『弥彦競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:7月28日
 弥彦競輪場を舞台に開設67周年記念「ふるさとカップ(GIII)」が、7月29日に幕を開ける。浅井康太、稲垣裕之のS級S班の2人をはじめ、全国の各地区から強豪が集まった。そして彼らを諸橋愛、吉田拓矢、木暮安由らの関東勢が迎え撃つ4日間のシリーズは目が離せない。28日の前検日には、多くの選手がバンクで汗を流し、各々が感触を確かめて激戦のシリーズに備えた。
 本場では開催中の毎日、日替わりで飲料の先着プレゼントがあります。また、伊藤克信さんらによる予想会なども行います。さらに29日の初日には、「加瀬加奈子選手」によるガールズケイリントークショー、「スピーチーズ」によるステージライブなども予定されています。弥彦競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

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清水裕友選手
清水裕友選手
 前回の向日町FIでは2勝をマークした清水裕友(写真)だったが、初日はまさかのシンガリ惨敗。中1週間での今シリーズの一次予選に気持ちを集中させる。
 「疲れは大丈夫ですよ。ただ、練習をしていても暑いから、あんまり暑い時間にはやらないようにしている。バテちゃいますから。向日町が終わってから次の日から(取鳥)雄吾、渡邉雄太、吉田(拓矢)、堀内(俊介)さん、山岸(佳太)さんとかと集まって、競輪学校で2泊3日で(合宿を)やった。みんな強いんで刺激になりました。僕は全然体力がないっていうのを感じたし、ついていくのが精いっぱいだった。でも、いい緊張感で練習ができた」
 3場所前の地元、久留米記念では白星スタートも二次予選で敗退の西田大志。それからFIを2場所経て、記念の今シリーズにモチベーションを高める。
 「地元の記念はいい経験になった。やっぱり強くなるしかない。課題もいろいろ見つかったし、刺激になりました。(前々回の)函館は決勝に乗れなかったけど、自分のなかでは動けていた。そのぶん、次の平塚は疲れていました。(中4日で)詰まっているけど、やっぱり記念なんで、記念を意識してやってきました」

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 今期S級の舞台を初めて踏んだ岸川哲也は、3場所目のここで初めの記念を迎える。
 「自分がいっぱい、いっぱいなんで、まだ(S級が)どうとかわからないですね。振り返ってっていうのはあるけど、競走中はまだそんな感じです。A級だと(仕掛けのポイントを逃しても)取り戻せるけど、S級だと難しいですね。A級の時も最初はそうだったんで、2、3カ月はかかると思うんでしっかりやっていきたい。初めての記念なんで、いい意味で楽しみたい」
 埼京3車で結束。一戸康宏の番手を回る岡光良が、例によって淡々としたもの。
 「(一戸とは)そんなにたくさん連係はないけど、あることはありますよ。前回の最終日は車体故障、後輪が壊れてしまったけど、転ばなかった。それからは空いてたんで、普通に練習ができました」


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竹内翼選手
竹内翼選手
 前回の広島FIは692着と一息だった城幸弘は、地元地区の記念だけに上積み必至でこうアピールする。
 「練習はだいぶできたし、(前回よりは)全然いいと思います。計画通り練習ができたというか、(調子が)上向いていくようにやってきたつもりです。あとはノリさん(藤原憲征)とうまく決まるように」
 別線の包囲網に悩まされながらも、竹内翼(写真)が課題と向き合ってステップアップに励んでいる。
 「(前々回の)久留米から自転車を換えて、先行した感じも良かった。セッティングに関してもいい位置に座っているかなっていうのがある。(前回の大宮では)しっかり駆けられているんで、そのイメージでいけたらいいと思う。前に出て先行態勢に入れたら大丈夫かなっていうのはある。(レースでの)駆け引きがあるけど、まずは(先頭に)出てから考えようっていうのがある。(弥彦は)初めてですけど、僕は直線が長い方が好きですね」


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 前回のサマーナイトフェスティバルは678着もショックはない河村雅章が、自力での戦いで悪い流れを断ち切りたい。
 「サマーナイトは3日間、人の後ろを回って、後ろに置かれたんでしょうがないですね。成績が悪いけど、(調子は)悪くないと思います。練習の感じも悪くないし、あとは流れですね。そこがギクシャクしてるんで、明日はしっかりと自分で」
 愛敬博之は前回の岐阜FIを222着。上々の成績も番手での課題をあげて、技術向上に余念がない。
 「(番手での立ち回りは)一戦、一戦、勉強ですね。自分のなかでは完ぺきを求めているんで、そう考えるとまだまだです。前回の初日にしても、先行選手を残したいと思って、3番手から食われてしまった。毎回、毎回、反省はありますよ」


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 1年半ぶりにS級に返り咲いた荒井春樹は、今期2場所目の地元地区の記念で“自在”の戦いを強調する。
 「もう自在になんでもです。やっぱり先行じゃ勝てない。とにかくS級の点数をしっかりと取れるように。練習はちゃんとやってきたし、自分のなかでは良くなってきたと思います」
 小林信晴はタッグを組む川口聖二に全幅の信頼を寄せる。
 「(川口とは)何回も連係があるし、相性もいいと思います。(川口)聖二の調子がいいんで自分が迷惑を掛けないようにです。いままでは3番手が多かったし、番手を回らせてもらえるようになったのは最近です。明日ですか? 自分が仕事する前にゴールしている気がします(笑)。それだけ聖二は強い。だから、しっかり付いていきたい」


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 中井太祐は連続Vで臨んだ前回の地元、奈良のFIシリーズ。勢いを加速させるべく意気込んだが、2日目に落車に見舞われた。
 「前回は打撲と擦過傷ですけど、時間があったんで大丈夫です。(地元で)結果を出したかったんですけど…。怪我を治してから時間もあったんで、練習の感じからは問題ない。ただ、まだいろいろ課題もあるし、良かったり、悪かったりですね」
 新田康仁は4月の高知記念で落車を喫して鎖骨骨折を負った。さらに復帰場所となった5月豊橋FIの初日でも落車のアクシデント。およそ2カ月ぶりの実戦を迎える。
 「高知で鎖骨を折って手術をした。そしたら豊橋の前に感染症になって、豊橋のあともそれが再発した。豊橋の落車はなんともなかったけど、それで長引いた。練習はボチボチ、やれる範囲でやってきました」


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堀内俊介選手
堀内俊介選手
 サマーナイトフェスティバル785着。単騎の初日で先行策を披露するなど、堀内俊介(写真)は成績以上に手応えを感じている。
 「サマーナイトの初日は自分なりに掛かっている感じがしたし、調子は良かったと思う。それからは21日から23日まで(吉田拓、取鳥雄らと)練習をして、自分のパワー不足を感じた。重いギアでやったりして、どういう風に強化すればいいのかっていうのもわかった。重いギアを踏めれば、(4倍未満のギアの)競走でも余裕が出てくると思うしウエートトレーニングをやるよりもいい感じがした」
 堀内との連係のメンバーに満足そうな川崎健次が、気合を入れる。
 「(前回の岐阜FIの最終日の落車は)擦過傷と打撲ですけど、そこから1週間あったから大丈夫だった。1週間あったんで助かりました。あとは堀内君に頑張って食らいついていけるように。相手も強いんで油断はできないです」


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 前々回の富山記念を65着で途中欠場となった戸田康平だが、前回の高松FIで2勝を挙げて回復気配。
 「(富山は)疲れがあったのか、体に力が全然入らなかった。それからしたら、高松は全然違った。良かったですね。練習の感じからもだいぶ戻っていると思うんで大丈夫だと」
 濱口高彰は防府FI、奈良FIと2場所連続での落車も弱音を吐くことなく、いつもの顔で笑みを浮かべる。
 「(落車は)大丈夫ですよ、そんなに酷くなかったんで。万全の人なんていないだろうし、自分も休養しながらやってきました。岡本(総)君とは初めてです」


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山岸佳太選手
山岸佳太選手
 前回の武雄FIでは2日目から3.92のギアを投入した山岸佳太(写真)は、今シリーズで初日から3.92のギアを使用。思惑をこう明解する。
 「弥彦は夏場で軽いし、師匠(堀政美)と話して、今回は初日から3.92のギアで走ります。前回も内容としては悪くなったけど、課題がいっぱいある。やっぱり(最終回の)2コーナーから2センターにかけての踏み上がりです。準決で新山(響平)君とだったんですけど、芦澤(辰弘)さんが失格するくらいまでもっていってくれてってなってしまった。もっと自分が踏み上がっていればっていうのがあった。調子は悪くないんで強気にいきたいです」
 日野博幸は前回の大宮FIを942着。体調を崩した函館が尾を引いていたようで、今回は体調アップの様子。
 「(前々回の)函館で扁桃腺が腫れて、それを大宮でも引きずっていた。もう体調はバッチリだし、大宮より全然いいのかと思います」


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成田和也選手
成田和也選手
 高地でのトレーニングを取り入れた稲垣裕之が、オールスターを見据えながらも全力投球を約束する。
 「宮杯が終わってからは次のオールスターに向けてのスパンでやってきました。弥彦まではキツめに練習した。支部の合宿で今回初めて高地トレーニングやった。良かったですよ、普段じゃ味わえない刺激が入った。それに若手ともやって、初心に戻ってしんどい練習ができた。まだまだ体は変わっていけると信じてます。今回もしっかり力を出したい」
 前回の高松FIを欠場も、成田和也(写真)は心配はなさそうだ。
 「競走が詰まっていたのもありますね。普段通りに練習はできたし、しっかりやれた。ここもあるし、次(地元のオールスター)もあるんで。明日は(坂本)貴史とですね、のんびりしていたらキツくなりそうなメンバーだからしっかりと」
 今期1班に上がった取鳥雄吾は、記念での特選スタートにも気負うことはない。
 「(調子は)いつも通りだし、特選だからといって、自分はやることは一緒ですから。相手がすごい強いんで精いっぱいですね。みんなとの合宿は楽しかったし、やっぱり刺激になりました」


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吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 悲願の地元記念制覇へ、諸橋愛の熱い夏が始まる。
 「(平原)康多が欠場でいなくなっちゃったから。明日は吉田君とですね、車番もいいし。僕は思い通りに(仕上げて)やってこられました。違うことをやろうかなと思ったら、(ちょうどタイミング良く)雨が降ったりした。それなりに準備できたんで、あとはそれを出すだけ」
 地元の諸橋とのタッグの吉田拓矢(写真)は、昨年の記念で落車に見舞われオールスターを棒に振った。
 「去年はここ落車してオールスターに出られなかった。今回はそんなことないように頑張ります。ケアもしっかりできたし、練習の感じも良かった。オールスターはオリオン賞に選ばれたんで、頑張りたい。ここでいい走りができれば、(オールスターに)自信を持っていけると思う」
 前々回のサマーナイトフェスティバルの初日は、鮮烈な逃げ切りを披露した根田空史。しかしながら、前回の平塚FIは729着といまひとつだった。
 「(サマーナイトフェスティバルの初日は)自分でもビックリするくらいだった。ただ、平塚は疲れが出てたのか、キツかった。それに展開というか流れも良くなかった。練習は休みなくやったし、いまのところ夏バテもない」


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浅井康太選手
浅井康太選手
 今年まだ優勝のない浅井康太(写真)だが、いつも通りの顔つきで報道陣の問いに答える。
 「練習は軽くやってきました。ここは渡邉君もいるし、松川君は中団を狙ってくるだろうし。どういうレースになるかですね。(竹内)雄作が一気に出切ってくれれば、自分はしっかり仕事をするだけです」
 高松118着、大宮212着。近況のFIシリーズを竹内雄作が振り返り、こう口を開く。
 「まだまだですね、成績もそうだし、自分の感覚も。脚の感じは悪くないけど、それがレースにつながってくれないと。(先行できない時の組み立てが)一番難しい、そこなんですけど…。バリエーションが増えてくれれば、勝てるパターンも多くなってくると思う」
 地元の鈴木庸之は、ゆとりのローテで仕上がりも上々。
 「(前回から)3週間以上あったし、仕上がりはいいです。なんとかなると思うし、勝てるように頑張ります。神山君とは1、2回連係があると思う。一緒のレースには結構なるんですけどね」