迫は6番手で最終回へ。車間を開けてタイミングを計った才迫はバックから仕掛けるが、西田もタテに踏み込んで大外を回される展開に。巴マークの東龍之介(写真)は後方を警戒すると、2センターから踏み込んで白星を挙げた。
 「僕に気持ちの余裕があったら、(巴を)もっと残せたのかなって思います。あのタイミングでタテに踏んでしまったっていう部分では、追い込みとして反省ですね。でも1着はうれしいですし、勝ち上れたので反省を生かして、明日(準決)も頑張ります」
 南関ライン3番手の萩原孝之が2着に続いた。
 「最後はしょうがなく内のコースに行ってしまいました。外も結構、来ていたから持ち出せなかったですね。とりあえず勝ち上がれたんで良かったです。感覚は悪くないですよ。2着に入れているんで」


<7R>

野田源一選手
野田源一選手
 後攻めから前団を押さえた佐藤雅春が赤板過ぎに先行態勢を取る。中団の野田源一(写真)がこれに乗り換え、前受けの中島将尊は7番手まで下げる。打鐘前から反撃に出た中島に合わせて佐藤はペースを上げる。中団は併走となったが、野田が中島を飛ばして2コーナーからまくる。近藤俊明のブロックを乗り越えた野田がそのまま後続を引き離して快勝した。
 「落ち着いて集中力を保って組み立てられたと思う。配分が多い中でお寺(違反訓練)もあり、脚の上積みができない状態だけど、何とかですね。バンクコンディションは風もなくて軽いけど、仕掛けるときに重く感じるのはそのあたりでしょう」
 野田マークの萱島大介は2着で初の記念準決勝へ駒を進めた。
 「前のおかげ。付いていっただけだから。中島君のラインが終始外にいたので、降りてこらないように注意して。特に(野田が)仕掛けるときにこられると離れてしまうから」
 中島将尊は早めに巻き返したが、中団までが精一杯。シンガリ負けを喫した。
 「今のレース形態と僕の脚質で押さえ先行は難しい。引いての巻き返しは作戦通りで、あれでいけるかどうかだから。佐藤さんに気付かれるのが早かったし、中団まで上がった時点で脚は一杯でした」


<8R>

島川将貴選手
島川将貴選手
 後ろ攻めから動いた竹澤浩司は、中団の島川将貴(写真)にフタをした後に打鐘で堀内昇を叩いて先制。しかし、堀内も内側で抵抗し、3番手で谷田泰平とからみながら最終回へ入る。そこへ、後方から島川が一気のスパート。豪快に前団を飲み込むと、そのまま後続を振り切って快勝した。
 「あんな展開になると思わなかったですね。隊列が短くなって展開が向きました。竹澤さんもカカっていたけど、(自分の)体が楽なのでそこが一番です。(優勝した)名古屋の前に10日間しっかり休んで、これが疲れが抜けている状態なんだと分かりました。いつもは練習をしていないと不安になっていて、疲れていたので。(昨年11月)小松島で優勝した時も、肉離れで休んでから行った時なんですよ。それで阿竹(智史)さんにも、やっと(調整方法に)気づいたかって言われました。決勝には乗りたいけど、(準決勝も)難しいことは考えずに自分のやりたいレースをやります」
 島川マークの吉岡篤志は最終2コーナーで離れてしまい、逃げた竹澤浩司が2着に粘った。
 「(堀内が)突っ張るか、どうするのかをずっと見ながら行きました。(島川に)行かれた後は、目標になってガマン、ガマンと思って。思ったより踏めましたね。初手で島川が中団にいてくれたことも、展開が良かったです」


<9R>

松本貴治選手
松本貴治選手
 赤板でハナに立った小森貴大の上を、松本貴治(写真)が叩いて主導権を握る。橋本強は松本に合わせて踏んだ鈴木竜士に阻まれて一度は連係を外したが、すぐに番手まで追い上げて打鐘を迎える。ハイペースで逃げる松本に、4番手の鈴木は最終バックから反撃開始。しかし、なかなか車は進まず、最後まで踏み切った松本が別線を完封して逃げ切った。
 「(打鐘前に橋本が)離れたのが分かったので、一回待ってから踏みました。しっかり踏めているって言うより、タレてないですね。体の状態も良いし、自転車のセッティングも良いのかなって感じです。前回(小松島FI)が悔しかったので今回は内容も意識して、結果が出ているのでうれしいですね」
 松本マークの橋本強が2着に続いた。
 「あいつ(松本)の持ち味は先行なんでね。あれだけ行ってくれたら頼もしい。でも、抜けなかったのは誤算です。あれで交わしていたら完ぺきだったんですけど。道中の余裕はすごいありました」


<10R>

松井宏佑選手
松井宏佑選手
 後ろ攻めから上昇した山岸佳太が赤板過ぎから駆ける。中団は内に松井宏佑(写真)、外に柴崎淳で併走が続く。最終ホームで柴崎が強引に内に締め込んで中団を奪ったが、内藤秀久が金田健一郎をどかして松井を6番手に迎え入れる。松井はそのアシストに応えるべく、2コーナー手前から豪快にまくって圧勝した。
 「ライン3人で準決勝へ行きたかったので、態勢を立て直してからすぐに仕掛けた。初日より脚の感じは良かったと思うし、3日目以降も上がると思います。タイム的には、矢野(昌彦)さんのあおりを考えて外寄りを踏んでいたので、そこまでじゃないかも(上がりタイムは11秒0)。2日目の後にハンドル回りを調整して、少し楽に回せるようになった。競技用のガーボンフレームがハンドルの高めなセッティングなので、それに近づける感じですね」
 3着の内藤秀久は松井とワンツーこそ叶わなかったが、マーカーとしての役割りは果たした。
 「(松井は)中団併走になったけど、引く必要はないでしょう。僕は自力選手に1車でも前の位置から仕掛けてほしいと思うし、その場所を作ってあげるのが役目だから」


<11R>

諸橋愛選手
諸橋愛選手
 後ろ攻めの稲垣裕之は、渡邉雄太にフタをしてから赤板でハナに立つ。そこを渡邉雄太が押さえて主導権。ライン4車で前に出切って、稲垣は5番手で打鐘を迎える。すると、8番手に置かれた山田庸平が近畿ラインをすくって中団が入れ替わる。それでも逃げる渡邉に別線は反撃できず、隊列は一本棒で最終バックを通過。最後は、車間を開けて援護した地元の諸橋愛(写真)が余裕をもって抜け出した。
 「初日に刺激が入って、感覚が研ぎ澄まされていました。誰が来ても止めるつもりだったけど、その必要もなかったですね。ホームで(渡邉が)駆けて行った時にビリビリしてきたから、これはもう(別線は)来れないなと。(渡邉)雄太も自信を持って駆けているし、巧く決まって良かったです」
 藤原憲征が2着に続き、地元ワンツーが決まった。
 「渡邉君のお陰です。安部(達也)さんも4番手を固めてくれましたからね。安部さんもいたから早めに踏んだけど、諸橋さんを抜けなかったですね。良いきっかけになると良いですね」


<12R>

清水裕友選手
清水裕友選手
 青板バックから動いた小林泰正は、中団の清水裕友(写真)にフタをして、赤板で渡邉一成を押さえてハナに立つ。4番手に渡邉、7番手に清水で打鐘。前でスピードを上げない小林に、渡邉は2センターから仕掛けて最終ホームで主導権を奪取する。しかし、佐々木雄一が離れてしまい、番手に小林がはまって最終回へ。そこへ清水が2コーナーまくりで迫って前団を抜き去り、そのまま力強く押し切って連勝を決めた。
 「(小林に)フタをされなければ、自分でチャンスがあれば行こうって思っていたんですけど、結構早くから来ましたね。周回中から楽だったし、踏み出した瞬間に行けるなって感じでした。久々に自転車に乗っていてしっくり来ましたね」
 清水に食い下がった坂本健太郎が2着。西日本ラインでワンツーが決まった。
 「(清水が)マジで強い。さすが、レッドパンツですよ。調子が良くても、あの辺には太刀打ちできないですね。先行ならまだしも、2コーナーまくりだとね…。抜きに行こうと思ったけど、力んでしまうと思って抜きに行けなかったです」