『弥彦競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 前検日編
 
配信日:7月7日


 前橋・寬仁親王牌の興奮冷めやらぬ中、開設57周年弥彦記念は『ふるさとカップ』として8日から開催される。一昨年、昨年と豪雨に見舞われたが、7日の前検日は曇り空から薄日も射す天候の中、S級の精鋭99名が集結した。
 尚、初日はファンサービスも盛り沢山。吉岡稔真氏のトークショーは5レース終了後にセダーハウス内特設ステージにて。すぴRitsによる模擬レースは7レース終了後。これに先立ち、先着1000名様に1着当て投票が行なわれます。また先着1000名様にスピードくじが配布され、すぴRits扇子、スピーディアマグネットが当たります。
 4日間通して行なわれるファンサービスは、地元選手トークショー(3レース終了後)、VICTORY予想会(吉井秀仁氏、斉藤ゆうこ氏)。また、先着50名様に地元予想紙進呈、先着100名様に満腹ガラポン抽選会、先着1000名様には日替わりでハンドタオル、ウエットティッシュなどが配布されます。心配された天候も何とか持ちこたえそうで、ナマの迫力を本場でご堪能下さい。



<1R>

金沢竜二選手
金沢竜二選手
   まずはオープニングレースの1レースから。91期ナンバーワンの呼び声も高い金沢竜二(写真)が待望のS級昇格。いい緊張感を持って検車場に現れた。
 「今月からS級は決まってたけど、やっぱり岸和田のレインボーファイナルで特進したかった…。ちょっと不安もあるが、やはり楽しみな気持ちが大きい。メンバーも凄いですからね。弥彦はA級の時に走って完全優勝なので、相性は良いですね。A級のようにいけばいいですが(苦笑)」
 金沢とは親子ほどの年齢差がある鈴木栄司はベテランらしくマイペースで淡々と自転車を組み上げる。
 「最近点数を落としてるので踏ん張らないと。三上(佳孝)も初めてのS級だし気合が入ってるでしょう。彼の好きなように走ってもらいます。でも1番(金沢)はガンガン逃げそうで怖いね(笑)」


<2R>
 続く2レースも金沢と同じ91期の山下渡をピックアップ。岸和田レインボーファイナルで見事優参し、S級入りを果たした。
 「凄い顔ぶれで圧倒されますね。同県だけでも武田さん、松田君とS級でも大活躍の人達。A級では勝つことを重視してまくりが多かったけど、S級では力を付けて行くことに重点を置くつもりなので、とにかく積極策で主導権を取りたいですね」


<3R>
 3レースは山下の先輩にあたる河野通孝。最近は勝ち上がりでの失敗が多く、あまり強気な言葉は出てこなかった。
 「練習での感触は前と変わってないんですが…。勝ち上がりだと色々考え過ぎて失敗、負け戦では開き直って勝ってる、みたいな状態でしょうか(苦笑)。予選から思い切ったレースをした方が良いのは分かってるんですが…」


<5R>
 5レースからも若手選手を取り上げたい。山下同様に岸和田で特進を果たした藤田大輔。在校成績は目立たなかったが、学校時代から逃げまくっていた成果が実戦で表れ、S級昇格を決めた。
 「まだ、S級という実感がなかったので、弥彦に来てようやく実感が沸いてきました。追加を受けたのは一昨日です。競輪界は大ギヤが流行してますが、僕は重いギヤは踏み切れないのでずっと軽いギヤですね。フレームも学校時代のが気に入ってて、大事に乗ってますよ(笑)」


<6R>

古屋琢晶選手
古屋琢晶選手
   6レースからは一格上がって選抜戦。同県同期志村太賀を目標に頑張っている古屋琢晶(写真)が100点を超えて着実にパワーアップしてきた。
 「(志村のスピード出世に比べて)僕は少しずつですね(笑)。弥彦は結構走ってるバンク。特に可も無く不可も無くかな。2場所前の西武園で初めて決勝に勝ち上がったんですが、逃げて3着に粘れたので、少しは自信になりました。今開催は相手も凄いし、思い切ってぶつかっていきたいですね」


<8R>
 8レースは選抜戦に滑り込んだ須賀和彦。松本一成と同じレースにちょっと複雑な表情を浮かべる。
 「別府記念で頑張れて点数が上がったので選抜スタートを切れたかな? 松本さんと別線もあるのかなぁ…。僕としては自力で戦いたいですね。フレームもデビュー直後の一番感じのいいのを持ってきたし、気合は入ってますよ。ギヤも別府と同じで大きいギヤは使わないつもり」


<9R>

北津留翼選手
北津留翼選手
松田優一選手
松田優一選手
   9レースからはトップクラスが登場する特選が始まる。親王牌から日が無いスケジュールとなった北津留翼(写真)。前橋の親王牌から九州に帰って、再び弥彦では移動だけでも大変だが…。
 「親王牌が終わってからは東京のホテルで過ごしました。中3日だし帰ってもね…。自転車には乗ってませんが、トレーニングはしました。ここは初めてだけど自然に囲まれてて、僕の地元に近い感じで好きになりそう(笑)」
 この北津留の番手紫原政文が死守。ハードスケジュールの上に、追加配分で体調面が気になる。
 「翼がいるんで追加受けて来ましたよ(笑)。一昨日だったかな、連絡を受けたのは。親王牌は身体の反応も悪くて、調整がうまくいってなかったみたい。20歳から選手やってても、いつもうまくはいかないものですね。親王牌よりは悪くないと思うが…」
 北津留と真っ向勝負を演じるのは松田優一(写真)。若いとはいえ、表情からは疲れを感じさせる。
 「さすがに疲れを感じますね。北津留君とは親王牌でも対戦したが、あの時はガップリと勝負してないから…。まともに戦うのは初めてって感じですね。記念の特選は初めてだし、同県の先輩も多いし、何とか良いレースをしたい」


<10R>

山田裕仁選手
山田裕仁選手
   10レースからは岐阜コンビを。両者共に、最近は落車のアクシデントに見舞われており、表情も今ひとつ冴えない。まずは山田裕仁(写真)から。
 「競輪祭の落車も長引いたけど、宮杯の落車も響いてるね。1カ月経つが、まだ練習での感触も今ひとつなのが現状です。サマーナイトまでには上積みが欲しいところだが…」
 僚友の山口富生は笑顔の中にも一抹の不安を感じさせる。
 「どうにも落車続きでねぇ…。身体のケアや疲れを取ることに専念してきたが…」


<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
   最終11レースは武田豊樹(写真)が一昨年のふるさと弥彦以来、2年ぶりに弥彦バンクに登場する。早めに検車場入りし、じっくりと自転車を組み立てていく。
 「親王牌はツキがなかったね。でも気落ちはないし、状態も悪くはないはず。気持ちも新たに新車を使ってみます。ぶっつけ本番で乗るけど、まあ大丈夫でしょう。後半戦へ向けて賞金を積み上げたいね」
 4月のふるさと観音寺以来、久々のグレードレースとなったベテラン佐々木龍也。F1戦では安定しているが、反面、今年は大舞台への参戦が少ないのも現実だ。
 「僕なんか記念の選手じゃないでしょう(苦笑)。今年はGIにも出られないし、寂しいですね。僕の場合、ステージの違いは関係なく一戦、一戦に全力投球。新田(康仁)君とは相性がいいのでたとえ三番手でも楽しみです」

   
↑ページTOPへ

 
情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JAPAN KEIRIN ASSOCIATION, All Rights Reserved.