『弥彦競輪開設59周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:7月14日


 弥彦競輪場開設59周年記念「ふるさとカップ(GⅢ)」もいよいよ大詰めの三日目を迎えました。連日降りしきった雨も上がり、ようやく好コンディションに恵まれた弥彦バンク。今日は決勝の椅子を争った準決勝4個レースの選手の生の声をお届けします。
 なお、最終日となる明日は先着1000名様に千社札シールが配布されるほか、お子様には先着100名様にお菓子をプレゼント。木庭賢也さん、山口健治さんによるスピ★スタ公開放送予想会も引き続き開催されます。更に先着1000名様が挑戦できる決勝戦優勝者当てでは、見事的中された方の中から5名様に弥彦温泉ペア宿泊券がプレゼントされるなど場内イベントも充実のラインナップ。決勝戦も本場で観戦されてみてはいかがでしょうか?


<8R>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
   神山雄一郎が圧倒的支持を得たレースだったが、1着権利の狭き門をくぐりぬけたのは神山キラーの中川誠一郎(写真)。突っ張る原真司を力でねじ伏せ決勝の切符をつかんだ。
 「今日は中山君に駆けられたら、神山さんの番手まくりもあると思っていたから、自分が先行するつもりでした。ただ、原さんに突っ張られたのは想定外。自分のタイミングで駆けれればと思っていたけど、最後はギリギリでしたね。しんどかったけど力を出し切れたので良いレースは出来たと思います」
 前を任せた中山健が不発に終わった神山雄一郎はサバサバとレースを振り返る。
 「まぁしょうがないね。今日は健の得意な戦法という事でカマシかまくりだったんだけど。中川が行ききれなくて、健が併走になった勝瀬にキメられてしまった。僕も自分でまくろうと思ったけれど、全く車が出なかったね。いつもより少し身体が重いのかもね」


<9R>
村上博幸選手
村上博幸選手
岡村潤選手
岡村潤選手
   ライン充実の地元関東勢を相手に、松村友和が先行策を敢行すると番手から抜け出した村上博幸(写真)がレースを制した。
 「展開が動くのが早かったのでしんどかったけど、僕も感じ良く踏めていた。ただ、もう少し早く踏み出せば馬渕さんとワンツーでしたよね。そこが反省点です。松村君とは初連係だったけど、気持ちがビシビシ伝わってきた。ああいうレースになったら僕が1着を取るのは義務ですからね」
 2着には中団キープからまくった岡村潤(写真)が入線。昨年暮れの佐世保記念以来の記念決勝進出を決めた。
 「今日はとにかく中団、中団にこだわった。赤板で松本さんが押えに来た時に引かなかったことが大正解でしたね。あれで中団が取れた。親王牌よりはだいぶ状態も上向いてきたし、今日は初日、2日目よりも疲れが抜けてきましたよ」
 地元の松本一成は松村に主導権を奪われるとまくりも進まず不発。8着に敗れガックリとうなだれる。
 「赤板で岡村君を切ったつもりで切れていなかった。打鐘からは松村君がかなり踏んでいたのでいけませんでした。最終ホームから1角にかけてペースが緩み仕掛けるタイミングがあったのに見てしまった。今日は松村君がどれだけ行く気があるのか分からなかったので本当に難しかったです。地元だけに本当に残念…」



<10R>
加藤慎平選手
加藤慎平選手
細川洋選手
細川洋選手
   ただただ絶好調コンビの加藤慎平と金子貴志の強さだけが目立った。細切れ戦の難レースも打鐘から金子貴志が迷いなく発進。別線を全く寄せ付けないハイペースで風をきると、ゴール直前で加藤慎平(写真)が満を持して抜け出した。
 「踏み出しはギリギリ待ったけれど、後ろから荻原君のラインが凄い勢いで来ているのが分かっていたので本当に難しかった。でも金子さんと二人で決勝に乗れたし、結果的には最高の形になりましたね。金子さんは『この局面ではこれしか無い』って仕掛けを躊躇無くしてくれるし、自力屋の鏡みたいな人。金子さんとの信頼関係は揺ぎ無いものですよ」
 3着に粘りこんだ金子貴志も満足そうにレースを振り返る。
 「細切れだったし、打鐘で踏んでおけば後ろが取り合う展開になるかな?と思って少し早めに仕掛けました。レース後は本当にしんどいけれど、やっぱり先行って気持ち良いですよね! まぁこれが4着だとただキツいだけですけど(笑)。8月のあっせん停止まで残り3本。疲れはあるけれど、残りのレースに集中しますよ」
 荻原尚人のスピードをもらった細川洋(写真)が直線で鋭い差し脚を爆発させ2着。久し振りの記念決勝進出に喜びを爆発させる。
 「細切れで難しかったけれど、荻原君が前々に踏んでくれたことが大正解。良い位置が取れたし最後はスピードをもらって伸びました。このところずっと結果が残せていなかったけれど、この優出が良いきっかけになりますね。でも、記念決勝なんて本当に久し振りでいつ以来だか思い出せないよ。05年の花月園記念以来かな?」



<11R>
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
阿部康雄選手
阿部康雄選手
   準決勝最後のレースを制したのは稲垣裕之(写真)。打鐘から駆けた古屋琢晶を叩くと、最後までスピードを保ち真っ先にゴール線を駆け抜けた。
 「初日にクランクを伸ばしすぎたけど、それを短く調整してからはセッティングもしっくり来ていますね。このメンバーで逃げ切って1着を取れたのだから今日のレースは価値がありますよ」
 稲垣マークの渡邉晴智はそのまま流れ込み2着。決勝進出に安堵の表情を見せた。
 「自分の中では手応えをつかみつつあるけどベストとは言えないね。完調なら前を交わせているはずですからね。明日はかわいがっている後輩の岡村潤と一緒。あいつと決勝に乗るのは3年前のここの記念以来だし楽しみですよ」
 地元勢が準決勝で軒並み敗れ去っていく中、最後の最後で阿部康雄(写真)が意地を見せた。古屋の失速で万事休すかと思われたが、自ら踏み上げ3着を死守。首の皮一枚で地元の面目を保った。
 「バックでは昨日と同じような風景だったし、今日はそれまでにかなり脚を使っていたので本当にヤバいとおもった。ゴール前で落車が無ければ僕は届かなかったでしょう。本当に苦しかったけれど、何とか決勝に残れて良かった。なんか今日はスカスカしていたので明日は一枚ギアを上げてみようかな?」
 1/4車輪差で決勝を逃した浅井康太は悔しさを滲ませる。
 「バックで古屋と接触した際にクリップバンドが外れてしまい、そこからは片足だけで踏んでいた。スピードを落とすわけにもいかず、ただただ堪えるしかなくて。仕掛けのタイミングは良かったんですけどね…」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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