『弥彦競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:6月12日


 弥彦競輪開設60周年記念「ふるさとカップ」が開幕。1レースから落車のアクシデントが発生し波乱の幕開けとなったが、以後は落ち着きを取り戻し、各車全力を出し切る白熱したレースが繰り広げられた。
 本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されています。開催を通して、地元新潟選手会による自転車発電「わたあめ」(4日間、各日先着100名様)をサービス。また、磯一郎氏・伊藤克信氏による「朝一身勝手予想会」、当たり車券ガラポン抽選会が行われます。また、明日13日は「CLUB SPIRITS×GIRLS KEIRIN」エキシビションレース&1着当て投票、スピーチーズLIVEなどが予定されております。お楽しみに。


<1R>
田川辰二選手
田川辰二選手
    前記の通り、オープニングから落車が発生した。レースは工藤政志が先行。馬場勇が7番手から巻き返し、4コーナーで工藤を捕らえると、両者で接触して丸山貴秀を巻き込んで落車。間一髪これを避けた田川辰二(写真)が1着を手にした。
  「9番(丸山)が結構持ってきてたし、内を踏むよりは外を行った方が良いなと思った瞬間に落車。外を踏んだ分、何とか避けられたね」
  小西誠也が2着に入る。
  「松村(順之)さんが先に切り替えたから、自分はそれを追っていって、そこから突っ込めればと思ってた。ワンテンポ遅れてしまったけど、それでかえって落車を避けられた。早めに踏んでたら乗り上げてたね」


<2R>
    増田利明が逃げる小佐野文秀がひとまくり。追走した小笠原弘高が直線で追い込んで1着となる。
  「前回落車してるし、今日はジャンからスピードに対応できるか不安だった。増田君のスピードが良かったし、自分も何とか対応できた。1着が取れて嬉しいね」
  増田利明も2着で二次予選進出を決めて笑顔を見せる。
  「弥彦はA級初優勝したゲンの良いバンクなんです。今日はスピードの乗りが良かったし、バックで行けると思いました」


<3R>
   青森伸也が中団外併走からまくりを決め、ベテラン・澤隆昌が直線で追い込み、勝利を手中に収めた。
 「青森君は強かったし、自分も余裕を持っていけた。これで(競走得点が)100点を超えそうだけど、来期はA級なんですよ(笑)。明日以降も頑張らないと」
 澤に交わされたものの、このレースは青森伸也の好走が光った。
  「高瀬(卓)さんは後ろを見てたし、『おいでおいで』されてるようで早めに仕掛ける勇気がなかった。でも、外併走からまくれたし自信になりましたね」


<4R>
黒木誠一選手
黒木誠一選手
   増成富夫が番手のもつれを尻目にマイペースに持ち込んだ。池上孝之が巻き返すも合わされ不発。増成が有利に押し切るかと思われたが、黒木誠一(写真)が外を鋭く追い込んで1着をさらった。
  「まだ前が駆けてなかったし、池上君は良いところで行ったから『ヨッシャ』って思った。でも、増成君が駆けたのは2コーナーからだったし、2センターで合わされたからキツかったと思うよ。粘る作戦も考えてたけど、変に粘ったりしたら相手の思う壺になってしまったから、この方が良かったね」
 増成富夫はかろうじて3着に踏みとどまった。
 「ホームでカマされないように。それだけ気を付けてました。あとはペースで行っただけ。3着に残れたんだから良しとします」


<5R>
塚本貴雄選手
塚本貴雄選手
   竹内公亮の反撃に乗り、塚本貴雄(写真)が追い込んで1着を手にした。
 「中団に入ったから竹内は早めには行かないと思ってたけど、すぐに仕掛けてくれた。竹内の気持ちがすごく嬉しいね。竹内は落ち着いてたけど、自分には余裕がなかった。3週間空いて久しぶりの実戦だったし、今日は緊張しました。ジャンの音が聞こえなかったよ」
 関一浩が後方から竹内の外をまくって2着に入る。
 「竹内君は早めには行かないだろうから、1センターから自分で行こうと思ってた。車間を斬ろうとした瞬間に(竹内が)行ったんで、予想以上に車間が空いてしまった。バックで宇根(秀俊)君に内から合わされたし、強引に外を行った感じでキツかった。同期で地元の飯塚(裕紀)君も3着に入れたんでよかったですよ」


<6R>
松山桂輔選手
松山桂輔選手
   松山桂輔(写真)がバックまくりを決め、後続を引き離して快勝した。
 「安部(貴之)君が突っ張って予想外の展開になったけど、何とかまくれましたね。徐々にスピードを上げて行く感じで踏んだけど、なんかバタバタしている感じ。疲れでしょうね。でも、ひと叩きして明日は良くなっていると思います」
 安部貴之は突っ張り先行の好気合。松山にまくられたものの、末脚を発揮して2着に粘り込んだ。
 「格下だからスタートで誰も出なかったら前を取ろうと思ってました。思い切りカマしてきたら出させたけど、サラ脚で相手を出させたらまくれないんで突っ張りました」


<7R>
笹川竜治選手
笹川竜治選手
   松本一成がマイペースで先行し、直線で笹川竜治(写真)が追い込んで地元ワン・ツーを決めた。
 「今日は松本君のおかげ。練習では松本君はもう少し掛かるんだけどね。でも、うまくペースで行けてたんでワン・ツーが決まったね。地元記念で4コーナーをハコで回ってきたのは初めてかも(笑)。今日は勝てたけど、内容で心配な点があるんで、明日は修正しないと」
 松本一成は力を出し切り満足げ。
 「こんな成績だから自分を逃げさせてくれたんでしょう。でも、最近の中では最高のレースでした」
 永澤剛が3着に入った。
 「突っ張るふりをすれば(松本は)来ないと思って合わせて踏んだけど、結構向こうは思い切ってきましたね。空けるつもりはなかったけど、車間が予想以上に空いてしまった。追い付くのに脚を使ってしまいました。落車の影響か、踏んでいてギコギコする感じであまり良くないですね」


<8R>
中山善仁選手
中山善仁選手
   上原龍が落ち着いてマイペースに持ち込むと、番手の中山善仁(写真)がまくってきた足達重満を好ブロック。最後は直線できっちり追い込んで1着ゴールした。
 「上原が頑張ってくれたおかげ。8番(足達重満)が来ていたのが分かったし、番手の仕事に集中しました。8番がナメるように下りてきたけど、自分もそこから踏み返せたんで余裕がありましたよ。今回もしっかり練習してきたし、前のレースで笹川さんが1着を取ったんで気合が入りました」
 上原龍は別線を完封。自身も3着に入り、ラインで上位を独占してみせた。
 「ホームでもっとガツンと行ければ良かったけど、あまりにもペース過ぎて掛かりが今ひとつでしたね。8番がきているのが分かったから、思いっきり踏み直しました。中山さんもブロックしてくれたし、何とかラインで決まりました」


<9R>
新田祐大選手
新田祐大選手
   9レースは矢口啓一郎が主導権を奪い、巻き返して出た海老根恵太と踏み合う展開となった。こうなると展開は新田祐大(写真)のもの。落ち着いて間合いを計ると一気にスパート。あっという間に前団を飲み込み、最後は成田和也を振り切って会心の勝利を収めた。
 「今日は先行するつもりでいました。結果的にまくりになったけど、いつでも行ける準備をしていたんで反応良くいけましたね。今日はあまり風を受けて走ってないんで、調子は正確に判断できないけど悪くないと思います」
 成田和也は新田の強さに脱帽する。
 「新田は良い感じで(ペダルを)回してたし、強かったですね。バックで行ってしまう感じだったし、差せるような脚は自分にはなかった」
 阿部康雄が3着に入り、優秀競走「十宝賞」に駒を進めた。
 「海老根君を止めるだけで脚が一杯になってしまったし、新田のまくりに対処できなかった」


<10R>
牧剛央選手
牧剛央選手
   10レースは山崎芳仁と稲垣裕之で壮絶なモガき合いに。両者の攻防は山崎に軍配が上がったが、最後は脚が一杯に。脚を溜めた牧剛央(写真)が好展開をモノにし、まくって快勝した。
 「稲垣が行ったところで自分は中団を取って、そこからどう組み立てようか考えてたんだけど、絶好の展開になりましたね。ここは直線が長いから、まくり切ってからがキツかった。赤板から踏みっ放しだったし、速い展開は自分は苦手なのに。今日は先行したくらいキツかったですね」
 マークした西川親幸が2着に流れ込んだ。
 「あんなにモガキ合いになるとはね。付いていて脚が振り切れるかと思ったけど、最後にまた少し戻ったんで付いていけたよ」
 稲垣裕之は「押さえにいくのが甘いと突っ張られると思ったんで、早めに行ったけど、まさか(誘導を退避させて)重注を付けてまで山崎が行くとは。あれでは仕方ない」と致し方なし。


<11R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
   岩本俊介が武田豊樹を警戒して主導権を奪う。武田も負けじと巻き返して出たが、加藤圭一のブロックに遭い勢いが止まった。すると、すかさず石丸寛之(写真)がスパート。石丸は徐々に番手を上げていくと、最後の直線で前団を捕らえ1着でゴールした。
 「加藤君が振ってきたからヤバいかと思った何とかいけましたね。宮杯の最終日は体が動いていたし、今日は前回より気持ち的にも楽だった。4カ月ぶりの1着だけど、そのときは(渡部)哲男が頑張ってくれて俺は追い込んだだけだったから、自力で勝ったのはホント久しぶり。去年のオールスター以来かな。これで流れが変わってくれればいいね」
 加藤圭一は番手の仕事をキッチリこなして2着に入る。
  「岩本君が落ち着いてたし強かったね。自分も宮杯以上に体が仕上がってますよ。しっかり仕事をやって2着に入れたんでよかった」
 石丸をマークした桑原大志は3着となり「石丸さんは仕掛けどころを逃さないし、信頼して付いてました。僕はしっかり付いていけただけで満足です」と控えめ。

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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