『弥彦競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:7月29日

 弥彦競輪開設72周年記念「ふるさとカップ(GIII)」は7月29日に2日目を終了。真夏の炎天下の下で行われた二次予選は落車のアクシデントはあったものの、平原康多、諸橋愛、荒井崇博、三谷竜生が1着で勝ち上がるなど主力陣は順当に準決へと駒を進めた。明日30日はいよいよファイナリストを決める準決。シリーズも佳境を迎える。
 なお、30日の弥彦競輪場でもCHIBI UNITYよるダンスパフォーマンスが行われるほか、神無月爆笑ものまねライブ、坂本勉さんらによる場内予想会、先着1000名様への来客者プレゼント等をご用意してお客様のご来場をお待ちしておりますが、「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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東口善朋選手
東口善朋選手
 赤板で切った藤根俊貴を、皿屋豊が打鍾で叩いて主導権を握る。前受けから7番手に下げ切っていた島川将貴は、打鍾過ぎ2センターから仕掛けて皿屋に襲い掛かる。皿屋マークの東口善朋(写真)は最終ホームで大きく島川を張って援護するが、島川はそれを乗り越えて先頭に立つ。が、けん制で香川雄介が離れ気味になり、東口は島川後位にスイッチ。4コーナーから追い込んだ東口が抜け出して、準決勝への切符をつかんだ。
 「内枠だったし、それを使おうということで中団から。(島川の)スピードが(皿屋と)一緒くらいだったから判断が難しかった。もっと速いスピードで来られたら迎え入れられたけど、叩くのに時間がかかったし、皿屋君も内に行く感じだったので前に踏ませてもらった。前々回落車して、前回も悪かったけど、一走したことで集中して走れた。勝ち上がりで1着を取れたので良いように向いていると思う。感触も上がっているし1着は良い薬になる」
 皿屋をねじ伏せた島川将貴は後位が敵になるも、3着に踏ん張った。
 「(最終)ホームでは行けたらいいな、1センターまでには仕掛けようと思っていました。踏み出してから途中までは感じが良かったけど、東口さんに結構(外まで)追いかけられて。脚に来たし、乗り越えるのがしんどかった。後ろに東口さんが入ったのが分かったけど、もういっぱいでしたね。あれぐらいの距離でももっと良いタイムで逃げないと上では戦えないです。マックスの力は出せたと思う。またセッティングを全体的に修正したいし、自転車と向き合ってきます」


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佐々木雄一選手
佐々木雄一選手
 赤板で切った矢口啓一郎は、中バンクに上がって松本秀之介を警戒する。小松崎大地はその隙を逃さず、俊敏に関東勢の内をすくって前に出る。打鍾で松本が叩き、九州勢に中四国勢が続いて小松崎は5番手で最終周回。2コーナーで仕掛けた小松崎が前団を捕らえると、最後はマークした佐々木雄一(写真)が8分の1輪差し切った。
 「(小松崎が内をすくった動きは)とっさの判断だけど、下げると後方になるので、いい判断だった。(自分は)口が空きながらで精いっぱい。状態は6月から上向きなんですよ。(セッティングの)ポジションをミスしていたので戻しただけ。あとは前の頑張りにつきる」
 隙の無い立ち回りを見せた小松崎大地が2着。
 「(初手は)出たところからでした。(内をすくったのは)前と後ろの動きを見てですね。松本君は徐々に駆けていくような仕掛けで、4車ラインのような先行で(前が)遠かったけど、まくりきれたので良かった。昨日(初日)のレースとは違うけど、(状態は)悪くないです」


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荒井崇博選手
荒井崇博選手
 木村幸希は、中団の上田尭弥にフタをしてから踏み上げて打鍾前に先頭に立つ。上田は中四国勢を追って中団で松坂洋平と併走になる。だが、打鍾過ぎ2センターで松坂が落車し、後続も乗り上げて南関勢3車が落車。この煽りで上田が外に浮き、見かねた荒井崇博(写真)は中四国勢後位に切り替える。荒井は最終2コーナーで自らまくりを放ち、後ろを千切ってゴールした。
 「松坂が前を取ったら中団からで、(上田が)カマすと思ってたんだけどね。木村(幸)君の出脚がよかった。あの辺(最終ホーム)から記憶がない。絶対1着と思っていたし、人のことに構ってられなかった。切り替えた形になったし、仕掛けないと後ろに失礼。まあ、みんな脚を削りあっていたし、俺だけサラ(脚)だったからね。(通算500勝まで)あと3勝。(中川)誠一郎よりも早く達成しなきゃでしょ」
 木村幸の先行に乗った池田良は、荒井には上を行かれたものの、3コーナーから前に踏み込んで2着に入った。
 「前を取ったら勝負権がないと思ったし、後ろからフタをして、あとは木村(幸)君に任せていました。(木村幸は)想像以上にやる気でしたね。(落車の)音は聞こえたけど、何人こけたとかは分からなかった。荒井さんは見えて、飛んでくるだろうなとは思ったけど。あそこまで頑張ってくれたらモノにしないとと思って(踏んだ)。状態は初日から変わらないですね」


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三谷竜生選手
三谷竜生選手
 中団から櫻井祐太郎が先に切り、その上を叩こうと小畑勝広も踏み上げる。だが、櫻井は小畑を突っ張って出させない。小畑を突っ張り切った櫻井の主導権だが、脚をためた三谷竜生(写真)は最終2コーナーから発進。成田和也のけん制もスピードの違いで乗り越えて、そのまま1着でゴールした。
 「(櫻井と小畑が)あそこまでやり合うと思わなかったし、展開が向いた。(小畑と河野が中団に降りたが)あの感じで被るよりも、自分のタイミングで踏んだ方がいいので、入られてもいいなと。自分のタイミングでまくることができて、成田さんのブロックも対応できればと思っていた。昨日(初日)のレースでは調子はわからなかったけど、今日でわかって、勝負できるかなと」
 村上博幸がまくりに付け切り2着に続いた。
 「(長欠から復帰2場所目で)自分はまだまだこれからだけど(三谷)竜生の後ろで走れることで体がわかってくる。追走は大丈夫だったけど、(最終)4コーナーから差しにいった時にペダルが体重に乗らなかったし、これは抜けんなって。4コーナーからの速度がまだまだです」


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諸橋愛選手
諸橋愛選手
 自らスタートを取った菊池岳仁が前受け。後ろ攻めの佐藤一伸が切りに動くが、誘導と車間を切って備えていた菊池が突っ張って出させない。8番手に戻った佐藤が打鍾から巻き返し、菊池も合わせて一気にペースを上げる。グングンと掛かっていく菊池を、諸橋愛(写真)は車間を切って追走。絶好態勢の諸橋が、余裕を持って抜け出した。
 「あいつ(菊池)の練習の強さを知ってるだけに(ゴール前は)強めに踏んだら出過ぎちゃって。踏むのをやめたら横山(尚則)が追い込んでたし、これで2着は駄目だと思ってまた踏んだって感じです。(菊池は)ペース配分を失敗したのかな。(最終)ホームで踏み直した感じは一気に掛かってたし、ペース配分を考えれば、面白かったと思いますけどね。横山が内を締めてくれていたし、自分は何もすることがなかったし恵まれました。昨日(初日)は負けたけど、成田(和也)君のあれがなきゃレース勘が戻っていなかったと思う。負けたけど、刺激は入った。今日(2日目)は思ったよりも落ち着いていたし、余裕もありました。やれる感じはしますね」
 別線に手も足も出させなかった菊池岳仁だが、ゴール前でわずかに末を欠いて3着に。
 「突っ張りと決めていたんですけど、力みました。ここ数カ月で一番力んだ。いつもお世話になっている諸橋さんが後ろで、気合が入りすぎました。諸橋さんは信頼できる人ですし、自分の走りをするだけだと思って、結果的にラインでワンツースリーが決まったのでよかった。誰かが来るところまで待って待ってで合わせて踏んだけど、末が甘かった。思ったよりも脚がたまらず、パクついた感じです。体のケアをして地元記念の決勝に乗れるように頑張りたい」


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末木浩二選手
末木浩二選手
 吉田拓矢が中団の大石剣士にフタをしたまま赤板を通過する。大石は苦し紛れに打鍾手前で九州勢の内を突くが、コースが空かずに内に詰まる。それを見た吉田はすかさず吉本卓仁を叩く。後手踏んだ大石は不発で、吉田の絶妙なペースの前に中団の吉本も仕掛け切れない。吉田マークの末木浩二(写真)は直線で鋭く追い込み、吉田を交わして連勝を決めた。
 「(吉田と初連係で)緊張は大きかったけど、自分の経験になるので楽しみにしていた。付いている感じはどんどん踏み上がるので、感覚で誰もこれないと。(差して)自信になりますね。調子はいいと思うし、余裕もあった。うれしいし(吉田の後ろは)先行の勉強になる。すごいなと思いました。記念の決勝は乗ったことがないので、地元で乗りたい。コンディションはすごくいいので、チャンスはあると思う。弥彦は地元って感じもあるし、気合が入る」
 吉田拓矢が別線完封。S班の貫禄を感じさせる走りで二次予選に進んだ。
 「初手(で前)を吉本さんが取ったら、後方になるかなって。大石君が前なら、押さえて駆けようと思った。先行すればかたいかなと思って。あとは自分でもつように。ペースで最後まで踏めたけど、暑さなのか、メリハリが体にない。ずっとボーっとしている感じ。昨日(初日)の方が集中できていた。しっかり決勝に乗れるように」


<12R>

平原康多選手
平原康多選手
 切った中部勢を叩こうと太田龍希が動くが、合わせるようにして中部勢後位から飯野祐太も踏み上げる。太田は飯野の上を力ずくで叩いて打鍾で主導権を奪う。後方に置かれた吉田茂生は最終1コーナーから巻き返しを狙うが、あおりもあって進みはイマイチ。後ろの動きを確認した平原康多(写真)は、4コーナーから前に踏み込んで抜け出した。
 「(太田)龍希がやりやすいようにと思っていたし、中団を取れたらいいなって感じでした。もう踏むポイントとかは全て任せていました。(太田は)徐々に上がっていくような感じでしたね。吉田(茂)君がまくって来たのは分かったし、そのあとに飯野が来なかったので(太田を)残せるなと思ったけど、直線で失速しちゃいましたね。もうコンマ3、4秒我慢できれば4着には残れると思うし、そこは彼の課題じゃないですか。昨日(初日)が猛烈なハイピッチで、それに比べれば今日(2日目)は楽に感じました。調子もかなり戻せている。人の後ろでも(前回と)感覚が違うので大丈夫ですね」
 地元の鈴木庸之が平原に続いた。
 「後ろは一回も気にしてませんでした。離れないことだけ考えて。レースが流れてしまえば、楽と言えば楽ですね。あとは平原さんが番手から出て行ったりした時に離れないようにと。分かっていた展開だったので、余裕もありました。今の調子でやれる範囲でやるしかない」