『弥彦競輪場開設56周年記念(GIII)レポート』 前検日編
 
配信日:7月12日



 本日決勝戦を迎える松阪記念に続き、明日13日からは開設56周年弥彦記念『ふるさとカップ』が開幕する。前検日のこの日の弥彦は、激しい雨が断続的に降りつける梅雨明け前の生憎の悪天候となったが、各地から参加選手が続々と競輪場入り。S1班上位級の先行型が手薄のシリーズで、波乱ムードも漂う中、小橋正義、阿部康雄、藤原憲征の地元トリオやダービー王の吉岡稔真らがV奪取へ闘志を燃やす。
 

<9R>
矢口選手
矢口啓一郎選手
   さて、注目の地元3者だが、特選3個レースにきれいに分かれた。9Rから順番に見ていきたい。その9Rは矢口啓一郎、石渡正也と関東は先行型が2車いるが、互いの持ち味を生かすためにも別線でのレースに。小橋正義は勿論、連係実績豊富な矢口を信頼しての競走となる。
 「前回の親王牌も展開は良くなかったけど、自分なりに車は出ている感触はありました。成績にはまだ波があるけど、体調は一時期に比べてかなり安定してきたね。今年も半分終わったけど、これから頑張らないと」
 矢口は、ここ追加での出走だが、デキに問題なさそう。
 「親王牌が終わって少しゆっくりしようかと思ったんですが、結局、休んだのは1日だけです。親王牌があまりにも不甲斐ない成績だったんで…。追加ですけど、ここの追加だったら受けようと思っていたので問題ないです。小橋さんとは番手、三番手に付いてもらったり色々。連係は数え切れないくらいありますね。油断せずいい展開に持ち込めれば、自分にも小橋さんにもいい形になると思います」


<10R>
大田選手
太田真一選手
   続く10Rは高城信雄、太田真一、三ツ石康洋を先導役にした三分戦模様。その自力3人に聞いた。まずは高城から。
 「親王牌は初日に飛んだ(負けた)のが全て。あとは自分のレースが出来ましたけど。最近、初日は意識しすぎてしまうのか、固くなってしまうことが多いんです。弥彦は去年のふるさと以来ですが、走りやすいイメージがありますし、その流れを変えたい」
  太田も、9Rの矢口と同様に急な追加での出走だが、準備は万端。
 「追加を聞いたのは昨日のお昼。午前中まで練習してたし、多少下半身に張りはありますけど、大丈夫でしょう。前回の優勝は国際レースで栗田雅也君の番手を回ってのもの。あんな楽なレースをしたのは初めてでしたが、調子もいいですよ。だから、ここの追加が来たら受けようと思っていました。関東地区の大きなレースだし、調子がいいうちにどんどん走っておきたいから。ここを走っても次の福井記念までは10日以上ありますからね」
 逆に三ツ石はこのところ配分過多で疲れ気味の様子。コメントもやや弱気だった。 「ここも追加ですけど、最近、追加が来まくりで、走りすぎですね。今の肉体年齢は45歳(苦笑)。正直、キツいし、イキのいいレースが出来てません。でも、走っていって何とかするしかないし、とにかく明日は相手が強いので、ぶつかっていくだけです」
 また、藤原憲征も宮杯の落車が影響してるのか、精彩を欠く近況。ここは太田に前を任せてのレースだ。 「(落車の)影響がないと言えば嘘になりますが、それは言っても仕方がない。やるしかないです。直前の練習はバンクには入らず、街道だけ。前回から日数もなかったので、本当に普段通りですね」


<11R>
岡村選手
岡村潤選手
   特選最後の11Rは浦山一栄、岡村潤が互いに先手を譲らぬ構え。岡村は過去に何度も対戦している浦山に闘志をムキ出しにする。
 「ずっとFⅠでいい成績が続いていたので、自分でも勘違いしてる部分がありましたが、前回、親王牌を走っていい勉強になりました。同じFⅠを走ってる選手でも、GⅠに来ると全然違う。自分は気持ちで負けていました。明日は浦山さんがいますが、先手だけは取られぬように。以前、浦山さんに駆けられて何も出来なかったことがあったけど、浦山さんのレースはそういうレースですからね。ただ、出切って流したりしたら吉岡さんのカマシが飛んで来ると思うので、そこは良く考えて、(番手の)渡辺晴智さんが仕事をしやすいように走りたい」
  その先行バトルの様相を横目に、王者吉岡稔真は気負わず淡々と近況を語った。
 「(心配される4月の落車負傷の影響だが)もう大分いいと思う。前ほど痛みもないしね。明日もいつも通りの競走だね」
  阿部は浦山マークで勝ち上がりを狙う。
 「親王牌の落車は擦過傷だけでもう完治しています。練習も昨日は雨だったけど、それまでは天気も良かったので、3、4日出来ました。地元記念ということで自然と力が入りました」


<2R>
田村選手
田村英輝選手
   さて、一次予選、選抜の選手も何人か取り上げたい。2Rの田村英輝は実質、先行一車の組み合わせだ。
  「一周半駆けても残れるのが自分のスタイル。ただ、前回は風邪の影響で99着をやっているし、今回も走ってみないことには。でも、一年以上記念の準決には乗ってないし、今回は準決Bくらいまでには勝ち上がれるように頑張りたい」


<5R>
 5Rには、5月にS級特進を果たした志村太賀が登場。
 「S級戦はやっぱり最後の4コーナーから一気に来られてしまう。ちょっとしたスキもないですね。正直、まだS級で戦えるという手応えはつかめていないし、ちょっとずつ結果を出していくしかない」


<7R>
 7Rの小島雅章は勝つ競走に徹したいと力をこめる。
 「記念は初日に大敗すると、点数も下げちゃいますし、お人好しな競走はしてられないです。前回決勝に乗って、調子もいいので、結果を出したいですね」


<8R>
 8Rに出走の徹底先行の荻原尚人は売出し中の新鋭。不気味な存在だ。
 「豊橋から中三日だし、雨も降ってほとんど練習できてません。ただ、それで疲れが抜けていれば、逆にいいかも。地区に関係なく、自分に付いてくれる人がいる限り、徹底先行という競走スタイルを貫きます」


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