強風に怯まず最後までモガキ切った金子貴志も粘りに粘って2着。中部ワンツーという最高の結果に満面の笑みで応える。 「今日は『前受けから流れを見て』と最初から決めていた。とにかく風が強くって厳しいレースになったけれど、ラインで決められた事は嬉しい。最高です!」
果敢な先行策に出るも岡村とのもがき合いの末、8着に沈んだ稲垣裕之は淡々とレースを振り返る。 「僕はいつも通り、自分のレースをしたまで。ただ、岡村君が来るのが思っていたよりも遅かった。もう少し早ければ引いて4番手もあったけれどあそこからでは引けませんよね。結果、中部に流れが向いてしまったけれど、今日はとにかく金子さんが強かった。自分は力を出し切っての結果だから仕方ありませんね」 一方、稲垣に叩き合いを挑むも、出切れず終いで力尽きた岡村潤は「僕が押さえて先行したところで絶対に稲垣さんにその上を行かれてしまうから、とにかく一発ぶちカマす作戦だった。あのタイミングで行って出切れないのは、ただただ、僕の力不足。今日は完敗です。もう少し晴智さんのためにも頑張りたかったですけどね…」とがっくりうなだれる。
中部3番手追走を選択した中川誠一郎だったが、好位置をまわりながら前を交わせなかった結果に悔しさを滲ませる。 「凄く風が強くって、打鐘から踏みっぱなしって感じだったしきつかった。最後2Cで踏み出せるタイミングがあったけれど、後ろを引き出してしまうのが怖くて躊躇してしまった。あそこで踏んどけば(Vまで)行けたかもしれないですね」
ただ一人の地元として期待を一身に背負った阿部康雄だったが、この日は見せ場なく9着。決勝の舞台で鬼脚を炸裂させることは出来なかった。 「今日は前が併走になったときに渡邉君に上手くキメられてしまいました。その後も必死に追いかけたけど風に煽られて僕一人だけ完全にレースから取り残されてしまいました。脚が無いですね」