『弥彦競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:7月10日


 開設57周年弥彦記念『ふるさとカップ』も後半戦に突入!
 開催3日目となった10日は、準決勝4個レースをメインに全11個レースが行なわれた。天候は後半の数レースでは雨がパラつき滑りやすくなったものの、スピード感溢れるレースが繰り広げられた。
 11日のファンサービスは早朝先着プレゼントとして専門予想紙が50名様に。また、満腹ガラポン抽選会(100名様)では場内お食事券(500円分)、たこやき引換券などが当たります。先着1000名様にラッキーカードが配布され、賞品はすぴRitsスポーツタオルが100個。優勝者当てクイズも行なわれます。先着1000名様に配られる投票券で優勝者の車番を当てると、抽選で旅行券(5万円分)が1名様に、弥彦グランドホテルペア宿泊券が3組様に当たります。
 また、セダーハウス内特設ステージでは、吉井秀仁氏、斎藤ゆう子さんによるVICTORY予想会、地元選手トークショー、選手会&すぴRitsのチャリティーオークションなどが行なわれます。
 優勝の栄冠は誰の手に! 本場で繰り広げられる死闘をナマで味わってみてください。



<8R>
斎藤登志信選手
斎藤登志信選手
   8レースの準決Cはたった1つの椅子を巡っての攻防だけに、自力型は仕掛けをワンテンポ遅らせたいのが本音。そんな中、主導権を取り切ったのは連日大逃げを打っていた金沢竜二。大きく息を切らしながら引き揚げてきたが、好内容のレースに納得の表情。
 「踏みっぱなしで苦しいですよ…。斎藤さんの追い上げが見えてから踏み込んだけど、後ろの競りがどうなってるのか分からないくらい必死でした」
 金沢との連係が一度外れた斎藤登志信(写真)だったが、最終ホームでうまく追い上げると、小沼良をキメて返す刀で直線で差し切った。
 「小沼さんにジカで来られると、もつれて吉田君の行き頃になる可能性があるからね。一度連係が外れても追い上げる作戦だった。打鐘ならば一旦僕が斬って再度金沢を受けるつもりだったが、ホームだし瞬間の判断で追い上げに切り替えた。(金沢は)楽しみな若手だね」
 金沢と力勝負を演じたかった吉田敏洋は言葉少なに検車場を後にする。
 「急に降り出した雨でバンクが滑って…。ズルズル滑るのでどうにも…」


<9R>

藤原憲征選手
藤原憲征選手 内海雅夫選手
内海雅夫選手


   9レースで気合の先行策を見せたのも若手の松田優一。惜しくも自身の優参は成らなかったが、別線の機動型を完封した。積極的な赤板からの仕掛けだけに、ゴール前は一杯になったが表情は明るい。
 「藤田さんを出させないで逃げるつもりだったので、どうしても仕掛けは早くなりますね。早目からペースを上げたし、バック全開だったのでゴール前は…。でも、自分のレースはできましたね」
 勝った藤原憲征(写真)は地元記念での決勝進出にホッとするが、表情は今ひとつ。
 「(決勝に)乗れて良かったと思う反面、切なさもありますね。今の体調で乗っても…。今日は松田君の気合に便乗させてもらった。何が何でも逃げる気迫だったからね。展開一本で勝てました」
 藤原マークから強襲した内海雅夫(写真)もツキを強調する。
 「予備からの繰り上がり参戦で決勝まで行けちゃうとは(笑)。一開催に一度くらいは展開に恵まれることはあるけど、3日間全て良いなんて滅多にない。記念の決勝は初めてだし、明日も頑張るだけ」


<10R>

矢口啓一郎選手
矢口啓一郎選手 新田康仁選手
新田康仁選手


   10レースは3着権利の準決A。レースは打鐘前からハイペースになり、91期の新鋭山下渡が関東軍を引き連れて、一気先行を敢行した。番手からまくった矢口啓一郎(写真)が、落車のアクシデントもあったが、後続を引き離して快勝。
 「山下君の心意気に感謝です。あまり後ろの動きを気にしてタイミングが狂ったらマズイので、自分の仕掛けを心がけました。本当は阿部さんとゴール前勝負したかったが…。自分が今まで前で頑張ってたことが返ってきたのかな(笑)」
 2着は苦しい外併走から落車を避けた新田康仁(写真)が入り、三場所連続の優参を決めた。
 「今日はツキが大きいね。打鐘くらいで上昇するつもりだったが、山下君の仕掛けが早かったね。あれじゃ中団の外に張り付いて、緩んだところで仕掛けるしかないから。一番避けたかった展開で苦しかったが、恵まれた感じだね」
 連日流れがいい佐藤成人が嬉しい記念初優参を決め、近畿勢からお祝いとひやかしの声が掛けられる。
 「初日は審議でセーフ。繰り上がって二次予選A、今日も落車を避けて3着。ミラクルが続きますね(笑)。初手は新田君ラインから後は流れに応じる作戦だったが、結果オーライですよ」
 優参に失敗した佐々木龍也、紫原政文らは、悔しさよりも落車に巻き込まれなかったことに胸を撫で下ろしていた。


<11R>

山田裕仁選手
山田裕仁選手 坂上樹大選手
坂上樹大選手


   最終レースは武田豊樹と後閑信一に人気が集中。しかし、武田と石毛克幸でモガキ合いの展開となり、山田裕仁(写真)がまくりを決めた。前検日から体調は優れないと言っていたが、それでも優参を決めるあたりは、さすがに百戦錬磨のベテランだ。
 「いやいや、ほんとに状態は良くないよ。今日も展開一本でしょう。前がモガキ合ってくれたからね。車間を詰めた勢いで踏んだが、まくり切れば3着はあるかなと」
 僚友山田裕仁との連係を決めた山口富生も堅実に優参を決めた。
 「山田さんがまくり切って、ヨシ決まったと思ったら、外に車輪が見えて焦って踏んだら坂上でしょう。抜きに行くのが早過ぎ。あれで山田さんが沈んだらシャレにならん」
 勝った坂上樹大(写真)は先輩2人を一気に交わしてしまい、遠慮気味にインタビューに答える。
 「山田さんがまくり切った時点で、中部3人で決まると確信してしまい、早めに踏み込んでしまって…」
 番手まくりで武田豊樹とモガキ合った石毛克幸は滝のように流れる汗を拭いながら苦笑い。
 「ホーム過ぎで武田さんがくるとは…。山賀は踏み過ぎたかも。あれじゃ先行争いで踏み合ってるのと同じでしょう。ゴールまでは持たないよ」
 武田豊樹は中団キープながら強引な仕掛けが災いして大敗に終わった。気持ちを落ち着かせるように、時間をかけてクールダウン。
 「もっと待って行くべきだったかなあ…。でも、力でねじ伏せてやろうという気持ちが強かったから…」



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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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