『弥彦競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:7月8日


 開設57周年弥彦記念『ふるさとカップ』がいよいよ開幕!
 8日に開幕した弥彦記念は迫力あるレースが繰り広げられた。天候は多少蒸し暑いものの、夏の日差しが射す絶好の競輪日和。いくらか風はあるが、バンクコンディションがいい中、メインの特選を含め、全11個レースが行なわれた。
 2日目のファンサービスは吉岡稔真氏のサイン会が5レース終了後にセダーハウス内特設ステージにて。整理券が配布され抽選で50名様に直筆サインがプレゼントされます。また、先着1000名様に2日目11レース『十宝賞』1着当てクイズの投票券が配布され、当選者の中から旅行券(3万円分)、弥彦グランドホテルペア宿泊券が当たります。ラッキーカードも先着1000名様に配布され、ラッキーナンバーに当選すると、弥彦記念クオカードがもらえます。
 準決勝進出を賭けた激しいバトルを、是非本場でお楽しみ下さい。



<1R>
 オープニングの1レースは新人金沢竜二が『らしい』レースで見事に逃げ切った。落ち着いたレース運びで余裕の逃げ切りだが、心臓はバクバクだったそう。
 「いやぁ、緊張しました。デビュー戦よりも緊張した。相手の出方が分からないので、踏みっぱなしでしたよ(笑)。直線が長かったのか、短かったのかも分からないくらい。三和さんが突っ張る構えじゃなかったので、ペースで踏めたのが良かったんですかね。まずは1レース、1番車で1着取れて良かったです」
 中団キープからまくり上げて、見せ場を作った三上佳孝もS級初戦だった。
 「中団はうまく取れたけど、車の出がイマイチでコーナーに入ってしまったから厳しかったですね。落ち着いて走れたが、力不足ですね」


<3R>

河野通孝選手
河野通孝選手
   3レースで健闘したのは山賀雅仁。打鐘過ぎから主導権を取ると、快調なペースで逃げた。河野に交わされたとはいえ、二次予選に勝ち上がりを決めて笑みがこぼれる。
 「練習量を増やした成果ですかね。ここ2場所は結果に出なかったが、調子自体は上がってきてました。一次予選は何とか確定板に載れるかと思ってたので、嬉しいです。バックでのかかりは良かったし、後はゴール前でもっと粘れるように練習を積みます」
 中団キープから大外を強襲した河野通孝(写真)は勝ちながらも笑顔は見られない。付いてくれた先輩は勝ち上がれずに終わったからだ。
 「後ろの先輩に申し訳ない…。組み立てはうまくいったが、山賀さんが予想以上にかかってて、バックでは車間が空き過ぎました。あれで仕掛けが遅れてしまって…。でも、何とか1着に届いて良かった。最近は勝ち上がりで失敗してたから。前のレースで同県の山下(渡)が勝ってたし、プレッシャーがかかった」


<5R>

青島宗仁選手
青島宗仁選手
   5レースは新鋭・藤田大輔が葛西雄太郎を突っ張って主導権奪取。番手の青島宗仁に嬉しい200勝をプレゼントした。
 「9番のカマシが見えたので全開で踏みました。あそこで出られたら終わりですからね。青島さんにはA級時代から世話になってるし、200勝リーチも気付いてました。自分も3着で上に勝ちあがれたのでヨシとします」
 勝った青島宗仁(写真)は藤田に感謝、感謝で頭を下げる。
 「200勝は気付かれないようにだまってたんですが、みんな知ってるんですね(笑)。藤田君のかかりは1センターから凄かったので、まくられる事はないと思いましたよ。内海君が早めに踏み込んできたので、藤田君を2着に残せなくて申し訳なかった」


<6R>
 6レースからは二次予選Aへ勝ち上がれる選抜戦がスタート。田中雅史の突っ張り先行に乗った坂上樹大が三宅達也、大木雅也らにまくられながらもゴール前中割りで差し切った。
 「田中さんがあれだけ突っ張ってくれたら、二次予選には勝ち上がれるように残さなくては…。最終ホームで古屋君を止めるブロックができればよかったが、前に意識が集中してしまったので。最近は疲れもあって集中力が低下しているので、気持ちを奮い立たせて明日からに備えたい」
 まくり強襲の三宅達也は2着ながらも笑顔を見せた。
 「最近の成績はひどいのに大きな声援を貰えて嬉しかったですよ。今は連にからめれただけで十分です」


<7R>
 続く7レースは福島コンビが魅せた。逃げる森田達也後位に浜田浩司が飛び付くも、競り下した程塚毅志がゴール前で差し切った。
 「外競りは練習しているので苦にならなかった。それでも最終ホームでいきなり内に浜田君がきた時はビックリしましたけどね(笑)。やっぱり同県の後輩が前で頑張ってくれると気合も入りますよ。練習の成果か、脚は確実に上向いてます」
 逃げた森田達也も3着に粘り二次予選Aへ勝ち上がりホッとする。
 「競り合いの決着は四角で程塚さんが見えたので分かりました。僕自身の状態も悪くはない感触でした」


<8R>

外山三平選手
外山三平選手
   8レースは同期対決に燃える荻原尚人と須賀和彦の主導権争いをまくった外山三平(写真)がラインで上位独占を決めて満足顔。
 「前受けは作戦通り。ある程度はモガキ合いを想定してたけど、緩めばいつでも仕掛けるつもりでしたよ。前の併走もあったので、ドンピシャのタイミングではなかったけど、車の出は良かったですね。上に勝ちあがれたのが何より良かった。二次予選Aはメンバーが強力だけど、力を出し切りたい」
 最終的に主導権を取った須賀和彦は長い距離をモガキ切って一杯、一杯の表情。
 「600メートル全開でモガく練習のつもりで踏みましたよ。松本さんが漏れたのは残念だが、僕は何とか二次予選Bに勝ち上がれてホッとしてる。それにしても荻原さんは随分フカすから苦しかったですよ」


<9R>

岡部芳幸選手
岡部芳幸選手
   メインとなる特選は9レースから。スタート牽制もあり、赤板から北津留翼と松田優一で火花を散らし、打鐘前から壮絶なモガキ合いとなった。一旦は前との車間が大きく空いたが、差を詰めた勢いでまくったのは岡部芳幸(写真)。早い段階からのハイペースなレースに、引き揚げてきた直後は息が乱れて言葉も出ない。しばらくしてようやく呼吸が整った。
 「(北津留と松田に対して)どうしちゃったんだろうね、あの2人は(笑)。両者共にやる気満々なのは感じたが、それにしてもね。追い付いたところで休みたいくらいキツかったよ。ゴール前では力尽きてたもの(笑)」
 勝った内藤宣彦はちょっと複雑な表情で苦笑い。
 「よく岡部は仕掛けたね。追い付いたところで一杯じゃないかと思うようなペースだったから。レースの中では僕は楽なほうだと思うけど、それでもかなり苦しかったですよ。岡部はそれ以上に苦しいはずだから、たまたま抜けた感じですね」
 先行争いを演じた北津留翼は2周駆けで脚を使いきり、時間をかけてのクールダウン。脚も気持ちも冷やしながらのインタビューとなった。
 「打鐘からのレースかと思ってたけど、半周早かったですね。松田が番手に入ったのは分かったんで休もうと思ったら、紫原さんの追い上げでまた松田が踏んできたから、休めず全開。松田は出させなかったけど、着が悪いんじゃ…。でも、あれでまくらせないのは無理でしょう(笑)」
 北津留に合わせ切られた松田優一は悔しそうな表情で唇を噛み締めながら検車場を後にした。


<10R>

山田裕仁選手
山田裕仁選手
   10レースは細切れ戦で赤板から出入りの激しいレースとなった。そんな中、渾身のまくりを打ったのはベテランの山田裕仁(写真)だった。前検日のコメントでは体調が不安視されたが、初日の走りを見る限りでは心配なさそう。
 「小橋さんをちょっと見てしまった。1センターで踏み込んだ時に小橋さんが落車して、ちょっとバック踏まされて、それからもう一度踏み込んだので苦しかったね」
 うまく岐阜勢を追う形になった斎藤登志信が3着に突っ込み2日目優秀戦への勝ち上がりを決めた。
 「何とか突っ込めたね。多少疲れは感じるが、思ったより車は伸びたと思う。また明日から頑張るだけ」


<11R>
新田康仁選手
新田康仁選手
   最終11レースは武田豊樹が登場。しかし、レースは主導権を握った南関ペースで進んだ。絶妙のペース配分で逃げ粘った新田康仁(写真)は満足そうな表情でレースを振り返る。
 「初手で中団を取れたのが大きいね。先行する流れになったら行く気でしたよ。写真判定でヒヤヒヤしたけど、2着でホッとしました」
 勝った村本大輔は、最近は落車、失格と流れが悪かっただけにこの1勝でいい流れを呼び込みたい。
 「新田さんが自分でレースを作ってくれて、僕は付いていっただけだからね。これで流れが変わればいいけど(笑)。今開催のテーマは目標に徹底マークして離れないこと。僕自身の状態はまあまあってとこでしょうか」
 中団に入り、まくり返しを狙った武田豊樹は車の出が悪く、大外を踏むも伸びずに終わる。
 「出が悪かったですね。明日はギヤをもう一枚上げてみる。新田君が先行するのはちょっと意外だったが、うまくやられたね。新車は問題なさそうだし、二次予選から気を引き締め直していく」

   
↑ページTOPへ

 
情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JAPAN KEIRIN ASSOCIATION, All Rights Reserved.