『弥彦競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:6月14日


 弥彦競輪開設60周年記念「ふるさとカップ」は3日目を迎えた。今日のメインは準決勝の4個レース。前半戦から落車や失格が多く、また、V候補の一角である新田祐大が朝の指定練習で落車し、当日欠場するアクシデントもあったが、準決はどれも迫力十分で見ごたえあるレースが繰り広げられた。
  本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されています。最終日まで毎日、地元新潟選手会による自転車発電「わたあめ」(各日先着100名様)をサービス。また、磯一郎氏・伊藤克信氏による「朝一身勝手予想会」、当たり車券ガラポン抽選会が行われます。また、最終日15日は「CLUB SPIRITS vs 素人足自慢」、「決勝戦出場選手特別紹介&プレゼント」、「ふるさとカップ表彰式と優勝選手プレゼント」が行われます。どうぞお楽しみに。


<8R>
山田裕仁選手
山田裕仁選手
   準決勝Cは中団を取った山田裕仁(写真)がひとまくり。自らの脚で決勝進出を決め、SS班の意地を見せた。
  「今日は中団にこだわることしか考えてなかったし、好勝負できると思っていた。石丸が(7番手まで)下げてくれたし、(石丸が)後ろになったことでいつ来るのかと意識したんで、かえって気持ちが入ったね。中団に入ってあとはいつ仕掛けるか。石丸に合わせて出るよりは、自分から踏み上げていった方がいいと思ったんでいきました。1着がとれてよかったよ」
  岩見潤は山田に詰め寄るも交わせず2着に終わる。
  「幸田(光博)さんは1番車で中団を取りにくるだろうし、取られないように集中して出た。初手で脚を使ったんで差せなかったね」


<9R>
紺野哲也選手
紺野哲也選手
藤原憲征選手
藤原憲征選手
   目標のない佐藤康紀が自力まくりを敢行し、その番手から紺野哲也(写真)が追い込んで1着。波乱の結果となった。
  「バック9番手だし、前がどうなってるのか全く分からなかった。佐藤君が良いスピードで行ってくれたし、2センターで止まったんで思いっきり行かせてもらいました。逃げてるのが一番強い矢口(啓一郎)だから無理かなと思ったけど、矢口と藤原が重たそうにしてたんで、それを見たら楽になりました。でも、車の出が悪かったね。普段、調子が良いときに(決勝に)乗れないのに、こういう悪いときに乗れるんだから競輪は分からないよね」
  2着は地元の藤原憲征(写真)が入った。踏み出しで一旦は矢口に離れたものの、内を追い上げて再度ドッキングに成功。最後は意地の追い込みで決勝進出を決めた。
  「予想してなかったところで(矢口が)行ったのもあったし、油断がありましたね。それと、状態は良くなってきたと思ったんだけど、今日は緊張で離れてしまった。そこからは、とにかく追い付かないといけないし必死だった」


<10R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
阿部康雄選手
阿部康雄選手
   前受けの山崎芳仁(写真)が後方まで下げると、すかさず巻き返して今日も先行。直線に入ってもスピードは衰えず、そのまま力強く押し切った。
  「仕掛けはあそこ(ジャン)しかなかったんで、思い切っていきました。あれで海老根(恵太)さんが踏んでいてモガキ合いになったらそれでもいいやと。3日間、練習みたいに掛けられてるし、良いレースができてますね。今日も体が重たかったけど、回せてたんで脚は悪くないと思います。3日間先行して体にきてるんで、明日もギアは4倍で行く予定です」
  2着には海老根恵太が入り、SS班の実力者で上位を占めた。
  「4番(阿竹智史)が思った以上に早くきましたね。7番手になったけど、自分で一旦動いて、そこからまた車が進んでるんで状態は悪くないですね」
  阿部康雄(写真)は追走一杯になったが、何とか山崎に喰らい付き3着に踏み止まった。
  「今日は山崎は先行する気が満々だったんで、踏み出しだけ気を付けてました。4番を持っていったときに脚にきたね。張って戻ってきたとき、普通の先行選手なら追い付くんだけど、山崎はすごいから離れちゃったんでこれはヤバイと。どこまで行っても抜けない感じだったね」
  鈴木誠は得意の内を突いたが4着まで。
  「ダメだったね。前の2番(西川親幸)が空けたり閉めたりしてたんで、思いっきり突っ込めなかった」


<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
諸橋愛選手
諸橋愛選手
   最終レースは武田豊樹(写真)が1着となった。武田は稲垣裕之に突っ張られたものの、落ち着いて態勢を立て直して一気にスパート。中団から出た成田和也の外を力強くまくり切った。
  「モガキ合ったら後ろに迷惑を掛けるだけだし、モガキ合わずに1着を取った方がいいんでね。行けるタイミングがあったけど、合わせられたらヤバいんで、今日は落ち着いていきました。疲れは段々取れてきたし、状態は上向いていますね」
  2着は成田和也。新田祐大の欠場で目標を失ったものの、自らの脚で決勝の切符をもぎ取った。
  「選択肢がなくなったんで、今日は自分で前々に攻めるしかなかった。稲垣さんがあんなに思い切っていくとは思わなかったし、稲垣さんは凄いですね。自分のタイミングで踏めたし、勝ち上がれたんで状態は悪くないです」
  諸橋愛(写真)は武田マークから3着で決勝進出。
  「今日は万が一武田さんがダメでも、自分は気合で(決勝に)乗ってやろうと思っていた。あんな展開になったけど、武田さんは冷静だったね。付いていてキツかった」
  稲垣裕之は敗れたものの、力を出し切り悔いはなし。
  「すんなり武田さんを出させたらまくれないし、少しでも脚を使わせるためにはあれしかなかった」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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