『前橋競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:5月20日
 前橋競輪場開設71周年記念「三山王冠争奪戦」が5月20日に幕を開ける。ナイターのGIIIシリーズに清水裕友、和田健太郎のS級S班2名をはじめ、渡邉一成、山田英明、太田竜馬ら全国各地からトップレーサーが集結。ドームの短走路を舞台にスピードバトルが繰り広げられる。
 今シリーズは無観客での開催となります。テレビ、インターネット中継などでの観戦をお楽しみください。

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 神田鉱輔は5月京王閣ダービーで敗者戦ながら3度の確定板入りを果たした。
 「一次予選は自分の判断で失敗しました。あとの三走は確定板に乗れているので、調子は問題ないかなと思います。終わって1日休んで、今回は33(バンク)なので、その対策として奈良のバンクで練習してきました。調子は変わらないです。前橋は(昨年の寛仁親王牌で)GI初勝利もしているし、走りやすい。(南潤と連係できるのは)心強いです」
 中島将尊は復帰戦の前回函館FIで思うような走りができなかった。
 「あっせん停止で3カ月近く休んでいたんですけど、その期間が長すぎて、そんなにいい練習はできなかったですね。函館はレースを作れなかったし、タテも出なかった。レース勘はまだ厳しいけど、今回は慣れている地元バンクなので、それでプラスマイナスゼロですね」


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 芦澤大輔は京王閣ダービーの一走目に落車。途中欠場となったが、大きなダメージはなかった。
 「ケガは全然、大丈夫です。ずっと使っていた自転車がつぶれてしまって、練習で使っていたものを持ってきました。打撲は良くなって、悪い感じはしない。河野(通孝)のほうが点数はあるけど、僕が(雨谷一樹の)番手を回る以上はしっかりラインで決められるように」
 河野通孝は前回の5月川崎FIで成績をまとめたが、ケガの影響はまだ残っていた。
 「前回は良くなかったですね。3日間、前を抜けず、ただ連れて行ってもらっただけです。(2月)平のケガが思ったより長引いてます。その前が良すぎたのもありますけどね。気持ちを切らさずにやっていくしかないです」


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瓜生崇智選手
瓜生崇智選手
 瓜生崇智(写真)は変幻自在の立ち回りで奮闘している。九州の大先輩2人に任された初日は責任重大だ。
 「ここ2場所は正直、あんまり良くないですね。(4月)川崎記念くらいから首のヘルニアが出て、ピリッとしない状態です。最近は少しヘルニアが落ち着いて、トレーニングできるようになってきました。記念は好きなんで、しっかり頑張ります。(初日は)自分の持つところから行って、ラインで決められるようにします」
 鈴木陸来は4月四日市に続き、2度目の記念挑戦。最近は徹底先行のスタイルで、手応えをつかんでいる。
 「S級でカマシだと出切れないことが多くて、最近は突っ張りも増えました。早めに出て、あとはペースで駆ける感じですね。前回の川崎はセッティングを変えて良くなかったけど、最終日に戻したら1着が取れました。記念は強い選手ばかりですが、しっかり力を出し切るレースをします」


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 小林泰正は地元記念初出場。抜かりなく仕上げてきた。
 「鎖骨骨折から(昨年末に)復帰して、最初は良くなかったんですが、徐々に上がって、今年ピークに持ってこれたと思います。(ダービーは)初日は良かったんですが、6日間のGIは戦い慣れてないので、最終日は疲れてました。でも、自分の中ではいい経験を得られました。今回は地元なんでひとりでも多く勝ち上がって、自分自身も勝ち上がって見せ場をしっかり作れるように頑張ります」
 山田久徳は京王閣ダービーで振るわなかったが、きっちり修正してきた。
 「(ダービーの結果は)しょうがないです。1日早く帰ることになったので、1日休んで練習をしっかりやってきました。前橋は嫌いなバンクじゃない。前々に攻めて行けた時は成績がいい。(初日は)自力自在に前々に攻めていきたいと思います」


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成田和也選手
成田和也選手
 成田和也(写真)は京王閣ダービーの一次予選で失格。今シリーズは久々の予選スタートだが、実力的にも負けられない。
 「ダービーは1日しか走れなかったので、今回はその分も頑張りたいです。ダービーは一走だけでしたけど、集中して走れて感じは悪くなかったです。ここに向けて練習は普通にやってきました。自分は軽いほうがいいし、ドームは好きです。(初日は)小畑(勝広)君にいかせてもらいます」
 近藤保はここ3場所、FIシリーズで決勝に乗れていない。
 「脚の感じは悪くないんですけど、流れが悪いですね。ちょっと展開の助けが必要です。練習はしっかりできて、少し疲れているくらい。前回(2月)の前橋で特有の難しさを感じました。それでイメージが悪くなったので、そこを修正して走りたいですね」


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 渡邉雄太は京王閣ダービーで結果を残せなかったが、調子は上向いている。
 「展開の作り方が悪かったですね。終わってから普通に練習して、特に問題はなかったです。前橋はGIしか走らないんですが、1着も多いですし、相性もいいです。いつも通り力を出し切れればいいと思います」
 海老根恵太は京王閣ダービーで9カ月ぶりのGI出場。今シリーズも1月和歌山以来、久々の記念参戦だ。
 「前回の初日は展開が良かったんですけどね。久しぶりのGIで通用しない感じはなかったし、もう少し何かできればという感じでした。終わってから休んで、いつも通り練習してきました」


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渡部哲男選手
渡部哲男選手
 渡部哲男(写真)は京王閣ダービーで3度の確定板入り。存在感を示した。
 「初日は体が重くて、流れも悪かったので結果に結びつかなかったですね。あとの三走はそれなりに良かったと思います。(2月全日本選抜で落車して)まだ完調じゃないけど、少しずつ上向いています。前々回の小倉からダービーまで期間がなくて、ダービーのあとは疲れも出て、日数ほどのトレーニングはできていないですね」
 東龍之介は京王閣ダービーの一走目に落車したが、幸い軽傷で済んだ。
 「軽傷で走れたので、これといったダメージはなかったです。開催中に休みの日もあって、治癒していきました。帰ってからも治療して、練習は普通にやってきました。前回は稼げなかったので、今回は結果を残せるように頑張ります。ドームは相性がいいし、前橋はFIでも優勝させてもらっています」


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 山崎芳仁に期待が集まりそう。京王閣ダービーは敗者戦で3度の確定入りを果たした。
 「初日は自ら失敗してしまったのが痛かったです。あとの三走は1着を取れなかったけど、連対はできました。終わってからは普通にトレーニングしてきました。前橋は高速バンクで仕掛けが遅いと届かないイメージです。初日は阿部(拓真)君に任せて。連係は2、3回あります」
 佐藤友和は調子、成績ともに上向いている。
 「ダービーは体の感じは良かったです。点数も上がってますし、これからもっと上がっていくと思います。練習はいつも通りやってきました。(初日は)3番手なんで難しいけど、その中で考えながらやれることをやって1着を目指します」


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吉田敏洋選手
吉田敏洋選手
 吉田敏洋(写真)は前回の京王閣ダービーが20回連続出場の節目の大会だった。
 「残念ながら準決勝に勝ち上がることはできなかったんですけど、まだまだ頑張りたいなっていう気持ちになりました。この先、何回まで伸ばせるか分からないけど、ひとつの目標としてやっていきます。さすがにこの歳で1週間の開催だったし、、終わってから3日くらい休んで、順調にトレーニングできました。竹内(雄作)に積極的に行ってもらって、年寄り2人でしっかり追走します」
 竹内雄作は京王閣ダービーで準決勝に進出。好調時のパワーが戻ってきた。
 「久々のGIで緊張したんですけど、初日の感覚はすごい良かったです。後半が尻すぼみになってしまって、それが課題ですね。(準決勝で)SSの選手を合わせるくらいにならないと。でも、いい刺激になりました。ここに向けて、しっかりトレーニングをメインにやってきて、直前の感触は悪くなかった。積極的に攻められればなと思います」



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佐々木悠葵選手
佐々木悠葵選手
 佐々木悠葵(写真)は地元期待の新鋭だ。直前の大宮FIは無傷の3連勝で3度目のS級優勝を飾った。
 「最近の感触はあんまり良くないですね。前回の大宮の感じも良くなかったです。でも、大宮が終わって次の日にドームで練習した感じは良かったので大丈夫だと思います。(地元記念初出場で)気合は入っています。前橋はいつも成績がいいので、ひとつひとつ勝ち上がっていけるように」
 宿口陽一は京王閣ダービーで好走するなど、高いレベルで安定している。
 「平原(康多)さんの考えた練習メニューをこなして、それでずっといいですね。ダービーが終わって2日間休んで、セッティングを変えて、それに慣れるためにずっと練習してました。佐々木君とは初連係。レースは見ているし、離れないようにしっかり付いていきたい」


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木暮安由選手
木暮安由選手
 地元エースの木暮安由(写真)が一次予選のトリを務める。蕗澤鴻太郎の番手できっちり勝ち切る。
 「(ダービーの)初日はけっこう感じ良く踏めたんですが、最終日は離れてしまったので、そこを修正して今回は臨みたいと思います。練習ではいいんですけど、その成果は出てないですね。ここに向けて、順調には来れたし、(初日は)蕗澤君に頑張ってもらいます」
 蕗澤鴻太郎は地元のアドバンテージを生かして強気に攻める。
 「練習はここ最近の中では一番良かったです。地元記念なんでしっかり頑張ります。7車のほうが好きですけど、9車でもしっかり力を出し切るレースをします」


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清水裕友選手
清水裕友選手
 清水裕友(写真)は3月松阪ウィナーズカップでは通算3度目のビッグ制覇。その後も好調をキープしている。
 「(ダービーは)前検日から脚が軽くて調子がいいのかなって走っていたんですが、あんまり自転車に力が伝わってなかったですね。その中で決勝に乗れたのは良かった。決勝はあの距離でもう少し残れれば良かったんですけど、松浦(悠士)さんの優勝は自分のことのようにうれしかったです。終わってまずは疲れを取って、ウエイトはやってきたんですが、自転車は体が受けつけなかったので乗ってないです」
 山田英明は京王閣ダービーの準決勝で清水裕友との連結を外してしまった。
 「自分のマークの技術不足をすごい感じました。ちょっとずつ体の状態は良くなっています。気持ちを切らすことなく、引き締めていきたいですね」
 渡邉一成は京王閣ダービーで惜しくも優出を逃したが、動きは軽快だった。
 「準決勝は惜しかったですね。もう少し何かできれば良かった。この経験を次に生かせるように。ダービーのあとは腰痛と疲れが出て、体の具合が良くなかったので、ケアを中心にやってきました。このバンクは後方に置かれると厳しいので、その辺も考えながら、いつも通りタイミング良く行ければいいと思います」