『前橋競輪開設71周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:5月22日

 ナイターのGIIIシリーズ、前橋競輪場開設71周年記念「三山王冠争奪戦」は5月21日に2日目が行われた。二次予選7個レースをメインに熱戦が繰り広げられた。清水裕友、和田健太郎のS班2名はともに2着。地元勢は木暮安由、佐々木悠葵、蕗澤鴻太郎の3名が勝ち上がりを決めた。3日目の22日はファイナル進出をかけた準決勝3個レースが争われる。
 今シリーズは無観客での開催となります。テレビ、インターネット中継などでの観戦をお楽しみください。

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東口善朋選手
東口善朋選手
 前受けから突っ張り気味に踏んだ近藤夏樹を三好恵一郎が強引に押さえて赤板を迎える。そこを竹内雄作が一気にスパート。打鐘で三好を叩いた竹内が主導権を奪い取る。ライン3車で出切って上位独占の態勢に。最後は粘る竹内を番手の東口善朋(写真)がきっちり逆転した。
 「(竹内に)黙って付いていきました。積極的に仕掛けてくれるし、(ライン)3車というのも大きかったですね。周りはしっかり見えていたし、まくって来ても止まるスピードでした。1着が取れたし、体は動いてくれている。ラインで決まるのがやっぱりベストなので、勝ち上がりで上位独占できたのはすごい良かったです」
 逃げた竹内雄作は2着。ラインを上位独占に導いた。
 「いい展開になったと思います。でも、思うように回せてなかったし、バックからタレたので、修正が必要ですね。初日より距離が短かかったから粘れただけ。体自体は問題ないので、セッティングを少しさわってみます」

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蕗澤鴻太郎選手
蕗澤鴻太郎選手
 地元の蕗澤鴻太郎(写真)が大金星を挙げた。中団の太田竜馬にフタをしてから打鐘前に飛び出して逃げる。すかさず反撃に出た太田は外、外で苦しくなる。そのまま蕗澤が強じんな粘り脚を発揮した。
 「太田君が中団を取ったので、その後ろから作戦通りでした。太田君が引かなかったらフタをして、前に出たら後ろも芦澤(大輔)さんなので信頼して駆けるだけでした。今日(2日目)は昨日(初日)に比べたら軽かったです。明日(3日目)もクリアできるように。記念の決勝進出はまだないので、まずは準決勝を突破したいですね」
 芦澤大輔は追走いっぱいの2着。蕗澤の強さを称える。
 「(蕗澤は)めちゃめちゃ落ち着いていたし、めちゃめちゃかかっていた。ホームのかかりで別線は来られないなって。あの太田でもキツいだろうなってぐらいのかかりでした。ゴール前はいつも通りのマーク。本当に引きずり回されました。いろいろセッティングを試していたが、訳も分からず一杯になった。セッティングは元に戻します。蕗澤君は101点の選手じゃないですよ」

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神田鉱輔選手
神田鉱輔選手
 前受けから突っ張り気味に踏んだ渡邉一成を晝田宗一郎が赤板前に押さえて出る。そこを脇本勇希が一気に仕掛けて主導権を握る。これで絶好となった神田鉱輔(写真)が車間を空けて別線をけん制してから鋭く追い込んだ。
 「(脇本が)いいところで行ってくれました。距離が短かくなって展開が良かったけど、(脇本が)強かったです。(ライン)2車だったんで、内を空けると来られるし、タテでけん制しようと思ったけど、バックで詰まりすぎたのがダメですね。自分の調子はいいです。バッチリです」
 人気の渡邉一成は打鐘過ぎに雨谷一樹に内をすくわれて後方に。渡邉を見切って最終2コーナーで内に切り込んだ成田和也は河野通孝をどかして雨谷のまくりを追う形から2着に突っ込んだ。
 「想定していた展開。内も気をつけていたけど、レースになると難しかった。(渡邉が)何回か外を踏んでキツそうだったので、自分で切り替える形になっちゃいました。もう少し前に行きたかったんですが、内も詰まっていて、たまたま河野(通孝)のところになってしまった。最後はけっこう伸びました。どうせなら1着まで行きたかったですね」

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山田英明選手
山田英明選手
 後ろ攻めから上昇した小林泰正を前受けの山崎芳仁が突っ張り、青板のバック過ぎから激しく踏み合う。山口敦也は赤板で内に行ってしまって山崎の番手で粘る。山田英明(写真)は山口を追わず、自力に転じて赤板の2コーナーから一気にスパート。あっさり山崎を叩いて最終主導権を奪う。山崎が3番手で前2人を追うが、車間は詰まらない。そのまま山田が力強く押し切った。
 「大塚(健一郎)さんが固めてくれたし、前がダメな時はどうするかも考えていた。山口君が強い気持ちだったので任せたけど、彼が内へ行ってしまって…。彼がもったいなかった。脚を使っていなかったので、緩んだところで行けば後ろも大塚さんなので何とかしてくれるだろうと。脚は重いなって感じでした。ダービーでメンタルとか体力が削られていたんだと思う」
 山崎の後ろから阿部力也が追い込んで3着に。
 「しっかり山崎さんを追走していけたし、良かった。山崎さんが長い距離を踏んでいるのもあるけど、自分の伸びもまずまず。いい緊張感を持って走れています。決勝に乗れるように頑張りたい」

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佐々木悠葵選手
佐々木悠葵選手
 後ろ攻めとなった佐々木悠葵(写真)は早めに動いて、中団の南潤のところでフタをして位置にこだわる。前受けの鈴木裕は赤板の2コーナーから腹をくくって駆ける。打鐘で南を押し込んで4番手をキープした佐々木は最終ホーム前からまくる。海老根恵太のけん制を乗り越えた佐々木が先頭でゴールを駆け抜けた。
 「(初手は)前か中団が良かったけど、ちょっと失敗しました。あそこの位置にこだわって、先行と思ってました。ヨコは苦じゃないので。鈴木さんが駆けてしまったし、踏んでいる時に仕掛けたのでキツかったです。セッティングやフォームがグチャグチャで全然ダメでした。養成所時代から使っているサドルがここに来る前に壊れてしまって、何時間も触っているんですが、良くならないです」
 最終バックで切り替えて地元コンビを追いかけた山田久徳が前の木暮を抜いて2着に入った。
 「(南)潤は引くか迷ったと思うけど、中団にこだわったので、しょうがないですね。自分のやれることをやろうと。ジャンで潤を迎え入れてから最後は伸びたし、連日、いいですね」

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渡邉雄太選手
渡邉雄太選手
 後ろ攻めから切った吉田敏洋を渡邉雄太(写真)が押さえ、その上を河合佑弥が叩いて逃げる。番手の宿口陽一が河合との車間を大きく空けて後続をけん制するが、3番手を確保していた渡邉が詰める勢いで最終2コーナーから力強くまくって快勝した。
 「たぶん河合君が先行するかなって。その3番手を取れればと。来なかったら先行でもいいかなって思ってました。宿口さんが車間を空けたけど、詰まってバックを踏んでいたかなってところでタイミング見て仕掛けていけた。昨日(初日)はびびって行けなかったけど、今日(2日目)は1着を取れているのでいいと思う」
 マークした和田健太郎は直線で詰め寄ったが、逆転ならず。
 「自分の状態は徐々にですね。やっぱり走りながらやっていくのも選手の仕事というか使命。それをどうやって攻略していくか。(1番車の)プレッシャーはあるけど、それはこの立場じゃないと味わえないので楽しみながらやれればと思います」

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小倉竜二選手
小倉竜二選手
 後ろ攻めから切った飯田憲司を瓜生崇智が赤板で押さえる。前受けから7番手まで下げた清水裕友は赤板の2コーナーから反撃。打鐘の2センターで瓜生を叩いて先行策を取る。4番手以下は離され、別線は手も足も出ない。最後は番手絶好の小倉竜二(写真)が鋭く差し切った。
 「清水君がやさしい感じにジワジワ踏んで先行してくれたので、付いてて楽でした。出た瞬間、まくられることはないと思ったので、あとはどこまで差し込めるか。ペースで行ってくれたので、僕も余裕はありました。そのぶん抜けたのかなと思います」
 清水裕友は長い距離をしっかり踏み切って2着に粘った。
 「前を取って行けるところから行こうと。ああいう形で先行するパターンになると思ってました。自分の中でレース中に試してみたいことがあったので、ケツを上げずに行きました。昨日(初日)みたいにもう少しガツンと行ったほうがスピードに乗ったかもしれない。そっちのほうが新しいシューズの持ち味が出ますね。ライン3人で決まったのは何よりもうれしいです」